第25回 一乃会「成田山」
矢来能楽堂
2025年11月2日(日)14:00開演
解説
国文学研究資料館名誉教授 小林健二
狂言「蟹山伏」
山伏:野村萬斎
強力:岡聡史
蟹の精:金澤桂舟
後見:高野和憲
復曲能「成田山」
道誉上人の霊/不動明王:鈴木啓吾
矜羯羅童子:永島充
制吒迦童子:坂真太郎
大巌寺の僧 無哲:大日方寛
博奕打ち:中村修一、内藤連
笛:槻宅聡
小鼓:田邊恭資
大鼓:安福光雄
太鼓:大川典良
総合演出 :鈴木啓吾
間狂言監修:野村萬斎
演出協力 :観世喜正、山崎正道
総合監督 :観世喜之
*・*・*
狂言「蟹山伏」
修行を終えた山伏(シテ)は強力(アド)を従えての帰国の途中、山深い沢辺の近くで異形の者(小アド)に出くわす。山伏はこの者が蟹の精だと見破り、強力が持っていた金剛杖で打ちかかるが、かえってはさみで耳をはさまれてしまう。山伏は祈りの力で助けようとするが・・・。
過去に何度か拝見しておりますが、萬斎さんの山伏で観たのは初めて。強力を助けようと張り切る山伏の動きがキレッキレでした😂
一方、長身の岡さんは、👂️をハサミで挟まれた瞬間、首根っこを掴まれた子猫のようにキュッとなって、表情含め痛そうな感じが良く出ていて良きでした🤭
そして桂舟くんは、先日🐴を演ってたかと思ったら、今度は🦀の役。役のバリエーションが増えてきました。蟹の動き👆をずっとやってるのも大変そうだったけど、とても軽やかな🦀ステップでございました🤭
復曲能「成田山」
釈門に入り教えに従い真摯に学ぶが鈍根無智の悲しさ、経の一句も覚えることができない下総の国 生実 大巌寺の学侶・無哲(ワキ) は、成田山新勝寺の不動尊を参詣する。
無哲が心静かに祈誓すると道誉上人の霊(前シテ)が現れ、「この不動尊はその昔、道誉が御堂で通夜をしていた折、剣を呑む夢をみるや鈍血を吐き、言葉なめらかに物覚えもよくなった」との霊験を語る・・・。
不動明王の霊験譚が謡曲になっているのを知った龍澤山大巌寺の住職・長谷川匡俊氏は、旧縁のある鈴木啓吾師に復曲上演を依頼。しかし過去に遡って調べてみても上演記録がなく、謡曲としてのみ存在していたのではないかとのこと。
ということで、令和の時代に復曲能「成田山」として蘇った本曲は、大巌寺本堂にて2年前に初上演されましたが、その時は奉納という形で、お寺の関係者のみで行われました。よって、一般公開かつ能楽堂での公演は今回が初めてでした。
また前場と後場を繋ぐ間狂言は、当時の謡本には残されていなかったため、萬斎さんが新たに創作したとのこと。
この間狂言パートは、スッカラカンになった博奕打ちが寺に盗みに入るという、本狂言あるある😂なコミカルさを含んだ内容なのですが、そこで見つけた不動明王の像を見て伝承への語りに繋げる内容にもなっており、良く出来た筋になっておりました👏👏👏
そして、ラストはお囃子方のお遊び(効果音)によって、盗っ人二人がビビって逃げていくのですが、中村さんと内藤さんの名コンビが活き活きと素晴らしい演技を魅せてくれたので、幕に入った時に思わず拍手したくなりましたが、メインディッシュは、まだだったー!ということで、グッと堪えました😂
内藤さんの役は、ノコギリを持参して用意周到なのに、ちょっと抜けてるのか可愛らしいキャラで、中村さんの方は彼よりは利口な感じ?最後ちゃっかり“何か”を盗んで行ったところが印象的でした(エアーなのでね、何盗ったんだろ?金目の物?最初に出てきたお供え物の柿?😂)
2年前はこれをお寺の中で演じてた訳だから、リアリティがあったと思うんだけど、二人とも上手いので能楽堂でも見劣りせず、ホントに本狂言を観てるかのような感覚で楽しめました。
中でも中村さんが寺の中を見て回る所なんかは、何となく万作さんの「鬼瓦」を思い出しまして、彼もだんだん万作さんに似てきたんじゃないか?と感じました🤔
後場の不動明王についてですが、能面はこの曲のために新たに作られたもので、チラシ(初演時)の写真では狩衣姿ですが、今回はより不動明王のイメージに近づける為に狩衣はナシになりました。
それでも能だから着物は着てるし、歩き方も摺り足なわけですけど、でもゆっくりと橋掛かりを歩く姿は、ズシンズシンと足音がしそうなくらい重みを感じて、不思議な感覚になりました(ちょっとシン・ゴジラみもあったかも⁉️👀)
まさに不動明王の像が動き出したかのような重厚感がシテのオーラから感じられて圧巻でした。お見事でした👏👏👏
これまで観てきた神や鬼とは違う毛色の演目でしたので、これを機に、今後もブラッシュアップしながら上演を続けて頂き、メジャー化できたら面白いと思いましたし、何より地元の方(千葉)にも観ていただいて、能楽をより身近に感じて頂く足掛かりになったら良いなァと思いました。
過去の観劇日記はコチラから⬇️
https://privatter.me/user/mijuppa
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