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uraneta_365
2025-10-29 00:31:03
5589文字
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芸能ドラマパロ
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オビトと共演した時の役柄は猫だったらしいからやっぱりサクラは猫なのだと納得した。
芸能ドラマパロ 第3弾です
芸能界とかほぼ捏造
キャラの性格が原作と違います。
NARUTOの世界観が実はドラマだったらのご都合主義展開のパロです。
なのでサスケの性格が原作よりマイルドだったり
サクラの性格が内気で大人しいままだったりします
春野サクラを観察して分かったこと。
派手な見た目をしているが性格は真逆で地味で大人しい。気づいたらスタジオの隅っこにいる。一度サクラが見つからないとスタッフが騒いでいた時があるが、普通にいつも通り隅っこに居た。何であんな目立つのに見つけられないのか不思議でならない。あと、人見知りだ。大抵の人間が話しかけるとびくりと肩を震えさせながら対応している。
野良猫か何かか?
自分から話しかけにいくぶんにはいくらかマシになっているようだがそれでも恐々としている。ますます警戒心の強い子猫にしか見えない。カカシなんかはその様子を楽しんでいるのか嬉々として構いに行ってる。
ロリコンかあの野郎。
その様子を見ているとこちらに気づいたサクラが顔を青くしてぴゃと跳ね上がり90度に腰を折りお辞儀をしたと思ったらその場から去る。
……
オレは背後に置かれたきゅうりか?
カカシから「そんな顔してるぐらいならこっち来ればよかったじゃない? サクラ、うるさくしてると思って逃げちゃったよ」と言われたが、そんな顔ってどんな顔だよ。生まれた時からこの顔だ。そもそもカカシの行動が不審者すぎんだろ。
……
母の遺伝子を色濃く受け継いだこの顔立ちはサクラには怖がられるだけらしい。
甘いものが好きらしく。差し入れのお菓子に目をキラキラさせているところを見かける。洋菓子よりも和菓子が好きらしく和菓子の時はそのキラキラが倍輝いている。ただ、人が集まってると尻込みするのかいつも人が捌けてから取り入っている。そのあと、差し入れたスタッフや役者本人にお礼を直接言いに行ってるようだ。差し入れの声をかけられたときにその他大勢と共にお礼を言って終わっている自分からしたらマメだなと感心する。
演技が上手い。相手を立てる演技が特に。演技未経験のナルトが浮かない様に立ち振る舞っている。ナルトもそれが分かっているのかサクラと芝居する時はマシな演技をするようになってきた。ちょいちょいリテイクは出しているがそれを差し引いてもおつりが出るぐらいにサクラの存在で現場が回っている。アドリブで回すシーンもナルトの頓珍漢な演技を上手く生かしてサクラが落ちを付けることが多い。キャスティングを見た時に無名子役と思っていたが舞台で活躍していてその筋では有名であると知ったのは兄から教えられたことだった。
※※※
顔合わせから帰宅して部屋に行くのが億劫で誰もいないことをいいことにそのまま居間で今日追加されたシーンや脚本家の意図を合わせて役を考察して台本に書き込んでいく。ぱらぱらと作業を進めてキャスト一覧に顔合わせで強烈な印象を残した春野サクラの名前を見つけて指で撫でると背後から見知った声が降ってくる。
「おや、サクラちゃんじゃないか」
「兄さん!」
「ただいま。サスケ」
「おかえり」
振り返ると一人暮らしを始めてめっきり実家へ寄り付かなくなった兄であるイタチがにこやかに佇んでいた。ちなみに実家には帰ってこないが事務所ではほぼ毎日のように顔を合わせているので久しぶりという感覚はない。
「まだ情報規制されているドラマの台本を誰もいないからって家族の眼がいつでも触れる場所で広げるべきではないな」
「一族経営の個人事務所でオレの仕事筒抜けの状態に情報規制もなにもないだろ」
「それでも普段から気を付けることが大切なんだ」
情報漏洩はどこの業界もご法度だ。もちろん芸能界でも同じだ。一つの情報で身を亡ぼすなんてざらにある親戚のほとんどが芸能に身を置いているうちは家でもそれは厳しく躾けられている。親の庇護下で活動しているサスケとてそれは例外ではない。いくら親が仕事内容を知っていても普段から気を付けていなければ何かの拍子にぼろが出る。その時に困るのはサスケ本人だ。わかっていても慢心したのは己だと素直に非を認めて兄に謝罪した。兄もそんな弟が分かっている様子で「母さんたちには内緒にしといてやるから次からは気を付けろよ」と額を小突いた。
