やがみン
2025-11-11 13:01:16
2604文字
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【JOJO5部、暗チ~1】始まりはいつも都合よく

ホルイル、そしてイルーゾォ女体化、基本ホルマジオ視点
続きます

 ローテーブルに置いたスマホから軽快な通知音が鳴った。

 ホルマジオは雑誌を読む手を止め、通知から手早くメールを開いて本文に目を通した、そしてソファーから勢いをつけて立ち上がる。
「リゾット、俺ちょいと出てくるわ、なんだかイルーゾォが手こずってるみてぇだからよ」
「任務でか?」
「いや、帰り道で変な奴に付けられてるらしい、スタンド使って大事おおごとにしたくないんだろ」
 
 イルーゾォの事だから任務で必要以上に疲弊してスタンドが使えない、が正解だろう。
 
 今日の俺は非番だが万が一の為にアジトには1人か2人、必ず人手を残しておく、近場で任務に行ってる奴が対応しきれなさそうな時や、1人での任務時に怪我や何かで帰れなくなった時の迎えの足のためだ。
 
 アイツ任務が入ると終わるまで任務の事を考え続ける癖があるからなぁ……しょうがね~な~
 教育係としてイルーゾォを一人前の暗殺者まで育てたのがこの俺ホルマジオだ、何だかんだ言いつつ一番気心が知れていて一緒にいる時間が長い。
 
 指定された場所の近くまで来ると、またスマホが通知音を鳴らす。
 イルーゾォが今居る場所の目印や人気の無い路地に隠れている事を箇条書きにしてメールを送ってきたのだ。
「えーと……こっちかァ?」
 道を歩く人の流れからするりと抜けて狭く入り組んだ路地へと俺は足を向けた。
 
「おーい、居るかぁ~?」
 建物と建物の間、薄暗く漆喰の剥げた壁とカビ臭いすえたような空気、雑多に色々な物が置かれてる裏路地。
 
 この辺りだと目星を付けた場所で呼びかける、自然体を装いながら人の気配を探り警戒を解かないのは暗殺者として染み付いた癖のようなもんだ。
「イルーゾォ?」
 奥の無造作にガラクタが積み上げてある辺りからトントン、とノックするような音がする。
 壁際に積まれた表面が風化してボロボロの木箱の裏からその音はするようだ。
「どうした?喋れない程なんかあったのか!」
 最悪な事も考え慌てて木箱の裏を覗いたホルマジオの緑の目が見開かれた、そこにあったのは想像の斜め上を行くものだったのだ。

 「……Ciao、bella……
 こんな時でも口説き文句が出でくる俺ってどうよ?そうじゃあない!そうじゃあないんだ!いや随分混乱してんな俺!冷静になれ!落ち着けよ俺!可愛いなぁじゃあなくって!あーもーしょうがねぇなァあああ!!
「笑うなら笑えばいい、でも馬鹿にするのは許可しない!」
 そう言ったのはイルーゾォと同じ黒髪で、イルーゾォと同じ瞳の色で、イルーゾォと同じ服を着て背中を向けて地べたで膝を抱え、こちらを睨みつける女性だった。
 うん、悪くねェ
 悪くないと言うかかなり好みだ、緩くウェーブのかかったお下げの黒髪は豊かで艶やかだし、長いまつ毛に縁取られた目尻が上がった気の強そうな目元もいい、混血なのかあまり彫りの深くない顔つき、肌の白さと対象的に粘膜の赤みを見せた唇も唆るモンがある……って何値踏みしてんだよ!いや、そうじゃあなくってだな!
 「……まさか……イルーゾォか?お前……!」
 言いたかった言葉がやっと口から出てきた。
 
「そうだよ、悪いか!」
 悪いも何も、俺の知ってるイルーゾォは180cmを越える大柄な男だ、身体もデカけりゃ態度もデカい。
 その癖すぐ俺にキャンキャン絡んできては構わないと不貞腐れて拗ねる面倒臭い奴。
 
 そんな奴が着ている服をそのまま小柄な女性が着ているもんだから全体的にズルズルのブカブカ、元々大きく開いていた襟ぐりのせいで肩からずり落ちるのを気にしてか胸元を押さえている。
「多分、スタンド攻撃を食らった……気付いたらこうなってた」
 それよりも俺は服の襟ぐりから覗く見えそうで見えない2つの膨らみに釘付けになっていた、程よく張りがあって手のひらで弄んでみてぇな。
「覗くのは許可しない!このハゲ!」
 ニヤけてたら手に持っていた靴を思いっきり顔面に投げつけられた、痛ってぇ。
 神経質なイルーゾォの事だ、デカくて脱げた自分の靴を律儀に拾って持ってきていたんだろう。
「お洒落坊主だっつーの……てかお前怪我してんのか?」
 破れたズボンから覗く両膝の擦り傷が酷い、サイズの合わない靴で思い切りすっ転んで出来たんだろう、それにあちこち擦り傷をこさえている。
「どら、見せてみろ……他に怪我してるところはねぇか?」
 怪我の応急処置をしてやろうと俺もイルーゾォの前にしゃがみ込んだ。
 「俺は大丈夫だ!」
 肩に伸ばした手を振り払われて即座に飛んでくる拒否の言葉。
 「そんなに嫌がんなよ、怪我した猫みてぇに気難しい奴だなァ」
 そこで俺はハッと気づいた、顔の左っ側の傷は転んで出来たもんじゃねぇ、右利きの誰かにぶん殴られて出来る内出血だ、乾いた鼻血の跡と口の端が切れている。胸元を押さえてるのはずり落ちるの防ぐためじゃあ無くて胸元を破かれた服と、その時に付けられたであろう肉を一部抉られた酷い引っ掻き傷を押さえるためのもの……
……まさか」
 一瞬で身体の血が沸騰する感覚に襲われる、その癖に頭はどんどん冷えていく。
 ギラギラとした俺の本質みたいなものが頭を埋め尽くして、暗殺者としての俺に切り替わる。
「大丈夫だ……ヤられてない、俺だって暗殺者だ、暴れた時に奴の目玉に指を突き入れてやったら逃げてったよ……
 か細い女の声でイルーゾォが言った。
 無理してヘラヘラ笑うなよ、涙目になってんじゃねぇか。
「でも……気付いたら女になってて……のしかかられて……普段ならどうにかできたのに……どんなに抵抗してもビクともしなくて…………怖か……
 とうとう涙を溢れさせたイルーゾォの肩を抱き寄せて
「よしよし……良く頑張ったなァ……もう大丈夫だ、帰って手当しような、俺のgattina子猫ちゃん
 額にキスをしながらちょいと俺のリトル・フィートで首筋に引っ掻き傷を付けたら帰る準備はOKだ。
 徐々に縮んでゆくイルーゾォを優しく抱き上げようとしたら
……口説くのは許可しない!gattina子猫ちゃんも許さないィ!」
 と、俺の腕の中でジタバタし始めた、マジで猫ちゃんかよ!
 
 しょうがね~な~……猫ちゃんなら猫ちゃんらしく大人しく俺に抱っこされとけ!