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かげにん
2025-11-09 15:32:37
1124文字
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流ロク
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スクラップ島の王様(漫画流ロクSS)
ある任務で地球という星にやってきた。
任務というのは地球を侵略すること。
しかし電波体のままではこの星においては十分な力を発揮することはできない。だからわしは人間の体を乗っ取って電波人間になることにした。
そこでであったのがジャン・クローヌ・ヴェルモンド・ジョルジョワーヌ14世という貴族の男じゃった。
クローヌはなかなかに変な男じゃった。
わしの姿を見ても全然驚きもしないし挙げ句の果てに宇宙人の友達が出来たと喜びおる。いつの間にか奴のペースに乗せられ気づいたら地球を侵略する気などとっくに失せていた。
任務がどうでもよくなるぐらい、奴と過ごした日々が楽しかった。
城の従者達にこっそり悪戯してみたり、電波の道を通って世界中を飛び回ったり。本当に楽しい日々じゃった。
──何時までも続くと思っていた。
しかし、しかし人間の寿命はFM星人より遥かに遥かに短かったのだ。
出会ってから数年後、クローヌは病床についた。あの頃の医療技術では治せぬ病じゃった。
そして奴は子供が作れない体で跡継ぎがいなかった。貴族として何代も続いてきた血が彼で途絶えたのだ。
「口惜しいのう
…
口惜しいのう
…
!」
彼は病床でそう泣き続けた。
そう泣き続けながら死に絶えていってしまった。彼は最後まで貴族の誇りを失わず、故に無念のままに死んでいってしまったのだ。
だからわしは、彼の無念を少しでも晴らすため、この島に残ることにしたのだ。彼が、彼の先祖達が代々支配してきたこの島に。FM星人も不死な訳ではない。
ただ、わしにできる唯一の抵抗じゃった。
クローヌの遺体に取り憑き電波変換し、わしはクローヌが住む城に住み着いた。
勿論持ち主がいなくなったこの城を自らの物にしようと沢山の人間が来たが幽霊の振りをして追っ払った。そうしたらいつの間にか「幽霊屋敷」という噂がたっていた。
人間が来なくなったのでよかったよかったと思っていた矢先。
沢山の重機がやってきた。そして城を取り壊し始めたのだ!
止めようとしたが多勢に無勢じゃった。城は呆気なく姿を失ってしまった。
その代わり、沢山のゴミが輸送機で運ばれてきた。あっという間にこの島はゴミだらけになりスクラップ島になっていた。
沢山のゴミに囲まれとても虚しくなった。しかしこの島を離れるわけにはいかなかったのだ。
この島は──
「奴との思い出の土地なんじゃ」
わしは幽霊のふりをしていたがいつの間にか本当にこの土地の思い出に取り憑く地縛霊みたいなもんになってたらしい。
地縛霊で結構。この土地にいる限りやつとわしの絆は途切れない。
そんな気がしたから。
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