「それより、さっきの
……
」
「さっき? あぁ、サクラちゃんの事か」
「知ってるのか?」
他人にあまり興味を示さないサスケが珍しく興味を示しているのが珍しいのかイタチはおやっという顔をして興味深そうに見てくるのを感じてサスケは居心地の悪くイタチから顔をそらした。視界の外からイタチの楽しそうな雰囲気が漂ってきてますます居心地が悪い。これ以上はサスケが部屋に撤退しかねないと思ったのかイタチは笑いを滲ませながら口をひらいた。
「知ってるって言っても共演したことはないがな
……
劇団senjuの春野サクラっていえば演劇業界で注目株の一人だな。役への深い考察力と洞察それを演技に落とし込むセンス。舞台装置と箱の規模、全てを理解した計算された魅せる演技と周りを生かす演技が両立している役者だ。何度か彼女が出演している舞台を見たがカーテンコールまで役を演じきって素を見せない最後までその役が生きてると錯覚させる子だったな。詳しく知りたいならおれよりオビトさんの方が詳しいと思うぞ」
「は? なんでオビトが」
イタチの話に耳を傾けていたら突然でてきた親戚の名前に脳内に疑問が飛んだままそれが口から出た。イタチはそんなサスケを不思議そうに見つめている。自分がおかしいのかと思ったがすぐにイタチがどこか納得したような表情になった。
「サスケは演劇に興味なかったもんな。オビトさんはsenjuの舞台に客演したことがあるんだ。その時にサクラちゃんと共演している。あとオビトさんが推している女優がsenjuの看板女優で彼女が出演する公演に毎回花を送っているらしくてな
……
その関係で主宰の綱手さんからうちの事務所に問い合わせの電話が着たこともあったな」
「
……
いろいろ気になるが、アイツは一応アイドルって括りじゃなかったか?」
「ファン公認の推し活らしい。オビトさんに言えばその時の公演の円盤持ってるし、その他にもsenjuの公演の円盤はほとんど持ってるはずだから気になるなら借りてみたらどうだ?」
「
……
」
サスケは考え込んだ。イタチの言う通り自身は全く演劇に興味がない。単調な場面転換に舞台特有の大げさな芝居がいまいち好きになれない。なによりそんな演劇に興味がないサスケがいきなり演劇の円盤を借りたいと言ったら久しく会っていない親戚の顔が不愉快なぐらいにやけることを想像すると借りないという方に天秤が傾くが天才役者の名を欲しいままにしているイタチから高評価を得ているあの少女の演技を見たい欲もある。ぐらりぐらりと自分の中で揺れる天秤に頭を悩ませている。
「映像でも伝わるだろうが、あくまでも彼女の舞台上で映える観客を喜ばせること趣を置いているから彼女の演技をみたいなら舞台に直接観劇しに行くことをおススメするよ。といっても単発ドラマに出演するならしばらく舞台の方は出演しないだろうがサスケもしばらく撮影で休みもないからある意味ちょうどいいのかもな」
イタチの言葉を聞いて『ああそうか』と借りない方の天秤がぐんと傾く。
今日、サスケが惹かれたあの春色の少女は共演者だ。円盤なんて借りなくても撮影が始まればいくらでも観れるではないかと単純なことが頭から抜けていた。全く興味がなかったこの仕事が少し楽しみになってきた。
数か月後に撮影が開始して舞台演技と映像演技の差にリテイクを連発するがすぐに修正して監督や脚本の意図を拾いカメラの位置や照明、外撮影時の気候まで頭に入れて演技する様に春野サクラという役者に内心舌を巻いた。
※※※
「あ、あの! う、うちはくん
……
」
「
…………
」
セット替えの合間の休憩時間にサクラから声をかけてきた。
撮影が始まってサクラのことを観察はしていたが言葉を交わしたことはあまりなかった。サスケ自身も口数が多い方ではないので交わしたとしても2言ほどで終わってしまう。なにより、サクラを観察していると男が苦手なんじゃないかと思われる場面に出くわすことがある。比較的年配のサスケたちの父親の年代かそれ以上なら普通に話しているが若い年代特に同年代、つまりサスケとナルトには滅多に話しかけないし、避けているような気がする。そのサクラがサスケに声をかけてきたことに驚愕して思わず固まってしまった。反応しないサスケにサクラはどんどん顔色を悪くし翡翠の双眸を潤ませて胸の前で右手を覆い隠すように左手で握っていた両手が白くなっていく様子にサスケは固まっていた思考を無理矢理働かせた。
「すまん、飛んでた」
「え?」
「で、どうした?」
我ながら酷い返しだと思うがそれ以外に言いようがない。こちらに促されてサクラはここに来た本題を慌てて口にした。
「あっ、えっと
……
今度のシーンなんだけど、うちはくんに相談したくて」
「名前
……
」
「ん?」
