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ortensia
2025-11-04 02:14:26
1691文字
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傭リ
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現パロ?で傭以外と結婚するけど自分で結婚式滅茶苦茶にして別れて帰って来るリ
バームクーヘンエンドについて考えた(考えはした)
リッパーが結婚した。
勿論おれとじゃない。相手はどこぞのご令嬢で、華やな清楚系の矛盾女みたいなのは、まああいつの趣味だった。向こうも上背があって細身のあいつが芸術家なんてミステリアスみたいなのが好みだったようで、そんな一見上部だけのような関係でも、双方満足そうだった。
今日がその結婚式だ。二人共、家庭を築く第一歩だとかそういう意識なんかまるでなくって、人を大々的に大勢呼ぶ大義名分になって、パーティを開くみたいな感覚で楽しく開催している感じだった。行かなくても分かってる。
だが行った。
行ったさ。おまえも好きな味のバームクーヘンを持ち帰らせてあげますって言われりゃ、誰だって行くだろ。いや、本当は分かってる。たったのこんなけの言葉のために、自分がずたずたのぼろぼろの気持ちになるの分かってて行くなんて、馬鹿だろって。誰も行かねえよ。
だがおれは行った。けど受付で招待状と引き換えに最初に配られたそれを受け取ったら、直ぐに踵を返した。
バームクーヘンなんて、それなりにしか重さのないものが、手枷足枷みたいに重たく感じたから。
手にずしりと掛かる重量の紙袋を持ってそのまま、おれは逃げるように帰った。
式の料理を食べなかったのかと訝しがられても、段取りがあるんじゃ直ぐに食べられるわけじゃないだろ、直ぐにバームクーヘンが食いたかったんだ、って言うしかねえ。
そうだ。おれはこのバームクーヘンを食べるために、式に碌に参加もせずとんぼがえりしたんだ。
なのにバームクーヘンは食卓に開けてそのまんま。自分は式の服のままフォークを握ってその机に突っ伏してる。
やるせない気持ち。
家の中に空気を取り込みたくてベランダだけ開けたが、あとは碌に動けやしない。
バームクーヘンの甘い匂いは確かに美味そうだ。腹も減ってるはずなのに。
入って来る風がカーテンを薄く揺らす中、突然それが強引に引っ張られるようにびりびりぶちぶちと破滅の音を発した。
「やってられません!」
驚いて流石に顔を上げると、引っ張られたカーテンオバケがこちらに真っ直ぐ迫って来る上、カーテンを繋いでいたレールが高い声で悲鳴を上げ、落ちたそれは無様に床を小さく跳ねた。
「うんざりです!」
カーテンオバケがお怒りだ。
「
……
どうしたんだよ、おまえ。」
誰かと言えばリッパーだ。今頃指輪交換だかケーキ入刀だかそれこそ料理を楽しむだとか、やっているはずなのに。
「もう別れます!」
結婚式中に離婚したらしい。
滅茶苦茶なこいつらしいのだが、花嫁はこんな花婿のことを果たして予想出来ただろうか。
はは。無理だな。おれだってこんなの予想外だ。おれで無理なら他の誰もこいつの破茶滅茶に付き合えない。
そう、そうなのだ。
「おまえこそ、わたしが嫌んなっておまえの家で休もうと思ったら、なぜ先に帰っているのです?」
「
……
バームクーヘンが食いたくて」
おれの家なのに我が物顔で侵入を決定し、カーテンも引き千切った男は疑問に首を傾げているのが、カーテン越しに見える。
「そう言いながら、残っているんですね。まだ食べていないんじゃありませんか。わたしに食べさせてください。」
「おまえもこれを食べんの?」
「美味しいバームクーヘンを選びましたので。言ったでしょう?」
おれはカーテンオバケの新郎を一瞥し、フォークを一度置くことにした。
その頭に引っ被ったぐちゃぐちゃのカーテンを捲ってやる。
「
……
花嫁ベールみたいだな。」
「わたしはそれをする前にキャンセルして来ましたけどね。」
こいつ、だいぶやりやがったな。でもそれでここにいてくれているこの男を喜んでいる自分がいるのだから、大概おれも滅茶苦茶なのかもしれない。
「ほら、食えよ、バームクーヘン。」
改めて、待ちくたびれたように輝くフォークを手に取り、バームクーヘンをてきとうに抉って、リッパーの口に入れてやる。
美味そうにもぐもぐさせる新郎は満足そうだ。
それはきっと、あのまま結婚するよりも、これが幸せだということなのだろう。
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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。
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