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らぎ
2025-11-02 13:07:22
494文字
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モノノ怪
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離坤ドロライ二期 第八回「花火」「迷い」
蛇神告知のてんとう虫くんに夢を見ている
時は平成、秋の昼下がり。とある街角で、離の薬売りは
爆蘭
はぜらん
を見つけた。
明治あたりに観賞用に持ち込まれたとかいう紅色の花はヒトの思惑などやすやすと超えて、極東の地でも逞しく咲いている。残念と言うべきか、一日のうち限られた時間しか開かないため活けるのに向く花ではないが、この花は咲いた後の実の風情も、線香花火のようで美しい。情人たる坤の薬売りへ、話の種にひとつ摘んでいってやろうかと離の薬売りは竜胆の爪先を動かしたが、か細い茎に辿り着く前にその手は迷いを帯びて止まった。
(
……
どうせなら)
そう、どうせなら共に、この長閑に陽のさす黄金色の景色を眺めてみたい。ちょうど遠くの山が彩鮮やかに色付いている事だし、坤好みの団子でも持って誘ってみようか。
そうとなれば話は早い方が良いとばかりに、離の薬売りは今度はそこらの石塀を呑気に這う天道虫に爪先を伸ばした。触れる前にちょいちょいと手招いてやれば、天道虫は心得たとばかりに離の薬売りの指先に飛んでくる。天道虫に細々と耳打ちするようになにごとか呟く声を聞く者はいなかったが、男のかんばせを彩る亜麻色の髪は秋の陽差しに柔らかく輝いていた。
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