かげにん
2025-11-09 15:27:24
553文字
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年明けはチーズの味(グルウォレSS)


 年も暮れ暮れ12月31日。
 ウォレスとグルミットは自宅でゆっくりとした時を過ごしていた。
 騒がしいのも大好きなのだが、たまには静かにチーズを食べながら過ごすのもいいかもしれないという気まぐれだ。グルミットとしてはそちらのほうが変な問題も起きず嬉しいのだが。

 ウォレスはもうすぐ明日になろうとしている時計の針を一心不乱に見つめている。その傍らテーブルに置いてあるクラッカーにチーズをつけ口に運ぶのだからなんと器用な。
 グルミットも先程まで編み物をしていた手を休め時計を見る。
 そして、2つの針が12を指す。

「ハッピーニューイヤー!グルミット!!」

 ウォレスががばちょとグルミットを抱き上げくるくる回る。毎年の恒例行事。
 そして、グルミットがウォレスの頬にキスをする。
 これも毎年の恒例行事。
 ウォレスがキスをしてくるのなんてよくあることだが、この日だけはグルミットの番なのだ。

「へへへ、君がキスしてくれるのなんて一年でもこの日ぐらいだよなあ」

 イギリスでは年が明けた瞬間だけは、誰にでもキスしていいという習慣がある。
 普段は恥ずかしくてとてもできないけど、この日は習慣のせいにして。
 愛しいあなたに口づけを。この一年もずっとあなたといられるようにと願いをこめて。