三毛田
2025-11-13 21:06:21
1076文字
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75 075. 抱きしめてもまだ足りない

75日目
からキスもしたい!

「ん!」
「なんだその腕は」
 これから依頼に出かけるぞ! と意気込んで、丹恒に会いに行き両手を広げたら怪訝そうに言われた。
「行ってきますのハグ」
「何故?」
「出かける前にストレスが減るから。それに」
「それに?」
「俺がお前とハグしたいの!」
 少し頬を膨らませると、理解不能だ。と小さく呟き。
 ハグしてくれるまでは、てこでも動かないぞ。という視線を向けたら、渋々してくれた。
「行ってきます!」
「行ってらっしゃい。こらっ」
 隙あり! と、頬にキスをしてから資料室を飛び出す。
 後から、会話が丸聞こえだったとなのから聞かされ。照れた丹恒に、背中をバシバシ叩かれたのだった。
 あれ以降、何度も俺がおねだりするものだから、丹恒もだんだんと慣れてきて。
「丹恒。行ってきますのちゅーとハグ」
「来い」
 男前すぎるだろ。じゃなくて、そんなに身構えなくてもいいのに。
 内心苦笑しつつ、ハグしてからお互いの頬にキス。
 これが当たり前になってきている。
 一度だけ唇にキスをしたら、客室車両が揺れて部屋にいた姫子とヨウおじちゃんが飛び出てくるくらい勢いよく殴られた。
 さすがに唇には早かったらしい。
 その時のなのは、ぐっすりお昼寝中だった。
 でも、スキンシップに抵抗がなくなってきてるみたいだから、そのうち不意打ちでキスしても怒られないかな〜。なんて考えている。
「さっさと終えて、丹恒にハグしてもらお~っと!」
 スキップしながら、道を行く。街の人の視線がちょっと痛かったけど、気にしたら負けだ。
 無事に依頼を終え、ついでだからと追加で受けてそれも終えてから帰る。
「たんこ~!」
 パムに帰還の挨拶をして、素早くシャワーも済ませてから資料室へ突撃。
「おかえり、穹」
 作業をしていた手を止めて、手を広げてくれる。
 飛び込むと、優しく抱きしめてくれて。ぎゅうぎゅう抱きしめると、流石に痛かったのか、背中を叩かれた。
「丹恒、ごめん。痛かったか?」
「少しな。改めておかえり」
「うん。ただいま!」
 キスしようと顔を近づけると、背中に回っていた手が頬を包んで。
 え? と思っていたら、唇が重ねられた。
「た、たんこう?」
「違ったか?」
「ち、違くありません! も、もう一回お願いします!!」
「ああ」
 俺が真っ赤になりながらねだると、もう一回キスをくれて。
 彼の中でどんな変化があったのかわからないけれど、嬉しくて仕方ない。
「俺からも!」
「それは、遠慮しよう」
「なんで!?」
 断わると同時に、俺を軽く押した。