syanpon
2025-10-31 02:01:44
1738文字
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お好きな方でどうぞ

オトスバ
現パロ


「トリックオアトリート、オットー! お菓子にする?イタズラにする? それともナ、ツ、ミ?」
「ああ……

「今日の放課後お前の家に遊びに行っていい?」なんて言われた時から変な予感はしていたのだ。オレンジと黒を基調にした可愛らしい衣装に身を包んだスバルをみてオットーが与えられた選択肢のどれでもない返事を返すとスバルは面白くないと地団駄を踏んだ。
 
「おいなんだよそのやる気のない反応は! 無反応って1番傷つくんだけど!」
「今日もクオリティの高い女装ですねえ」
「これは仮装! ハロウィンだろうが! せっかくナツミが可愛い魔女っ子になってきてやったのに!」
「ちょっと! いい年してるんだから床に転がってジタバタしないでくださいよ!」
「今日はスカートじゃなくてかぼちゃパンツだからいいの」
「何もよくないですが!?」
「なんだよ可愛くないのかよ!」
「いつも可愛いですよあんたは! じゃあはい、お菓子あげます。ほらあーん」

 玩具を買ってもらえない子供のようにジタバタと暴れていたスバルはピタリとその動きを止める。この時オットーは菓子を口に放り込んでもらうために止まったのだと思っていた。
 その実際は、いつも可愛いよという言葉を噛みしめるため、照れてしまったためなのだが肝心なところが鈍くて殺し文句を平気で言ってくる男には伝わらない。
 
 オットーは手持ちの菓子の封を開け、その半開きの口の中にポイっと放りこむ。
 もごもごと咀嚼していたスバル。
 レースで隠されている喉仏が嚥下で動き、視線が上を向き、横を向いてうろうろ。そうして仰向けになっていた体を跳ね上げ、口をおさえて叫ぶ。
 
「辛ー!?!!?!? えっ!? 辛っ!! 辛い! からい!! からいとかいてつらい!!!」

 さっきの倍スバルは暴れた。辛すぎて一瞬口の中の感覚が無くなったかと思った。辛い辛いと叫ぶスバルを横目にオットーは放り込んだ菓子のパッケージを見つめながら不思議そうに首を傾げる。
 
「そんなに辛くないと思うんですけど……
「いや辛すぎ! なんかもう痛いもんね!? パケ見してみろ!」

 オットーの手からひったくったお菓子のパッケージは真っ黒。辛すぎてラベルが黒いやつである。普通のスーパーにはおおよそ売っていないし恋人の口に予告なしに放り込んでいい代物でもないと思う。

「いや辛すぎてめっちゃよだれ出てきてたわ……。まだヒリヒリする気がする」
「ナツキさん、トリックオアトリート」
「は?今ここでいう?」
 
 しばらく経って衝撃がようやくおさまってきたスバルの目の前にオットーはしゃがみ込むと両手をちょこんと広げて微笑みかけた。

「トリックオアトリートですよ」
「ちょっち待ってリュックにあるから……んんんー!?」
 
 スバルの頬がオットーの指にむに、と挟まれそのまま唇を塞がれる。驚いて声を上げようとした先、唇を厚い舌でこじ開けられる。
 スバルの口の中には何にも入っていないのに探し物をするかの様にオットーの舌がスバルの口内を我が物顔で這い回る。歯列をなぞられ人よりほんの少し尖っている犬歯を嬲られ力が抜ける。
 半開きの口、ほんの少し上を向いているせいで溢れる唾液を音を立てて啜られたかと思えば今度はお前が飲めとばかりに隙間なく唇を塞がれオットーの唾液を流し込まれる。こく、こくと酸欠でぼうっとしてくる頭で飲み下せば尖らせた舌先で上顎を舐めとられ甘やかされ、また口の中に唾液が溢れてどうしようもない。
 スバルもオットーの舌に応えてやろうと動かすが自分よりも長い舌が蛇のように巻き付いて思考にピンクのもやがかかってしまう。
 そうなってしまうとスバルはもう、ただ息継ぎのたびにオットーの舌遣いに甘い声をあげるだけの存在になってしまうのだ。

「っ、はぁっ、はぁっ……
「ん、息継ぎ上手になりましたねえいい子」

 どちらのものかわからない唾液を拭われ頬にも軽い口付けを落とされる。
 足りない分の酸素を肩で息をして取り込みつつ、ニコニコとスバルを見下ろす恋人に対し首を傾げてへにゃりと笑う。

「なぁ、今のってオットー的にお菓子と悪戯どっちだったの?」