ortensia
2025-10-30 00:45:46
748文字
Public 傭リ
 

多分荘園時空の傭←リだけど多分両思い(は?)

今日初恋の日らしい。

 今日もてきとうに弄ばれて、てきとうに甚振られた。
 だらりと弛緩した体を、腕をつままれて持ち上げられる。そうしている向こうはどうだか知らないが、こっちは力の入らない自重で苦しい。
「あらあら。こんなにぼろぼろに成って。」
 可愛い。
 自らの残虐に満足そうに笑う仮面は、それでもこちらの意識を奪う迄のことはしない。気怠い首を動かして、相手を見上げる。するとこちらの思ったことが分かるかのように、お喋りがまた口を開く。
「おまえは生かしておくのが、作品の一番良い状態です。」
 結局オモチャってこった。こちらもなんだか可笑しく成って笑う。
「おれは、おまえを殺せたら……おまえの死体は、絶対持ち帰りたい……。」
 切れ切れの声だが、言いたいことは言えた。
 しかし実際は、何処へ持ち帰るんだと言われると困る。決まった住居を持たない身だ。そうだ。だったら細かく小さくして、肌身離さず持ち歩けば良い。自分の身一つで生還するのなら、どういうわけだか得意だ。
「ご機嫌ですね。」
 自分の思い付きがとても良いことのように思えたせいか、そんなこちらを見て、相手も機嫌良さげに告げる。あゝ、悪くない気分だ。
 力を振り絞って、相手の胸ぐらを掴む。
 引き寄せて口付ける。
 乱暴に扱われた口の怪我が痛む。それを擦り付けても相手に痛みが伝播するわけでもないのに、夢中になってそうした。離した相手の口は血まみれになったのに、痛い思いはこちらばかりだ。ずきずきする。
 驚いた様子の相手は、それでもはあと熱く湿った息を吐いた。
「良い子だったら分かりませんが、わたしが最初に恋心を抱いたのは、おまえですよ。」
 何を言っているのやら。
 相手の感情に共感出来ることは何一つとしてなかったが、もう一度口付けた。


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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。