syanpon
2025-11-12 20:59:30
1167文字
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どっちに転んでも甘かった

オトスバ
現パロ

「シェアハピ〜?」
「はあ」
「おいそこは●ッキー! だろ」
「そこに検閲が入ると某夢の国のネズミにもなりますねえ」
「なんでチキンレースはじめた? ポッキーゲームしようぜオットー!」
「伏せ字の意味!」

 昼休みの空き教室、そこで今日も通常運転、元気よく菓子の箱を目の前で振ってみせるスバルにオットーはため息をつく。スバルの言い出すことは大概無謀でありそれと比べれば今回のお願いは可愛いものだ。
 
 可愛いものなのだが。
 
「僕甘いの苦手なんですけど……

 困ったようにオットーが頬をかいて笑うオットー。スバルはそんな友人兼恋人の顔と自身の左手に持った昨日わざわざスーパーに買いに行った菓子箱を見比べる。そして眉間に皺を寄せ、自他ともに認める凶悪な目つきをさらに凶悪にしてオットーを指さし声を上げた。

「これもダメ!?」
「ダメじゃないですけど」
「お前今この瞬間全ての甘味好きを敵に回したぞ」
「大袈裟! いやですねナツキさん。何もやりたくないと言ってるわけではないんですよ。そのチョコかかった部分がちょっと……ってだけで」
「それほぼ嫌ですだろ! チョコの部分俺がぺろぺろすればいいのか!?」
「やめてくださいよ汚いな! そんなことしなくてもいいです! あんたが食べてくれれば」

 スバルはパチリとまばたきをした。目を丸くしてオットーを指さしていた手を自分に向けて首を傾げる姿はどこか幼い。

「俺が?」
「ナツキさんが」
「食えと?」
「食べすすめてもらえれば」
「このポッキーのチョコの部分を?」
「その部分を」
 
 スバルは固まった。フリーズしたかな、叩くのは可哀想だから鼻でも押せば再起動かかるだろうかなんて思っているとそれを実行に移す前にスバルの顔が下から順に赤くなっていく。
 
「それ意味なくね!? ふぇ、フェアじゃなくね!?」
「食べれないとこを食べていただく。とっても環境にやさしい!」
「馬鹿! スポーツマンシップはどうしたよ!」
「ゲームなんでしょう? じゃあ、まあこの話はなかったことに……んぐ」
 
 実際のところコーティングされたチョコレートなんて食べられない程の甘さじゃあない。ただ羞恥に耐えながら顔を近づけてくる恋人をじっと見つめられたら役得かななんて打算的な考え、欲をかいてしまっただけで。失敗したなと思う彼の口にスバルが一本突っ込んできて反射的にそれを咥える。

 オットーに咥えさせたままスバルはぐ、とそれに力を込めてぱきりと折った。
 
 コーティング部分とオットーが咥えた部分がおんなじ長さになるくらいにまで。
 まだ耳は赤いのに据わった目をしたスバルは折った方を口に入れ、オットーを指さして睨みつける。
 
「待ってろ」
 
 ――嗚呼ちょっと煽りすぎたかな。