moto
2025-11-01 11:54:40
1134文字
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MCDのツートップ

さまささワンドロワンライお題「ボウリング」「ハロウィン」


事務所の一角で、ダンボールに囲まれたマッドコミックダイアログのツートップは、ちまちまとお菓子の詰め合わせを作っていた。事務所に顔を出した一郎や空却もあっという間に巻き込まれる。何事かと思えば、この週末にある商店街のハロウィンパレードの準備を手伝っているのだという。仮装をした子供たちが商店街をパレードし、所々にあるお菓子スポットで合言葉「トリックオアトリート」を唱えればお菓子がもらえるという毎年恒例のイベントである。そういえば、二郎と三郎が遊びに行くと楽しげにしていたのはこのイベントのことだったのか。
「ここが左馬刻、ここが俺、こことここが一郎と空却な」
 ハロウィンパレードの地図のお菓子スポットである丸印をトントンと示され、当然のようにメンバーに入っている一郎と空却は目を丸くする。
「俺達も参加っすか?」
「仲間なんやから当たり前やろがい。仮装必須やで」
「仮装って……
「そんな凝ったことせんでもええから、最低限でも……これや」
 そう言って、簓は、ダンボールから取り出した黒い猫耳のカチューシャを左馬刻の頭につけ、自分の頭にはオレンジ色のかぼちゃが乗ったカチューシャをつけた。左馬刻の逆鱗に触れそうな行いであるのに、左馬刻はカチューシャを気にする様子もなく、黙々とお菓子を詰め合わせている。さらに、キットカットは二つまでだ、と適当に突っ込んでいる空却に注意している。数種類のお菓子を詰めて、ジャックオーランタンの可愛らしいイラストのシールを貼っていく。四人でやれば早いものだ。山盛りのお菓子セットがどんどん完成していく。
 この週末は子供たちメインのハロウィンパレード、そしてハロウィン本番の夜は乱痴気騒ぎになるであろう繁華街の見回りである。
「平日の夜やけど人集まるやろなあ」
「その日簓の誕生日だろ?昼間はボウリングしようぜ。飯賭けて勝負だ」
「勝負て、それ俺の誕生日祝う気あるやつ?」
 マッドコミックダイアログのツートップが、揃ってボウリングが下手なのを知っているくせに、あえての提案をする空却に一郎は苦笑する。そして一郎たちが負けたとしても、大人二人が未成年に奢らせる気はまったくないことも知っている。
「まあ、でも今度は負ける気せえへんな。俺お誕生日様やしな。な、左馬刻」
「フン、前はたまたまだ。今度はそうはいかねえ」
 あんなに連続ガーターを出して悶えていたのに、その余裕はどこから来るのか、勝つ気満々の二人であった。
 お菓子セットがすべて出来上がり、ダンボールに詰めていると、駅前で騒ぎがおきていると連絡が入った。四人で意気揚々と事務所を出る。左馬刻と簓の頭には、まだカチューシャがつけられていたが、一郎も空却も黙っていた。