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望月 鏡翠
2025-11-13 11:57:18
993文字
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日課
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#1900 羊飼いの国6
#毎日最低800文字のSSを書く
羊飼いの家族は星を拾いにいこうとした、男が拾って戻ってきた怪しい客を暖かく出迎えてくれた。家には猫がいて、侘助の頭の上の雛に興味を示していた。
大抵の獣に対して、食欲か無関心かを示す雛が尻尾にじゃれつこうとする猫に対して威嚇する。うっかりペットを引っ掻いてしまったら怪我をさせてしまうだろうから、袖にしまって隠すことにした。
それでも猫は袖を気にして膝の上に登って、布の膨らみを叩く。雛も中から応戦し、二匹で揉み合っていて食事に集中できなかった侘助は、羊飼いの家族に苦笑されながらそそくさと家を出た。
牧草地を横切っていいと言われたので、羊の群れを見ながら歩く。雛は猫との遊びに疲れたようで、ぐったりとして、ようやく外に出られたと頭の上でくつろいでいる。
牧場を離れ、またひらけた森に踏み入ってしばらく歩いたとき、俄かに暴れ出した。
羽繕いのときに羽をばたつかせて動かすのとも違う。声をあげ、角を噛んでどこかに引っ張ろうとする。ぴぃぴぃと鼻を鳴らして何かを訴えようとしているから、侘助もどうやら何かあったらしいと気が付く。
雛が肩から飛び降りて、前に出た。
久しぶりに雛が自分の足で歩いているところを見た。
「どこにいく」
逸れたら大変だと、侘助はその背中を追いかけた。
リスかウサギでもいたのか。星探しは遊び回る雛を咎めて捕まえるほど、急ぎの用事ではない。体のバランスを取るために、ぱたぱたと動く翼を見ながら、後ろをのんびり歩いて追いかけていくと、焦げた匂いを感じ取った。
山の中で火の臭いとは穏やかではない。
そうして、星を見つけた。
星かどうか、見ただけで確信はなかったのだが、空から落ちてきた星が燃えていたときいたから、きっとこれがそうなのだろう。地面が陥没している。
その中心に黒く丸い石が転がっていた。
近づけば匂いを感じ、今この距離までくればまだ熱を感じる。しかし歩いている最中何も感じなかったものに、雛は確信をもって近づいていた。
「これが星なのか?」
侘助の問いかけに、雛は誇らしげに翼を広げて一声鳴く。
感覚が鈍いと思っていたが、どうやら侘助とはまた違うものが、よく見えているらしい。陥没でできた穴の縁まではいくが、警戒してそれ以上は近づかない。
侘助も雛の警戒心を信じることにして、一度羊飼いの男を呼びにいくことにした。
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