かげにん
2025-11-09 15:28:13
662文字
Public W&G
 

無題(グルウォレSS)


 斜めになってる壁の額縁。散乱する本。大量の羊達のせいで散らかり放題の愛しの我が家。これでもだいぶ掃除をしたほうだ。よくもまあ我が御主人様はあの綿毛だらけの部屋で平気でいられたものだ。
 部屋の片付けも手伝わず我が御主人──ウォレスはチーズを食べて優雅なもんだ。

「僕は君がいなくて3日しか我慢出来なかったや。なあグルミット、君ならどのくらいもつかい?」

 ねえウォレス、あなたが足を乗っけてるそれが牧場に帰りそびれた羊って気づいてる?
 そんなことはどうでもいいとして質問を考えよう。ウォレスが今回の僕のように突然牢獄行きになったら、僕はまずそれを信じれないだろう。何かトラブルに巻き込まれて濡れ衣を被る羽目になったと考え、必死に真犯人を探すだろう。
 ──だってあなたはどんなに馬鹿でも本当に愚かなことはしないと知っているから。
 それでももしも本当に罪に問われるようなことを犯してしまったのなら、僕は釈放される日をひたすら待ち続けるのだろう。
 ──だってあなたが悪いことをしてしまったら素直に認め反省出来る人だと知っているから。
 僕は誰よりもあなたのことを分かっているから、信じられる。

(でもね、あなたが僕を脱獄させに現れるのは正直予想外だったんだ。馬鹿だとも思うし、とっても嬉しかった)

 質問の答えを楽しそうに待つウォレスにくだらないといった視線を送る。
 掃除をサボってるからちょっとした意地悪だ。

 ──ねえ愛しい我が御主人。あなたが僕抜きでは駄目だと言ってくれたように、僕もきっと──。