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さかな
6501文字
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かきかけ
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先輩は虎にならない🐙🌸
先輩って虎ぽいな〜と思ってたけど結局虎になったのは🌸のほうだった話
山月記パロのアズ監あるでしょ!と思ったけど見つけられなかったので自給自足を試みたプロット的なやつ
もしそういう作品知ってたら教えてほしい……無理だったよ……
冒頭は監督生視点で、アズールのオーバーブロット以降少しずつ交流を重ねて認識を改める描写。
モストロラウンジでバイトするようになり、アズールは「従業員の成績が悪いと僕の評判に響くので」って勉強も見てくれるようになる。仲が近付くにつれバイト終わりの短時間だったのが、図書館でしっかり教えてもらえるようになったり。
オーバーブロットから『臆病な自尊心と尊大な羞恥心』で虎になった李徴を想起していたが、案外そういう性格でもはないようだ、と気がつく。実利のためならなんでも、頭を下げたり自分を下げる発言をしたりもする。自分を大きく見せたい、馬鹿にされたくないとする努力は泥臭いほどで。『稀代の努力家』とは我ながら言い得て妙だったな、と思う監督生。
魔法にあと一歩馴染めず、置いていかれないように努力はしているが焼石に水でしかない自分とは大違いだ。虎になってしまうのは自分かもしれない、と自嘲する監督生。
「先輩はきっと虎にならないですね」の台詞以降はアズール視点。監督生に惹かれているがまだ恋とは認めていない状態。言葉の意味を考えるにつれてどんどん監督生について考える時間が増えます。
理性的でない状態を獣に例えたのか?褒められているのか? 彼女へ執着や性欲を覚えているのが見透かされた?でもそんな遠回りなこと彼女がするのか?
考えても答えは出ず、ついにジェイドにもフロイドにも「最近、監督生さん/小エビちゃんのことばっかり見てる」と言われてしまう。
ジェイドとフロイドに監督生を見すぎって指摘されたのが刺さっていたアズール。恋じゃない!恋愛感情なんてそんなもの僕は信じてない!という気持ちと、じゃあこの呪い染みた執着はなんだ?という気持ちで、当初の「虎にならないってどういうこと?」という疑問より「僕は彼女に恋をしているのか?」という自問自答に比重が偏る。
ある日監督生が勉強会に集中しきれてない様子を見て「この時間を楽しみにしていたのは僕だけなのか」と憤りを感じて、つい「気を散らす余裕があるんですか?」と必要以上に棘を向けてしまう。
異世界の来訪者である監督生には足りない知識も常識も多すぎて、知識欲や要領の良さがあっても赤点回避がやっと。それがアズールとの勉強会をやり始めて平均点を取れるようになり、なんとか授業に着いて行ってる形。なのでアズールに突かれた「そんな余裕はないだろう」というのは図星で、正当な指摘で。
しかし、すり減っていた監督生の精神はそれに耐えきれず、傷ついて瞳を揺らし、アズールから顔を逸らしてしまう。
アズールはそこで初めて監督生の“弱さ”を見る。
「もう疲れちゃった」というとき、監督生は笑顔で言う。いっそ明るささえある響きで。
恒例になっている勉強会で、なかなか座らない監督生に怪訝な顔をしたアズールの「早く始めましょう」という台詞に、監督生は一度俯き、パッと顔をあげて「もう疲れちゃった」って。
アズールは「
……
なにを馬鹿なことを、」と言いかけ、以前一度見た割れる寸前のガラスみたいな監督生を思い出す。それでも「彼女なら大丈夫だろう」もしくは心のどこかで「大丈夫であってほしい」と思って強めに声をかけてしまう。正しさしかない言葉は冷たく鋭く監督生に響く。「分かり合えない」と瞬時に判断してしまうほどに。
分かり合えない、と判断した監督生は「そっか
……
