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こあらん
2025-11-15 00:27:58
2499文字
Public
ロベシエ
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すべては、この日からはじまった(ロベシエ)
ハロウィンネタ。ロベリアの季節ボイスのネタバレがあります。初掲載はXにて。
ラストのシエテの独白を微妙に加筆修正してます。
「
…………
」
ハロウィンパーティーの喧騒の中、眼の前で包帯でぐるぐる巻きにされた団員がいる。いくらシエテとはいえ、こういう場合はどう対応していいのか困ってしまい途方に暮れる。しかも、相手はシエテが前からマークしていた要注意人物である、ロベリアだ。先程、団長が彼を包帯でグルグル巻きにしたのをこっそり目撃した。団長はその後この場所から離れ、今は別の団員と戯れている。二人の様子が気になって一部始終見ていたが、どうしたものか
…
。このまま知らないふりをして移動しようか。でも、それだと放置されたロベリアが少し可哀想かもしれない。
「ほら、ちょっとちょっと。大丈夫?」
顔までもが包帯で覆われているから、このままでは息ができない。シエテは、ロベリアの顔に巻かれていた包帯をほどいた。
「ぷはっ、くははっ、メルシー!きつく縛られた包帯で骨や筋肉が軋む音はなかなかだったが。流石に顔は苦しくてね!」
そう言いながら、ロベリアは残りの包帯を器用に解き始めた。正直、シエテが解いたのは顔だけ。残りはロベリア自身がなんとかしたし、非常にご機嫌な様子だ。助けなくてよかったのかもなぁと一瞬疑問が残った。しかし、一体何をどうやったら団長にあそこまでされてしまうのか。シエテはやれやれと、ため息をついた。
「ハロウィンの日は団長ちゃんも忙しいんだし、もう少しわきまえて行動したら?君も団長ちゃんを怒らせたくないでしょ?」
「ノン、そんな事ないぜ。ああ見えて、団長はオレとの時間を楽しみにしているのさ!」
「あぁ、そう
……
」
うーん、これは反省していない。団長がああいう態度に出る事は滅多にないんだけどな。そう言えば自分にも割と塩対応だよな?とシエテは一瞬頭をよぎったが、今は考えない事にした。それにしても、ロベリアが他の団員といる姿をあまり見たことがない。だからこそ、余計に団長に絡んでくるのかもしれない。なんだか放っておけない気持ちがむくむくと湧き上がってくる。
「君ももっと色んな人と交流をした方がいいと思うよ〜」
「ノンノン、必要ないね。オレはタワーと団長がいれば充分さ」
シエテのアドバイスにも、ロベリアは一蹴する。やはり前から感じた通り、他者との交流にはあまり興味がないみたいだ。しかし、シエテもハイそうですか、と会話を終わらす訳にはいかなかった。
ロベリアの過去の所業は、彼が団に入った時から十天衆の仕事を通してシエテは把握していた。団長の側にいて果たして大丈夫なのか、以前から気になっていた。だが、今は牙を潜めて団長との約束を律儀に守り、大人しくしている。しかし、好青年を装っているが、彼の嗜好は変わっていない。今でも破壊の音を楽しんでいる。内側に潜む狂気ーー団長もそれを感じ取って、ロベリアにはああいった態度を取っているのかもしれない。まぁ、見方によっては仲が良さそうに見えるけど
…
。
団長と他の団の仲間との関係は、自分は口出しをしない方がいい。でも、ロベリアから垣間見える団長に対しての執着は、見ていてどうもじっとしていられない。自称団長の友人であり先輩であり保護者であり、相棒であるシエテは、前からそう思っていた。
これを機に、ロベリアと親しくなって彼の動向を探ろう。そうシエテは決断した。何かあってからでは遅い。まずは相手を知って、己の懸念が本当かどうか確かめないと
…
。
「はははっ、そう言わないでさ!色んな人ともっと仲良くなれば新しい音に出会えるかもよー。そうだ!試しに俺と友達になってみない?俺、最近ギター始めてね。ちょっと俺のギターの音、聞いてみない?」
「キミと
…
オレが
…
?」
シエテからの誘いが予想だにしなかったのか、ロベリアは一瞬目を丸くした。それから、唇を指で押さえてシエテの顔をじっと見つめている
ーー急な提案で警戒と好奇心が半々ってとこかな
…
食いつきは、悪くない。シエテはにんまりした。
「
…
全空最強の剣士が友達って不服かい?ねえ、“全空一の魔術師”、ロベリアくん
…
?」
少し、挑発気味にロベリアを煽る。彼も馬鹿ではない。きっと、シエテの裏の意思もある程度察しているはずだ。ロベリアはシエテをまっすぐ見据えて、笑みをこぼす。しかし、その瞳は鋭く、シエテの腹の底まで見透かしている。確かな炎が瞳に灯った。
「
……
くはっ!確かにキミは興味深い音を出しているから、前から少し気になっていたんだ。いいね、 キミと仲良くなるのは悪くないかもしれないな。よろしく、シエテ」
そう言ってロベリアは無邪気に右手を差し出した。でも、指先に妙な力がこもっている。シエテもそれに返し、強く握り返す。これで、ロベリアの交流も広がり、少しでも団長ちゃんの手を煩わせないといいんだけど
…
そうシエテは思った。
※※※※
ーーこうしてあるハロウィンの夜、俺とロベリアは“友達”になった。
最初はロベリアがどんな性格かよく分かっていないし、どうなる事やら
…
と心配したが、意外と気が合った。ロベリアはお喋りだし、会話も弾んで一緒にいるのが楽しいと感じたのは、思わぬ収穫だ。自然とプライベートの時間に、一緒に出かけたり食事をする時間が増えていった。そんなある夜、酒の勢いで気が緩み、気が付いたら一線を超えていた。今や、肉体関係ありきの関係だ。ロベリアの熱い熱を身体で受け入れ、今まで経験をして来なかった悦びを味わう事になるなんて。最初は動向を探るつもりだけだったのに、計算外もいいところだ。
親しくなるにつれ、団長だけじゃなく、俺にも執着を持つようになった。子供じみた事で、すぐに嫉妬をするし、隠し事なんかしたらロベリアの機嫌を損ねて大惨事だ。その度、身体も好き放題されて、身が持たない。それなのに、その行為を甘く感じてしまう自分が怖い。
年下らしく甘えてくる動作や、端正な顔立ちに油断して、完全に絆されてしまった。
気が付いたらロベリアと俺との関係は“友達”ではなく、“恋人”となっていた。
ーー本当に、計算外だ
…
。
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