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ぐるさん
2025-11-08 20:56:55
2306文字
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11.8 ふみりかワンドロ【幕開け】
ふみりかワンドロライ(@ fmrk_1draw)さんの2025.11.8お題をお借りしました。今回は両視点まとめて載せました。
「理解は、次のシーズンが始まったら何がしたい?」
ごくごく普通の休日の昼下がり、ふみやさんが奇妙な事を言い出した。
と言っても、時折謎の方角に向かってよく分からない事を言い出す人ではあるので、今更深く追求する気は無いけれど。
「理解、俺の声聞こえてる?」
「
……
聞こえてますよ」
「で、理解は何がしたい?」
「その話まだ続くんですか?と言うか次のシーズンとは?」
「まぁまぁまぁ」
「誤魔化さない!貴方から言い出したんでしょう!」
ふみやさんは相変わらず何を考えているのか読めない微笑みをこちらに向ける。
「ほら、俺達の新しい幕開けが近づいてるからさ。何かやり残した事とか、逆に新しく始めたい事とか、言うのもやるのも今の内かなって」
「幕開け
……
?」
やっぱりふみやさんが何を考えているのか分からない。
でも、その微笑みの中に、私に語る言葉の中に、どこか期待と不安が入り交じっているような、そんな気がした。
何か楽しみな事があるのは良い事だ。悪い事でなければ。
だが、何が不安があると言うのであれば、取り除いた方が良いだろう。それがきっと正しい筈だ。
「
……
何かが始まると言うのであれば、まずは目標を立てる所からでしょうか?」
「目標?」
「ええ。毎朝のテーマとは別に、そのシーズン?とかの内容に沿って清く正しい目標を立てて、その通りに過ごせるよう実践しましょう」
「実践」
「せっかくなら、この目標も書き初めをして部屋のよく見える位置に飾りましょう!そうすれば内容を忘れる事も無いでしょう!あ、部屋と言えばせっかくなら掃除もしましょうか!私は普段から清潔に保っているので大丈夫ですが、新年を迎える前に部屋を綺麗にするのはとっても重要な事で
——
」
「
……
はは」
「ふみやさん?人の話聞いてますか?」
「ハハハハッ!」
「ちょっと!何で笑うんですか!?」
何だかよく分からないけど、ふみやさんの不安を取り除ければと思ったのにこの人は
……
!
「真面目に聞かないならこの話はもうお終いです!」
「悪い悪い。そういうつもりじゃなくて」
「じゃあどういうつもりですか!?」
「何かこう、理解はいつも理解だなって」
「はぁ?」
「お前と一緒なら、何だって大丈夫な気がしてきたよ」
「それはまぁ、人類のリーダーたる私がついていますからね!当然でしょう!」
「うん。ありがとう、理解」
ごくごく普通の休日の昼下がり、陽光は穏やかに窓から差し込み、私達を暖かく照らす。
どうして貴方が急にそんな事を言うのか、私には分からないけれど。
「
……
ありがとうございます、ふみやさん」
「何か言った?理解」
「いいえ、何も」
貴方が隣に居てくれれば、何があっても、きっと。
◇◇
「理解は、次のシーズンが始まったら何がしたい?」
ごくごく普通の休日の昼下がり、適当にリビングのソファに寝そべりながら、近くを通った理解に聞いてみた。
なのに、当の本人は怪訝な表情を浮かべるだけで、肝心の答えが返ってこない。
「理解、俺の声聞こえてる?」
「
……
聞こえてますよ」
「で、理解は何がしたい?」
「その話まだ続くんですか?と言うか次のシーズンとは?」
「まぁまぁまぁ」
「誤魔化さない!貴方から言い出したんでしょう!」
相変わらずのバカでかい声で理解が反論するけど気にしない。
「ほら、俺達の新しい幕開けが近づいてるからさ。何かやり残した事とか、逆に新しく始めたい事とか、言うのもやるのも今の内かなって」
「幕開け
……
?」
やっぱり理解は怪訝そうな表情を浮かべて俺を見つめる。
そうだよな。急にこんな事言われたら意味分かんないよな。
でも、何故だろう。それでも理解に聞いてみたかった。
長かった休みが終わる不安のせいか、新しい物語の幕開けが始まる事に期待のせいか、自分では判断がつかないけれど、それでも
——
「
……
何かが始まると言うのであれば、まずは目標を立てる所からでしょうか?」
答えは、予想の斜め四十五度上だった。
「目標?」
「ええ。毎朝のテーマとは別に、そのシーズン?とかの内容に沿って清く正しい目標を立てて、その通りに過ごせるよう実践しましょう」
「実践」
「せっかくなら、この目標も書き初めをして部屋のよく見える位置に飾りましょう!そうすれば内容を忘れる事も無いでしょう!あ、部屋と言えばせっかくなら掃除もしましょうか!私は普段から清潔に保っているので大丈夫ですが、新年を迎える前に部屋を綺麗にするのはとっても重要な事で
——
」
「
……
はは」
「ふみやさん?人の話聞いてますか?」
「ハハハハッ!」
「ちょっと!何で笑うんですか!?」
何だか拍子抜けしてしまった。嗚呼そうだ、いつだってお前は、そういう奴だった。
「真面目に聞かないならこの話はもうお終いです!」
「悪い悪い。そういうつもりじゃなくて」
「じゃあどういうつもりですか!?」
「何かこう、理解はいつも理解だなって」
「はぁ?」
「お前と一緒なら、何だって大丈夫な気がしてきたよ」
「それはまぁ、人類のリーダーたる私がついていますからね!当然でしょう!」
フフンと自慢げに笑う理解は、色白なせいで昼下がりの陽光を反射してちょっと光っている。それが何だか面白くて、なのに何だか安心してしまう。
「うん。ありがとう、理解」
その眩しさに目を細めると、微かな声が耳に入る。
「
……
ありがとうございます、ふみやさん」
「何か言った?理解」
「いいえ、何も」
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