」とつい溢れたみたいに呟く。それを聞いたアズールは「わかってもらえた」と安堵する。「そうですね、今日の分が終わったら甘いものでも」というアズールの台詞に被せるように「すみません。体調が優れないので今日は帰ります」と監督生が言い、そのまま有無を言わせずその場を去ってしまう。
翌日以降、アズールは監督生とすれ違えもせず、勉強会についてもメールで取り止めのお願いが届く。「今までありがとうございました」という一方的な距離の置き方にアズールは戸惑い、怒りすら湧く。
アズールは自分を避ける監督生を捕まえて、どういうことなのか、これからどうするつもりなのかを問いただす。しかしそれに対し監督生は「先輩には!」と大きな声で無理矢理言葉を止めさせ、顔を歪めて苦しそうに「
……
わかんないですよ」と切り捨てるように、吐き出すように言うだけで。立ち尽くすアズールを置いて早足で去っていく。
進級試験へ本腰を入れなければならない、というタイミングでプッツリ糸が切れてしまった監督生。授業も休みがちになり、アズールは彼女を見かけることもなくなる。
そうしてイライラと神経質になったアズールへ、どうやらオンボロ寮にこもっているらしいとジェイドが話す。
「転校するのでは、という噂も耳にしましたよ」と言われたアズールは居ても立っても居られず、オンボロ寮のもうひとりの寮生グリムを捕まえて情報を引き出そうとする。
突然アズールに捕まったグリムはイソギンチャク時代を思い出して毛を逆立て慄くが「シフトの話をしたいのですが、メールのお返事がなくて
……
監督生さんの体調は如何ですか?」という台詞で「なんだ、子分についてか」と安堵。最初は病気かと思って心配したけど、ちょっと疲れが溜まっただけって言ってたからまたすぐ元気になるはずだ、とアズールに教えてやる。
いまは親分のオレ様がノート取っておいてやるんだ!と張り切っている様子。
「
……
他になにか言っていませんでした?」と珍しく歯切れ悪く重ねて聞くアズール。それに対してグリムは最初、特に何も
……
という雰囲気でしたが、ふと思い出したようにポツリと「そういえば、やっぱり虎になるのは私だった、とかなんとか言ってたんだゾ」と。
ここにきてまた“虎”が出てきて、虎にならない=理性を手放さない、と捉えていたアズールは「果たして本当にそれが正解なのか?」とまた誰も答えのわからない迷宮に挑むことになる。
監督生が言った虎の元ネタ山月記は異世界の物語でツイステッドワンダーランドには存在しないため、彼女以外は誰も「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」を知らない。それを拗らせた結果虎になるという文学的お決まりも、同様に。
進級試験の前に監督生がちゃんと復活するのか、また関係を構築できるのか、アズールはかなりやきもきする。
それと進級試験が終わったら夏休みになり、冬休みは帰らなかったアズールも流氷が溶ける夏は実家に帰らねばならない。このまま距離を置くのは良くない、とアズールも試験勉強を頑張らねばならないのに心が乱れまくり。
数日後なんとか授業に復帰した監督生。一度だけ他のバイト仲間にお願いしてシフトを交代してもらい欠勤したが「ご心配おかけしました」とちゃんと仕事に戻る。
試験2週間前になるとモストロ・ラウンジは部活と同様お休みに。休業前最後の出勤でシフト希望を提出しなければならないが、監督生は「辞めたい」と申し出る。言い分は「負担が大きくなってしまったため」。
アズール個人としてはそれを受け入れられないのに、ラウンジ支配人としては受け入れざるを得ず「残念です」という言葉の苦々しさには同席していたジェイドも苦笑してしまう。「あなたは良き従業員でした。またいつでも復帰してくださいね」とにこやかに監督生を見送ったあと、アズールに「好物のエビを逃した蛸そのものですね」とにやにやチクチク言葉をぶつける。
“虎”になってしまった監督生として、夢遊病になる?
山月記の李徴が虎になったあと、理性(人間らしさ)がある時間とない時間(気がついたら兎を口にしていた)をなんかこう良い感じに
……
?