「名前呼びでいいぞ、この業界うちは他にいるし」
くん呼びで呼ばれるようなサクラと同年代の人物は居ないが、劇中で呼ばれるようにサクラの鈴を転がすような声で普段でも呼ばれたかった。
「えっと、ならサスケさん?」
名前呼びだがより壁を感じた。
「
……
なんでさん付けなんだよ。同い年だろ」
「でも、芸歴はうちはくんの方が長いし」
「気にしねぇよ。んなの」
「でも
……
」
「くどい」
普通に言ったつもりだったが、サクラにはそう聞こえなかったようだ。口をまごつかせてどんどん垂れていく頭に途端に罪悪感が湧いてくる。サクラがこの顔を怖がっているのも知っているし、男が苦手なのも知ってるのに上手く対応できない自分に腹が立った。落ち着くために深く息を吐くとサクラの肩が大きく揺れた。自分の愚かさにサスケは自分を殴りたくなったがそれを後回しにぶっきらぼうに告げた。
「作中と同じで良いだろ。呼び分け、面倒だろ。それで相談ってなんだよ」
自分の不器用さ加減を呪いたくなったが、この性格は父親譲りらしいので諦めるしかない。
サクラもサスケの強引な話題転換に困惑しながらも口をひらいた。
「え! あっと、えっとね
……
今度の腕に抱き着くシーンなんだけど、練習させてくれないかな? あの、お恥ずかしい話なんだけど、私、誰かに抱き着くって経験なくて女の子同士だとじゃれあって? 抱き着くってこともあるらしいだけど私はそういう友達いなくて、ましてや同年代の男の子も近くいないからどういうものか全く想像できなくて
……
台本だと抱き着いたまま歩くってなってたけど腕に抱き着いたまま歩くのって想像しただけでも歩きにくそうで足踏んじゃいそうだし、どの程度で距離感? で抱き着けばいいのかなって思って、それで
……
あの、ダメ、かな?」
「あ、あぁ
……
わ、わかった」
怒涛の喋り口に圧倒された。サクラ、お前そんなに喋れたのか
……
「ほんとに⁉ ありがとう! じゃあ、さっそく」
さっきまでサスケを怖がっていたとは思えない態度で朗らかに笑い感謝を述べるサクラのペースに巻き込まれサスケもたじたじになってしまった。そんなサスケをしりめにサクラはサスケの背後にまわり「では、行かせて頂きます」と気合を入れて軽い足取りでサスケに近づき左腕と胴体の隙間にするりと腕を忍ばせて左腕を包み込むように抱え込んだ。
甘い香りが鼻腔をくすぐり自分でない熱と柔らかなものに包まれた左腕に視線を向けるとサクラがぎゅっと両目をつぶり、口を一文字に結んでいる。サクラは緊張の為か必要以上に力が入り強く腕をぎゅっと抱きしめている。そのためサスケにはない柔らかなものが腕に押し付けられる結果となった。想定していなかった感触にサスケの思考は一瞬飛びかけたが気合で持ち直した。より良い芝居をするために自ら苦手な人物に声をかけてきたサクラにこの邪な感情を知られるわけにはいかないと自らを律し平常心を保つ。苦手な相手に演技のためならここまでするサクラに少し不安が過る。演技の肥やしになんて言ってバカなことをしてくる輩はいくらでもいるのがこの業界だ。そんな奴らの口車にこの気弱な少女がのせられて毒牙にかからないだろうか?
「あの
……
どう、かな?」
「
……
ん、あぁ
……
少し力弱めていいじゃないか。これじゃあ歩くって感じより引き留めるって感じだろ」
詮無き事を考えていたらサクラがこちらをまっすぐに見つめて意見を求める。撮影中しかしっかり見れない翡翠の双眸に映し出されるサスケ自身と目が合う。サスケの意見を聞いてゆるりと腕へと視線を落とす。薄紅の睫毛に覆われた翡翠はサスケを映すことはないがそのコントラストにサスケは魅せられた。何かを思案するように口をとがらせていたが結論が出たのか、サスケの腕を開放する。先ほどまで包まれていた熱が消え空気が肌を撫でる。
「うん、感覚はつかめたよ。付き合ってくれて、ありがとう。うちはくん」
「おい」
「あ! えっと、サスケくん?」
こてりと首をかしげなら転がされる己の名とくるくる表情が変わるサクラにサスケは自然と笑みが零れおちた。
「なんで、疑問形なんだよ」
「
――
っ」
口をぽかりと開けもともと大きな瞳を零れんばかりに見開いたと思ったら途端にぶわりと頬を赤く染めたサクラはぎゅっと両目を閉じて口早に「わ、私、先に戻るね。本当にありがとう」と脱兎のごとく走り去った。
……
猫は親愛の表現に両目をつぶるが、あれはそれと同意偽だろうか?
とりあえずは、珍しく長く喋れたことにサスケは気分が高揚していた。
数日後、サスケの撮休中にナルトも名前呼び(呼び捨て)になりサクラと距離を縮める事をこの時のサスケはまだ知らない。
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