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三毛田
2025-11-16 13:16:40
1068文字
Public
1000字5
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78 078. いっそ壊してしまいたい衝動
78日目
ないわけじゃない
そんなことをしたら、確実に嫌われる。もう二度と一緒に居ることなど出来ないかもしれない。
わかっていてるけれど、全てを壊してそれなのに手を差し伸べて救いを与えようとするロクデナシになってみたい。そんな衝動。
自分らしくない思考に、これは夢なんじゃないかと頬を引っ張る。でも、痛いので現実だ。多分。
俺らしくない。そんなことを思いながら目を開けると、視界の半分を覆う黒い布に包まれたもの。
「穹。まだ眠いのか」
柔らかく優しい声が降ってくる。
「
……
でっか」
「何の話だ」
痛いけど、夢だったのかも。
だって。丹恒に膝枕をしてもらって、彼の大きな胸を下から眺めていたらだんだん眠くなってきたんだから。
わざわざ頬を引っ張るわけがないんだよな。
「まだ眠いのであれば、寝ていていいぞ」
手甲をつけた手が、俺の頬を傷つけないよう優しく撫でる。
慈愛に満ちた瞳に見惚れていると、わらわらとキメラや小さな大地獣が集まってきて。
二度寝どころじゃないよ、これ。
アウアウ、うおーんうおーん。
キメラの言葉はサーシスの祝福のおかげでわかるんだけど、大地獣はまったくわからん。けど、どちらも丹恒に甘えに来ているのだけは、ニュアンスでわかる。
というか、俺の丹恒だぞ。
そう喧嘩を売りたいけれど、物量には勝てないため、まだ大人しく膝枕しておく。
「すまない。今は穹と過ごしたいんだ」
すまなそうに断りを入れる声を聞きつつ、寝たフリ。体の向きを変えて、おなかに顔を埋める。
まあ、丹恒にも周囲にもバレバレなのは分かってるけどな。
でも、邪魔しようとしているのは周囲なので、文句は言わせない。
「ガオ~。丹恒様と番様の邪魔をしちゃだめだよ」
その一言で、散り散りになっていく。ありがとう、キララン。
「番、か」
ちょっと煮え切らないような声色なので、どんな顔をしているのか見てやろうと目を開けたら。
「ぇ」
耳まで真っ赤になっていた。
何その反応。可愛いじゃん。
「丹恒」
「き、穹」
「俺が狸寝入りなのは、気づいてただろ?」
「それは、そうだが」
「番って言われて、ドキドキしてた?」
「それは
……
」
口ごもるのが、もう答えだ。
「丹恒、好きだ。ううん。愛してる」
長夜月によって、一人別空間を漂っていた俺を千年という途方もない時間をかけて探し出してくれた人。
そこに愛以外の何があるというのだろうか。そんな彼に、報いたい気持ちもあるし、与えてくれるもの以上に愛を返したい気持ちもある。
「なあ、丹恒」
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