試験終了とともに夏休み突入、その後2週間前後で結果が郵送される形にしようかな
……
。深海にも入学許可証を届けられる魔法学校なので、もしすでに帰省してる生徒がいてもお手紙でお知らせできる
……
と思う。
生徒たちは自己採点や手応えでなんとなく結果は分かって、それでも不安な生徒たちは夏休みに入ってもしばらく寮に残ってたりしそう。でも早くバカンスに行きたい学園長は「鏡で帰省できるのはいまだけですよ!」と呼びかけたりして。
結局、ソワソワとしていた生徒たちもほとんど帰省してしまい、帰れない監督生は解放されたような息が詰まるような複雑な気持ちで静かになった校舎を見ちゃったり。
アズールがちゃんと帰省したってことは、もしかするとバイトは辞めたし2人きりの勉強会は無くなったけどささやかな交流(すれ違い様の挨拶、世間話、食堂での相席、合同授業でのペアワーク)などはあったのかも。試験前ということで授業も変則的であったりで以前に比べると格段に薄くはなりましたが、まだ縁は繋がっている、と一応の安堵で帰省したのかも?
会えない間も監督生のことが頭から離れず、結局ジェイドやフロイドに冷やかされながら早めに帰省を切り上げて学園に戻るアズール。
荷物を寮の自室に置いて早々にオンボロ寮を訪ねる。呼び鈴を押して彼女が出てくるのを待つ間、心臓が熱く早く高鳴るのを感じて「ああ、これが恋でなくてなんなのか」とやっと認める。遅い!
玄関開けた監督生も来訪者にすごく驚く。
監督生は実はこのときすでに夢遊病の症状があり、時々先生がカウンセリング兼ねて様子を見にきている。だからてっきり「また先生か、なんだろう?忘れ物かな?」とか思って軽い感じで「はいはーい!今行きます〜」ってぱたぱた駆け寄った。なのに居るはずない、北の海に里帰り中のアズールに????となる。
後ろめたい気持ちが残ってる監督生はぎこちないまま談話室に通す。季節は夏、北出身の人魚のアズールには厳しい時期なので、とりあえず涼しいところでお茶でもどうぞ
……
とアズールを招き入れる。
「グリムさんは?」「あー
……
いまの暑い時間はエアコン効かせた部屋で寝てるんです。すっかり夜行性になっちゃって
……
」なんて会話をしたり。
実際のところグリムが夜行性になってるのは夢遊病の監督生を見守りたい、という思いもあってのもので。アズールはそれを知らないので「夏休みだからといって関心しませんね」とちょっとチクッとする。
アズールはぎこちないながらも監督生と2人きりの交流ができたことでちょっと
……
だいぶ浮かれてしまう。自分の恋心を認めたこともあって想いが加速してしまうというか。
まだ生徒が少ない学園で、オンボロ寮でゆっくり交流をする中、ある日の落ち切った夜中に特に目的もなくオンボロ寮の近くまで来てしまったりして。
「僕はなにをやってるんだ」「なるほど恋は人を愚かにする」「もう恋愛相談にくるカモ
……
依頼主を馬鹿にできないな」とか、理性では自分のストーカー染みた行動を嘲るのに、足は止まらず、彼女が寝ているだろう窓を眺めにどんどんオンボロ寮に近付いていく。
そこで夢遊病でふらふら歩く監督生を見てしまう。
「こんな時間にあの人はなにをしてるんだ!」と焦って走り寄ろうとするも、次の瞬間ゴーストの「グリ坊!お嬢ちゃんはこっちだよ!」という声が聞こえる。
ゴーストたちは魔法を使ってしか物に触れないため、魔力を持たないか弱い監督生を無理矢理止めることができない。呼ばれたグリムがすっ飛んできて「子分
……
ほら、寮に戻るんだゾ」と優しく声をかけてゆっくり誘導させていく。
アズールはそれを呆然と見ることしかできなかった。距離は少しできたが彼女も元気になったし、またこれから
……
なんて、自分に都合のいいものしか見てなかったのだ、と目の前に突きつけられる。試験前に傷つけてしまった監督生の「先輩にはわからない」という声と、苦しげな顔を思い出す。彼女はあのときからずっと傷が塞がっていなかった。僕が壊したものは、まだそこにあった。
