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三毛田
2025-10-28 22:05:18
1072文字
Public
1000字5
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59 059. 最大限の勇気を振り絞って
59日目
君に告げたのに
「好きです! 俺とお付き合いしてください!!」
まだまだ人の多い放課後。
図書館から教室へと戻る道行くその人を呼び止め、頭を下げながら告げる。
幼少期
――
家の方針で、彼が髪を伸ばしていて女の子と見紛うほど可愛かった頃
――
から、ずっと好きだった。
小学中学は、同じ地域だったから自動的に同じ学校になれた。でも、高校は別だって知って。
何だか無気力な時期だったので、成績はかなりヤバめ。今から頑張って、ギリギリ届くかどうか。
それでも、がむしゃらに突っ走った。だって、彼ともっと一緒に居たかったから。
『やった~!』
丹恒と同じ高校を受験し、試験結果の発表日。
己の番号が合格者一覧の中にあるのを確認し、隣にいた丹恒に飛びついた。
体幹がしっかりしている彼は、勢いよく抱き着いたにもかかわらずしっかりと抱きとめてくれて。
『おめでとう、穹』
優しく、慈愛に満ちた目で俺を見ていた。
惚れた。惚れ直しましたよ、もちろん。
でも、告白する勇気なんかなかった俺は、ただ抱き着いたまま頷くことしか出来ず。
甘えに行き、仕方ないなという表情を浮かべる丹恒に甘やかされて、一年とちょっと。
あ、今だ! そんな気配を感じて人前で告げて今に至る。
「いてっ」
最大限の勇気を振り絞り、告白したのに待っていたのは容赦なく頭を叩かれたという現実。
「丹恒、なんで叩くん
……
ぇ」
俯いているから俺にだけ見えた丹恒は、顔を真っ赤にして、今にも泣きそうな表情で拳を震わせていて。
「可愛い
……
あてっ」
もう一度叩かれた。本当に容赦がない。
でも、今度はそこまで痛くもなくて。
「話の続きは、帰ってからだ。帰るぞっ」
「はーい」
叩かれた箇所を撫でながら、鞄を取りに教室まで戻る。
先を行く背中を追いかける。丹恒の耳が、真っ赤になっているのは鞄の紐を掴んでからだった。
「なあ、丹恒」
「
……
ばか」
人一人分の距離を開け、ちょっとだけ先を行く丹恒。名前を呼んだら、小さな声で馬鹿と言われた。なんか納得いかない。
「何が気に入らないんだよ」
「人前で、告げるものじゃないだろう」
「不運。人前じゃなかったら、よかったんだ。痛いって!」
二や癒しながら告げると、今度はデコピン。
若干のけぞったから、かなりの勢いがある。
「今日の丹恒、ちょっと暴力的すぎるだろ
……
」
「お前が全面的に悪い」
「はいはい。俺が悪かったって」
隣に並ぶとまたほんのりと顔を赤らめて時折事らへと視線を向けてくる。
「好きだ」
「俺も」
と小声で。
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