syanpon
2025-10-28 19:51:01
1586文字
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雲外蒼天、待たせた罰だ

現パロ
オトスバ


 オットーとスバルは仲のいい友人だ。
 そして最近その関係性に恋人の2文字も加わることになった。
 友人兼恋人はどこまでも用意周到な男でスバルがオットーに対する淡い恋心を抱きはじめた頃にはもう外堀は完全に埋められてしまっていた。
 両思いになる前に両親に挨拶済みなのはなんなんだいつなんだ怖すぎる。今となっては「なんで当事者の俺だけ仲間はずれにしてたんだよ!」と言えるくらいのものであるが。
 そう、オットー・スーウェンという男は基本的に用意周到で行き当たりばったりを好まない性格だ。
 いつもはスバルが考えなしに突っ走ることも多いため、石橋を叩いて渡る性格のオットーとは足して割って丁度いいのだが今回ばかりは違っていた。

「なんでキスしてくれないんだよ!」

付き合って1ヶ月、ファーストキスもまだの2人の口論がはじまる。

「だからもうちょっとだけ待ってくださいって……。あとちょっと降りてください」
「ちゅーしてくれたら降りてやる」
「なんでさらに体重かけてくるんだあんたは! 色々大変なことになるから降りて欲しい!」

 いつもは上手くはぐらかされるため今日はオットーの膝の上に跨って乗り上げた状態だ。キスしてくれるまで降りないつもりである。オットーの太ももを自身の太ももでぎゅうと挟み込んでやれば痛くないだろうに目下の男は顔を覆ってしまう。

「おいこら、顔隠すなちゅーできないだろ」
「暴力反対!」
「暴力じゃないだろこの手をどけろ! ちゅーさせろ! 口と口くっつけるだけだろうが!!!!」
「あんたの頭にはロマンチックとか雰囲気とかいう言葉ないんですかねえ!?」
「1ヶ月待ったんだぞ!? 他のカレカノならABCのBくらい行ってるって!」
「僕たちには僕たちのペースがあるんですって……!」
「ペースいうけどこうしてる間にオットーとキスできる日は刻一刻と減ってるんですけど」
…………ぐ、だ、だめです!」

 あ、こいつ今ちょっと考えたな。どうやらぐらっときたらしいが悲しいことにスバルの頭の中はオットーとキスがしたいという一点でいっぱいいっぱいのため何が彼の琴線に触れたのか分からない。そして結論としては許可が出ていないため強硬手段を続けることにし、オットーの両手を背中を逸らして後ろに体重をかけながら引き剥がそうとする。

「ちゅーさ、せ、ろ、よ!」
「い、や、で、す!!……ってうわぁ!?」

 押してダメなら引いてみろ、力いっぱい引っ張っていた手の力を一瞬緩めるとソファに座り込んでいたオットーがバランスを崩しスバルを巻き込んで床に倒れ込む。どたん! と男2人が床に転がる大きな音がリビングに響き渡る。
 
……!!」

 オットーの青い瞳が好きだ。深海と夏の青空を足して割ったような澄み切った青色が驚いてビー玉のようにきゅうと丸くなっている。そのままぱっと口元を押さえて下敷きにしていたスバルの上から体をずらす。蛍光灯の灯りが体越しに見えてほんの少し眩しい。
 
「い、今のは事故なのでんんんーっ!?!!?」

 スバルはスバルの恋人の両頬を挟んだ。
 ぐっと自分の元に引き寄せてしっかりと唇を重ねる。
 転んだ拍子の事故だと逃げられてしまわないように。お互いに力が入っているのか一瞬触れ合った時よりも唇はかたく感じる。
 キスをするときはほんの少し顔を傾けないと口と口がしっかり合わさらないのも今知った。思っていた以上に熱くて離れがたいことも。

 唇を重ねたまま目を開ければスバルの大好きな恋人の大好きな青い瞳がさっきと同じかそれ以上に見開かれていてビー玉のように落っこちてしまいそうな青に心が震える。

 時間にしてたった数秒、口を離したスバルはもう一度男の頬を挟んでむぎゅりと中央に寄せてやる。

「へへ、奪っちゃった♡」