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三毛田
2025-11-08 17:17:58
1073文字
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1000字5
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70 070. 奪うものが恋で
70日目
与えてくれるものが愛。多分
奪うのが恋だとするのならば。
与えるものが愛なのかもしれない。
心を奪い、時間も奪い、下手すれば人間関係すらも奪っていくのが恋。
その逆に、心も、時間も、周囲との関係も。与えてくれるのが、愛。
「そういう解釈は、おかしいだろうか」
「目に見えないものを、定義するのは大変だ」
「それってつまり?」
「お前がそうだと思ったものが、答えになる」
「なるほど」
わかったような、わからないような。
感情って、難しい。それとも、人間が難しいのか、生きるのが難しいのか。
「丹恒はさ」
「なんだ」
「恋とか、したことある?」
「ない。そんな暇も、する相手もいなかった。自由は、なかったからな」
哀しそうにしているわけでもなく、ただ淡々と事実を述べている。そんな感じだ。
彼の過去は知らない。なのに至っては、俺と同じように記憶喪失だから聞いたところでどうしようもない。
「恋したいか?」
「どうだろうな。今はその必要がないから、しないだろう。ただ」
「ただ?」
「恋は落ちるものだと、三月は言っていた。自ら進んでするものではないのだと」
「へ~」
恋は落ちるもの、か。いい言葉だ。
「用がないのであれば、部屋へ戻れ」
「冷たい!」
「お前の視線はうるさい」
「そんなことないって!」
そもそも、視線がうるさいって何!?
丹恒のことを、もっと知りたいから資料室に来たのに。
騒がないなら、いてもいいって言ったのは、彼なのにさ。
「わかったよ。でも、夕飯は一緒に食べるからな」
「善処する」
ほら。すぐそんな返事だ。
パムに怒られて知らないから! と、心の中で叫んでから資料室を後にする。
ラウンジを抜け、パーティー車両へ。シャラップにモクテルを作ってもらい、一気飲み。何か寒いダジャレを言っていた気がするけど、右から左へと流れていった。
「飲みすぎると、夕飯が入らないぞ」
「丹恒」
「お前が言ったんだろう?」
「そんなに時間が経ってたか?」
「いや。息抜きがてら来てみたら、お前が自棄飲みをしていたからな」
「お前のせいなんだけど」
「そうか。それは悪かった」
ちっとも悪くないと思っている声色で、丹恒は隣に座る。
「シャラップ、俺にも飲み物を」
なんか釈然としない。
「俺の事、嫌い?」
「嫌いだったら、そもそも相手にしない。視界にも入れない」
「
……
」
「好きの反対は、無関心だ。こうして会話をしているのだから、嫌いなはずない」
「そういうもの?」
「そういうものだ。ああ、ありがとう」
納得はしないけど、頷く。
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