彼女の異変に気がついたアズールは、オンボロ寮に訪れた教師(クルーウェルもしくは保険医)を捕まえて状況把握しようと出待ちする。先生には「お前には関係のないことだ」と言われてしまったため、おそらくトドメに傷つけたのは自分だ、と自供。手は爪が刺さるほどに強く握りしめ、唇はかすかに震えてさえいた。
監督生はの症状は夜中睡眠時の遊歩行。ストレスからくる夢遊病。現在はごく軽い抗不安薬と定期的なカウンセリングを実施している状態。
監督生が夢遊病と知って先生に治療に関わらせてくれと言うアズールだけど、最初はやっぱり断られて欲しいな
……
。
一線引かれたアズールがやらかしを自供して、それを聞いた先生も「お前の気持ちはわかった」って言うけど、それでも最初は「これは大人が対象する問題だ」「精神的な問題を共有できるほどの信頼関係が監督生との間にないだろう」と断られてしまう。
正しさで監督生を傷つけたアズールが、今度は大人の正論にやられてしまう。確かにそれはそうなので反論もできない。バイトを辞めたときもそうですし、いままで自分を守っていた理性や正当性によって監督生との距離がまたここで開いてしまう。
「距離を置くのが正しいのかもしれない」とアズールは思うのに、それでも認めたばかりの恋心はそれを飲み込めない。
なので日中、オンボロ寮へ赴いては監督生と緩やかな交流をずるずると続けてしまう。勉強関係の話題は地雷かもしれないので避け、そのかわりなんの益もない個人的な話をする。過去の勉強会での交流中も少しは世間話もしてたけど、ここにきてお互いの精神的距離がじわじわと、確実に近付いていく。
そんなこんなのある日、監督生の隈をアズールが指摘する。お互い生ぬるい交流に慣れてきたところで、どうしても気になっていた、とアズールは監督生の頬へ手を伸ばし親指で目の下をなぞる。
いままでにない距離に監督生は身を硬くする。突然パーソナルスペースを侵してくる暴挙にギョッとして、更に隠したいことを見透かされている、ある種の恐怖が湧きます。
監督生のコンシーラーを拭ったアズールは「
……
眠れていますか?」と声に心配を滲ませて、まるで自分が酷い目にあってるような痛そうな表情で監督生に問いかける。
アズールは「彼女から言ってもらえれば、そうしたら助けられるのに」という気持ちがずっとあり、自分の手が伸ばせない場所で監督生が苦しんでいるのが辛い。恋なんてするまではそんな、人の痛みを考えるときと言えば「どう商売につなげるか」くらいだったのに。
監督生はまだアズールの気持ちに気がついていないので、なんでこの人はこんなに辛そうなんだろう、と困惑。
もしかして、と思って「
……
別に、アズール先輩のせいじゃないですよ?」と逆に監督生が慰めるような台詞を言ったり。確かにきっかけはアズール先輩だったけど、もう自分の限界は見えていたので「分かり合えない」アズールに現状を共有することは想定もしていない。
また一線を引かれてしまったアズールも遂に「じゃあもう僕は僕で好きにやってやる!」と開き直ってしまう。
わざとわかりにくい場所へスマホを忘れていって、夜が更けてからオンボロ寮へまた訪れる。忘れ物だからね、仕方ないね。監督生はいま朝方生活になっていて、夜早く寝るといままでの世間話の交流で知っていたので、もう現場押さえちゃおうって計算高く狡賢く、本来のアズールらしい手段を問わないやり方で近付こうとする。
オンボロ寮を訪ねると、昼間はいないゴーストたちとグリムに迎えられる。生活リズムが変わったせいで、グリムとはここで初めて夏休みになってから顔を合わせることに。
何しにきたんだ?忘れ物ぉ?早く取って帰れ! と急かすグリムを「まぁまぁ、お騒がせして申し訳ありません」と手土産のツナ缶で機嫌を取ろうとするアズール。
一瞬ツナ缶に心奪われるグリムだけど、親分としてここは頑張らねば、と毅然とした態度で「オレ様が探しとくから今日はもう帰れ!」とアズールを中に入れようとせず、しばしの押し問答が発生。
そうしている内に、2階から足音が降りてくる。夢遊している監督生だった。
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