Mooooooofu
2025-11-02 18:58:30
1760文字
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ケーキバース

お蔵入りしてたかぐくら
ケーキ:潮
フォーク:宗氏
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フォークとは、普通の食べ物から味が消えてケーキのみ甘く感じてしまうこと。
ケーキとは、フォークが唯一甘いと感じる体質を持っているもの。
最近では開発も進み、ケーキの体質を解析し同じような成分に真似たサプリメントなどもあり、味の喪失によるフォークの精神面の不安定さから発生する、ケーキを襲うという事件も数少なくなり、そこまで深刻な問題にはならなくなってきた。
けれどサプリメントだけではどうにもならない問題もある。少なくなってきたとはいえ事件は起こっているのだから。
ケーキ、フォーク共に人類の中では合わせて2割ほどしかいない。けれどなんでこんな話をするのか。

──俺、久楽間潮がケーキであり、俺の幼馴染、輝夜宗氏がフォークだからである。


「うーちゃん」
その声に顔をあげると宗氏が皿を持ってきてやってくるところだった。流しっぱなしだった水道の蛇口を閉めて皿を受け取る。
「美味しかった?」
「うむ。うーちゃんのフォンダンショコラは格別だ」
そう、良かったと笑いかけると宗氏も笑い返してくれた。 学校の調理室には潮と宗氏以外誰もいない。
──宗氏がフォークを発症したのは5歳の頃。いつものように昼ごはんを食べていたら突然「味がしない」と顔を蒼白にして呟いた幼馴染に、潮は幼いながらも只事じゃないことを察していた。通常フォークの発症は平均的に8歳前後であり、宗氏の発症はあまりにも早かった。それだけフォークとしての才が強かったのだろうか。ただ、あんなに美味しそうに食べていた宗氏はその日から見ることが出来なくなってしまった。
ところが数年後、初めて作ったチョコを宗氏に渡した時。それを食べた宗氏から「……美味しい」という言葉と共にその瞳からは涙が数滴滑り落ちていった。
(それでわかったんだよね。俺が"ケーキ"だってこと)
フォークが甘いと感じること以外ケーキは普通の人間と変わりないため、ケーキは発覚するのに年齢は関係ない。見つかること自体少ないのである。
それを幼馴染同士ケーキ、フォークということが分かり、そこから潮は週に4回ほど宗氏にお菓子を作っている。本当は毎日作ってあげたかったがそれには宗氏が首を横に振った。
『うーちゃんのお菓子に甘えてしまいそうだからな』
どうやら潮の作ったお菓子は甘みを感じるらしく、美味しそうに毎回食べてくれている。
「それじゃあうーちゃん、僕は生徒会室に戻る」
「うん、いってらしゃい」
手を振り、調理室を後にする宗氏の背中を見送る。
良かった、と思うと同時に偶然見かけた記事が脳裏を過ぎる。
「間接的摂取だけじゃフォークの精神面は安定しない、か」
潮の体質、触れられないことを気にしてか宗氏は一切直接の摂取をしてこない。
フォークが持つ精神、飢餓感は潮には分からない。けれどかなりきついものだというのは分かっていた。幼い頃、苦しそうな宗氏の様子を傍で見続けてきたから。
「別に、俺の事触れてもいいのに」
ちょっとだけならね、と付け加えて潮は止めていた蛇口を再び開けるのだった。



………無駄だ、うーちゃん」
忘れ物に気づき取りに来た宗氏は潮の呟いた言葉を正確に拾ってしまっていた。調理室の扉に背中をつき、崩れ落ちるように座り込む。
「きっと僕は。潮に少しでも触れて、少しでもその肌に唇を寄せてしまったら」
──全部、食べてしまうから。
その声は誰の耳にもはいらず、人気のない廊下に響き渡った。




幼少期の火事により触れることができないのは同じ。宗氏へのファーストチョコをあげたことでケーキが発覚。
苦しそうな宗氏を見てきたので自分がケーキでラッキーだと思っている。
間接的接触では足りないかもしれないことを知り、そこはかとなく宗氏に接触していいよ(例:指に付いたチョコ食べる?)をしているが華麗に回避されている

宗氏
フォーク
潮がケーキと発覚して驚くのと同時に納得している(ずっと潮からチョコに似た甘い香りがしていたので)
触れたら最後、自分の理性が持たないことを自覚しているので絶対に触れないようにしている。
うーちゃんのチョコレートは、例え自分がフォークではないとしても宇宙一である。
最近やたら潮が接触しようとしてきて大変。