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かげにん
2025-11-09 15:41:42
604文字
Public
BWⅡ
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無題(烏賊蛙SS)
「なあスクーバはん知ってる?烏賊は海水で、蛙は淡水でしか生きられへんのやで」
「知ってるが
…
それがどうした?」
「いや、何でもあらへんのやけど
…
」
笑ってごまかす。
たまに不安になるのだ。自分はスクーバの恋人を名乗っていいのか。彼は何をしても優秀で完璧で、雲の上の人のようだ。かたや自分は井戸の中の蛙。失敗を恐れ、そこから飛び出せないでその変わらない暮らしを惰性で生きてる。住む世界が、見えるものが違うのだ。
だから不安になる。自分はこの人に相応しいのか。それは一つのコンプレックスのような。
なんて後ろ向きな考えをしてるとスクーバが読んでいた本からこちらに顔を向ける。
「海を泳いでるお前が今更何言ってるんだ。本物の蛙と烏賊の生態なんて私達には関係ないゲソ」
「せ、せやなあ。互いに普通に海に川に泳いどります」
「それにな、淡水だろうがなんだろうがそちら側に行きたいと思えば何としてでも行ってやる。相手の環境は受け入れ適応する。それが私だ」
ああそうだ、この人はそういう人だ。スクーバという男の前では地位やら人としてのステータスやらなんやらは関係ないのだ。いやスクーバというより
……
恋愛というものの前では、か。
彼が愛してくれると言ってるのだから、そんなこと気にすることのほうが間違いだったのかもしれない。ズバッとした回答に心のモヤモヤが晴れた。
ああ、あなたにはかなわない!!!
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