かげにん
2025-11-09 15:11:30
671文字
Public TFA
 

無題(プロアイSS)


「わーいっ!バンブルビー!」
「ちょっと!苦しいってばアイアンハイドッ!」

 何か嬉しいことがあったのだろうか、アイアンハイドはバンブルビーをぎゅうっと抱きしめる。そんな彼らから少し離れた場所にいるプロールはそれをジッと見ていた。
 プロールは地球に来てから随分アイアンハイドと仲良くなったと思っている。しかしまだ彼からの抱擁をもらったことがない。だからプロールはバンブルビーが羨ましいのである。しかし堅物な自分がアイアンハイドに抱擁を強請ることを許さない。

「ぼ、僕このままじゃ窒息死す……あーっ!アイアンハイド!プロールが君に抱きしめてほしそうな目でこちらを見ているっ!!」

 へっ。
 バンブルビーの突然の叫びにプロールとアイアンハイド両者から戸惑いの声が出る。一瞬の緩みを逃さずバンブルビーは光の速さでアイアンハイドから逃げていった。

「プロール、抱きしめてほしいの?」
「えっ、いや私はだなっ……
「じゃあ俺を抱きしめてよ!」

 これはどういう展開か。バンブルビーの口から出任せが図星となってしまい動揺しているプロールは、言われるままにアイアンハイドに抱きつく。するとアイアンハイドもプロールの体に腕を回した。

「俺さ、体大きいから人から抱きしめてもらったことあんまりないんだよね。抱きしめあいっこだ!」
「うむ……、そうであるな」

 えへへっとアイアンハイドは嬉しそうに笑う。
 プロールはずっとこのままでいたいような、体の熱が相手に伝わる前に離れてしまいたいような、そんなもどかしい気持ちになるのであった。