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nkk_rist
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うちよそ
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置き去りになった夢
pkgうちよそ フェイク→フロツヴァ
ツヴァイちゃんに対するフェイクの好感度が良くならなかった√
※死にネタ
1
2
「フロウが死んだ?」
その声色は今まで聞いてきた中で最も無機質なものだった。ソウルディからの面倒な仕事を終えいつものようにエオス事務所の施設に向かい適当な選手を捕まえて遊ぼうと思っていた時。
彼フェイクの前に姿を現したのは普段の余裕そうな立ち振る舞いよりかは僅かに静まったリグと、酷く窶れた状態で涙を零し俯くプクの肩を寄せ眉を顰めるオウジだった。
「ドッキリ?俺に?」
「いいえ、本当ですよ。貴方がそんな顔をするなんて珍しい事もあるもんですね。
…
まあ、無理もないですが」
対応や表情はいつもと変わらないフェイクだが、彼の僅かな動揺を見逃さないのは同じインテレオンだからだろうか。
同族だからこそフェイクは悟った。嘘ではないと。何より救助隊の中でも比較的平和主義で嘘を付くことに慣れていないであろうプクの元気が無い。
「
…
今何処にいるんだ?」
「この先の診療室で皆別れを告げています」
「そう。遺体はあるんだ」
「ちゃんと回収しましたよ。彼には知り合いが多いですから」
あくまで変わらない声色に涼し気な表情で答えるとそのまま迷いなく廊下を歩きリグ達の横を通り抜けた。
酷くうるさい鳴き声が聞こえる。
診療室と書かれた部屋の扉を開けると奥で静かに横たわるフロウにしがみつきわんわんと泣くスークンとなんとか宥めようとするが共に悔し涙を流すラブルがいた。確かフロウと救助隊を結成し共に活動してきた仲間だったか。
まだ幼いスークンは置いていかないでと泣き叫んでいる。
その近くで表情を失い虚ろな瞳でフロウを眺め立ち尽くすのはツヴァイだった。よく見れば涙袋が腫れている。散々泣いた後なのだろう。
「死因は?」
落ち着いた男性の声が室内では目立ち、すぐにラブル達がこちらを向く。
ツヴァイはビクリと肩を揺らし徐々に虚ろだった表情が崩れ嗚咽しながら両手で涙を拭いながら少しずつ口を開き始める。
「フロウが、ボクを
……
庇って、くれて、っ、ボクが捕まらなければ、
…
ひっく、フロウは無理しなかったかもしれないの、に、っ、」
「
…
メフィストって連中が一度グロリア達に掻き回された事に腹を立てたみたいでね
…
ガラル地方の平穏は訪れたみたいだけど、連中の生き残りがツヴァイに手出ししたのよ。一人でアジトに向かうなんて無茶して
………
。本当に、フロウらしいんだけどね
…
馬鹿な男だよ」
寂しげに話すラブルは頼ってもらえなかった事に悔やんでいるのだろう。
「ツヴァイ、あんたを守った事にフロウは後悔無いだろうさ。あんたのせいじゃないとあたいが保証するよ」
「ぐす
……
ツヴァイお姉ちゃん
…
」
ポンポンとツヴァイの縮こまった背中をあやすようにさするラブルとツヴァイの手を震えながら握り俯くスークン。
ふと隣に視線を向ければ穏やかな表情でベッドの上に横たわり永遠に眠るフロウの姿が見える。
元々無茶をしがちな彼の身体には普段から幾つか傷跡がある。ポケモンセンターで治療してもらえば完全に無くなるのだが、こうして跡があるという事は治して間もないのかもしれない。せめて最期にと綺麗に整えられた彼の美貌は相変わらず健在だが、顔色は今まで以上に青白く生気がない事が分かる。
ゴーストタイプに死の概念があるのか。フェイクは不思議とその点に触れることは無かった。
いや、触れまいとしていたのかもしれない。勝手に無いものだと安堵していたのかもしれない。
一人で来いと言われたか。それとも彼自身がそう判断したか。フェイクにとってそれはどうでもよかった。彼にとってどうでも良くないのは今目の前で泣いている彼女
…
ツヴァイの件だった。
フェイクはずかずかと沈みきる少女達の中に割り込みツヴァイの首を大きな手で掴み上げた。
「いいや?お前のせいだよ、ツヴァイ」
「ひ、」
「ちょっとあんた
…
!」
ラブルが止めようとするが長身の男相手に力で叶うはずもなく。スークンが悲鳴を上げる。
苦しげにしながら潤む瞳をフェイクに向けるツヴァイに目を細め続ける。
「お前がフロウを殺した。お前に彼は弱かった。弱みを握ったお前は酷い彼女だね?」
「ボクが、ころした
……
、」
「いい加減にしな!ツヴァイのせいじゃないって言ってるだろ
…
!?」
バシッと頬を叩かれよろけた拍子にラブルは掴まれていた手を外しツヴァイを保護する。げほ、と咳き込むツヴァイに心配そうに駆け寄るスークンと二人の前に出て泣きそうな顔で守ろうとするラブル。
「あんたこんな時にどういうつもりだい、フロウの事何も知らないくせに
…
!」
「知ってるさ」
その声色から伝わったのは怒りだけではなく、とても奥深いものだった。
「高飛車で一匹狼のくせに変な所ゆるくて、不器用で、お人好しで、誰かを寄せ付けるカリスマ性も知性もあるのに馬鹿な面もあるし」
「
…
っフロウに近付かないで!」
ぽつぽつと呟きながらゆっくりとフロウの元へ近付くフェイクにラブルは噛み付くようにして威嚇する。
「人間の頃から変わらないよお前は。そんなお前のどんな事だって知ってる。手持ちが皆死んで叫び続けていた時も、救助隊とかいう似合わない事し始めた時も、彼女が出来て気が抜けてる幸せそうな様子も、全部。なあフロウ、何で俺が全部知ってると思う?俺の苦労も知らないでさ、死んだ?冗談でしょ」
メフィストにフロウが元人間であることをばらしたのは俺だ。俺達だ。"フロウを知る為にソウルディ達と手を組んだ"。
情報も何もかも全ては俺自身の目的の為に仕事をしたまでだ。ソウルディを上手く利用したまでだ。
俺のせいじゃない。俺のせいじゃ。
…
じゃあ何?アイツの思惑通りだったって事?
利用されていたのは。手のひらで転がしていたのは俺ではなく。
「あんた
…
一体何を知ってるのよ
…
?人間って
…
」
「ああ知らないんだ。残念、教えてなんかやらないよ」
笑って吐き捨てる様子に何を感じ取ったのか引き止めるのを止めたラブルの背後で、ツヴァイがぽつりと
「そっか、
………
フェイクも、悲しいんだね。
……
だって、泣いてるもん」
そう問いかけた。
それだけだった。
それだけだったのに。
フェイクは目を見開き指で己の頬に触れる。
濡れている。自分だけのものだった感情は今彼女に共有されてしまった。
「
…
俺はお前が嫌いだよ」
「
………
うん」
フロウが横たわる前に座り込むフェイクへツヴァイは包み込むように抱きしめる。
彼女の温もりを無視してただ一心にフロウの遺体を見つめ続ける。
(あーあ。俺の夢もここで終わりか)
(なあフロウ)
(お前は結局思い出してくれなかったな)
(あの時確かにお前と出会った泣き虫メッソンの事を)
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