124話、本来のルビは辛いことがあると兄に泣きつくわかりやすい甘えん坊な仕草をするのに対して、憑依ルビは怒るというリスクを冒してでも兄にわかってもらおうとする、という違いを見せられましたよね。
というところから話を続けますね。
今の憑依ルビについて。
彼女の前世の長兄が支配的なタイプだったのを見るに、逆らえない、従わざるを得ない、意見の主張ができない、という環境に身を置いていたのは想像に難くなく。だから今のルビにとってはもしかすると「ワガママを言っても許して受け入れてくれる」ことが愛の証で、ワガママを言い反発することが彼女なりの信頼だったんじゃないかなあと思ったりしました。
チェシアレなら受け入れてくれるし、わかってくれると思ってたんでしょうね。だから臆さずに自分の感情、とりわけ前世では許されなかったであろう「反発」とか「怒り」なんかを彼の前で見せられた。
小鳥殺しの前に「結婚なんてしたくない!」と感情を露わにしているのもそうだし、小鳥殺しの後ですらまだ兄に対してはっきりと怒りをぶつけてみせているあたり、彼女にとってのチェシアレはそれだけ「自分を受け入れてくれる優しいお兄ちゃん」だったんだろうなと思って、こう、キュってなりますよね心臓とかが。
でも、本来のルビはどうも、怒ったりする前にお兄ちゃんに泣きついちゃう甘えん坊なところがあるみたいなんですよね。結婚相手の態度が急変したことをして、相手がひどいことをしたと憤るのではなく、急にひどいことをされたと泣きじゃくるあたりが顕著。
そんな妹から泣きつかれることに慣れていたチェシアレにとって、今のルビなりの「甘え方」はさぞや意外でさぞや……理解できなかったことでしょうね……。
チェシアレ自身がまずもって父の前に抑圧されながら生きているので。小さなワガママや反発を受け止めて受け入れてあげるのもまた愛、という回路がね、ないので。
ところでこの話をしていて思ったことがあるんですが、チェシアレってルビのことに関しては結構自他境界がふわふわというか、一時が万事「僕のことをわかってくれるのはお前だけだよ、ルビ」で動いてるところありませんか?
事情を説明するという考えがなく、一足跳びで小鳥殺しをしてみたり暴力に出てみたり。
何かにつけて「言葉で解決すればいいものを……」という部分があるんですよね。ルビに対してだけ。
ピエトロに対してはめちゃくちゃストレートに「お前が必要だ」って言えるのに、ルビには「僕のそばにいてくれ」が言えない。ルビから一生一緒にいると言われても、チェシアレの口から同じ言葉は出てこない。
これなんでだろうなあと思ったんですが、なんかこう、ルビのことを一心同体だと思いすぎているせいなんじゃないかなと。
自分の一部だと見做しているというか、自分と同化させて考えているというか。チェシアレにとってルビは、いちいち言葉にせずとも分かり合えるし伝え合える存在で、お互いを理解できるのはお互いしかいなくて、だから世界で唯一の味方。
チェシアレにとってルビは自分の一部なので、当たり前に反発とか抵抗なんてしないはずなんですよ。
私たちの胃袋がいきなり「明日から腸に消化物送るのやめます、脳にぶち込みます」なんて自我を持って思うままに行動を取らないのと同じです。ルビが兄の思いを理解せず、勝手な行動を取るなんてね、あり得ないんです。チェシアレにとっては。
というわけで、チェシアレはルビに関してだけ顕著に「自他境界がないな……」というものの考えや接し方をしている気がしてならず。
そんなだから、ルビに事情を説明する必要なんて最初から頭になく、自分の意見を主張してくることが意外で、結果まともに対処できなかったんじゃないかなあと思いました。
あの場でいきなりスイッチ入って暴力に走るの、結構突飛だなと思っちゃうんですけど、もしかしてチェシアレは「暴力の痛みをルビが味わえば、自分が受けてきた痛みも一緒にわかってくれるはず」みたいな、若干やばい考えがあったのかもしれませんね。こわ。
どうしようね、恋人とお揃いの持ち物を持つ感覚で、ルビと自分がお揃いになるためにぶん殴ってたら。やりかねないんだよなあの兄なら。
すみません、頭が疲れているので取り留めのない話になりました。
お付き合い&メッセージありがとうございました!
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.