かげにん
2025-11-09 15:15:45
759文字
Public ○伝
 

バレンタインと幸福な二度寝と(ブラハリSS)


 早朝。
 覇利丸が静かに眠っていたところ、バンッとドアの開く音が響く。こうして入ってくるのは合い鍵を持っている一人しかいない。

(ブライト?)

 今日は1日夜遅くまで仕事だと思ってたのに。
 服を着替える音が聞こえる。狸寝入りしていたが起きたほうがよかっただろうか。
 そう思っていたらブライトは覇利丸の方へとやってきて。

「ちょ……ブライト?」
「なんだお前起きてたのか」
「いやその前にNE……

 ブライトは布団の中に入ってきたと思ったら思いっきり覇利丸へと抱きついてきた。覇利丸は自然とブライトの胸に埋もれる形になり、少し顔を赤くする。

「どうしたんだYO……いきなり」
「眠い、寝かせろ」

 ……自分はどうやら抱き枕代わりらしいと覇利丸は察する。

……今日は仕事どうしたんだYO」
「休み貰った。お前と違って真面目だからな。たまの休みなら許される」
「眠くても減らず口は回るんだNE……!」

 ただこの疲労困憊ぶりだと徹夜で今日のぶんの仕事を終わらせてきたらしい。それを言わないのはブライトのプライドか。

……あのさ、今日バレンタインなんだよNE」
「だからどうした」
「一応今から起きてYOUに作ろうかと思ってたんだけど」

 女々しいなあと思いつつも一応材料は買っているのだ。一応、付き合っているのだし。どうせブライトは仕事でバレンタインなんて忘れてるだろうと思ったから。
 せめて自分だけでも。

時間はまだあるんだから後で作ればいいだろ。今日ぐらいは二人で過ごそうと思って休み入れたんだ。少しぐらいゆっくりさせろ」
(……ふーん、てことはバレンタイン覚えてたんだ)

 ちょっと意外だったが嬉しくもある。ならば少しチョコを作る時間を後にして。
 この幸福な時間を。