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望月 鏡翠
2025-11-11 10:18:49
906文字
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日課
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#1897 羊飼いの国3
#毎日最低800文字のSSを書く
彼は空から星が落ちてくるのを見た。それは空を明るく光らせて、追いかけられそうな距離に、落下して行った。仕事をひと段落させて、彼はそれを探しにいくつもりなのだという。
最初、散歩するには早い時間だと思ったが、なんのことはない。羊飼いの生業というのは、侘助の創造以上に朝が早く、もう散歩に出る頃合いだったらしい。
「ついて行ってもいいだろうか」
空から落ちてきた星。どんなものだか、一目見てみたかった。様々な国を巡ったが、まだ空にある星が落ちてくるところというのはみたことがない。
「ああ、ただ一人で歩くもの退屈だろうからな。一緒に探してくれ」
そこから二人は連れ立って歩いた。
道案内のものがいると、知らない場所を歩くにも心強い。何より、この辺りの土地の持ち主が彼なのだろうから、知らない間に罪を犯していて罪に問われるという心配もしなくてよかった。
知らない国に入ったときに、一番緊張するのが最初の人と交流を持つ瞬間だ。ここがどんな場所なのか、それでわかる。前回の国は土地柄は良かったが、人は最悪だった。攻撃的な交流しか持つことができなかったが、雛という道連れを見つけることができたのは幸いで、総合すればあそこもまた普通の国だっただろうか。
ここの人間はどうやら穏やかだし、話も通じる。
流れ星を見かけたから探しにいく。
その答えは、侘助の気に入るものだった。
雛は侘助の穏やかな空気を感じ取ったらしい。人と遭遇してから隠れていたのに、袖からそっと顔を覗かせた。肩に登ってくると、陽の光を浴びながら、のんびりと毛繕いを始める。
「その鳥、あんたが飼ってるのか」
羊飼いはそれを見る。酒場の店員のように手を伸ばしてきたりしない人で、助かった。
この世界でこの生き物は鳥に見えているらしい。翼の特徴からそう感じたのだろうか。随分と大雑把な人だ。何も尋ねられなかったし警戒もされなかったから、侘助も人らしく見えているはずだ。
途中で道を外れて、山の中に入った。霧はもう晴れていて、遠くまで見通すことができる。
狼がたまに出るくらいで、陽が高くなったのなら心配いらないと彼は請け負った。
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