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ugatuno
2025-10-31 18:51:14
1748文字
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二次小説
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その心臓は世界のかたち 11話
夜、ジンペイの部屋。
バケーラ・ゴロミ・ブルポンの3体が揃って部屋にいる。
布団は整えられているが、人の気配はない。
カーテンから月光が差し込んでいる。
いつもならここにジンペイがいるはずなのに、静かすぎる空間。
3体は思い思いの姿勢で部屋に佇んでいる。
「マジでさぁ
……
」
ゴロミが自分の手を見つめつつ、ぽつりとつぶやいた。
「なんでこんなになるまで、アイツ一人で我慢してたわけ? アタイら、ずっと一緒だったのに
……
ッ」
拳をぎゅっと握り締め、どこか苛立ちと悔しさを滲ませる。
「
……
ジンペイの、意志が強すぎたんだど。」
ぽつりと呟くバケーラ。
ブルポンが、静かにジンペイのベッドの上に腰掛けながら、布団のシーツをそっと撫でる。
「
……
たぶん、強すぎたんじゃなくて。壊れかけてたのにまだ強がってた、ってことだよ。」
静かな声。だがそのトーンは、どこか怒りに近い。
「
……
ジンペイ君は、ただの妖魔界の入れ物じゃない。いまは新生妖魔界の建設中だって、それは知ってたけど
……
ジンペイ君の身体に負担があるなんて、誰も言ってなかった。」
「
……
“建設中”じゃなくて、“飲み込まれてた”んだど
……
」
「ったくよぉ
……
『お前は選ばれたんだ』って、そう言われて終わりかよ。そんでそのまま、ジンペイは一人で苦しんで
……
誰も何も気づいてなかったってワケ? ふっざけんなよ
……
!」
3人の間に、気まずい沈黙が流れる。
Y学園併設・医療棟 屋上
——
夜の風が鳴っている。
カーテンがゆるく揺れる。ジンペイの病室。窓の外を、見上げたその先。
屋上の縁。そこにひとり、片膝を抱えて座る影がある。
くすんだ月明かりに照らされて、ミケッティオの輪郭が浮かび上がった。
「
……
ったく。
……
いつまで寝てやがんだ、あのバカ」
煙草でもふかしてそうなポーズで、屋上の端に腰をかけている。
足をぶらぶらと揺らしながら、ジンペイの病室の窓をじっと見つめていた。
「
…………
」
風にさらわれたカーテンの隙間から、病室の中が少しだけ見える。
白いシーツ。安静に横たわるジンペイ。ぼやけた呼吸音。
「
……
おい。
……
俺が殺しに行くまで、勝手に死ぬんじゃねーぞ」
ぽつりと、誰にも聞こえないように呟いた。
……
風が吹いて、ふと目を細める。
「
……
“お前がいなくなったらどうなるか”なんて、知ったこっちゃねぇけどな
……
俺は
……
嫌なんだよ。」
「
……
また、誰かがいなくなるのは」
その言葉のあと、ひと呼吸あけて。
「
……
ったく
……
なんで俺様が
……
こんなクソマジメなこと、言ってんだよ
……
」
静かに立ち上がり、ジンペイの病室の窓に、ゆっくりと背を向けた。
ミケッティオが、背中越しに呟く。
「
……
早く戻ってこい、バカ」
そのまま夜の闇へと、ミケッティオの背が静かに溶けていった。
カーテンがふわりと揺れて、ジンペイのまぶたが、かすかに震える。
ジンペイが、寝言のように呟く。
「
……
ミケ
……
」
返事はない。ただ
——
屋上の柵には、薄く残された引っかき傷が残っていた。
微かに漏れた寝言のあと、ジンペイのまぶたがわずかに揺れる。
次の瞬間、ゆっくりと目が開いた。
光が痛い。
「
……
ここは
……
」
声はかすれていた。
目を開けたジンペイは、天井の白さにしばらく焦点が合わず、ぼんやりと瞬きを繰り返した。
息を吸うだけで、まだ肺がぎこちない。
(
……
俺、生きてんのか
……
?)
自分の鼓動を、耳の奥で確かめるようにじっと目を伏せた。
呼吸音とモニターの電子音だけが、静かな部屋に満ちている。
どれくらい経ったのだろう。
壁の時計は見えない。けれど、何かが遠ざかるような感覚があった。
やがて、また足音が響く。
ドアが静かに開き、誰かの気配が近づいてくる。
看護師だろうか。白衣の影が、視界の端に揺れる。
無言のまま、点滴や心拍を確認する手つき。
ジンペイは、かすかに目を細めながら、その動きをぼんやりと見ていた。
けれど、すぐにまぶたが重くなっていく。
少しだけ呼吸が安定したせいか、身体が休息を求めていた。
目を閉じると、静けさがまた戻ってくる。
ふわりと、眠気が頭の奥に降りてきた。
そのまま、ジンペイは再び深い眠りに沈んでいった。
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