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yossy
2025-10-27 23:45:50
1269文字
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自創作
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漂う
「鯨骨船」後のSS。ネタバレ注意。
TS探索者の話。
お別れは笑顔で。
この気持ちを
彼
じぶん
に伝えてはいけない。
鼻の奥がつんとして、海水に溺れたみたい。
沢山の後悔。あの時こうしていればという妄想。
それ以上に私にのしかかるのは、見えない罪の意識、罪悪感。
喉の奥に張り付いたを飲み込んで、胃に押し込んで笑顔を作って、そのまま意識を手放す。
・
・
・
・
意識が浮上する。
宙に浮かぶ。
ふわふわと、大きなプールに、大海原に漂うみたいに、何もない星に包まれ浮かんでいる。
何もない。虚無。
星が私を見つめている。瞬きをする。
涙がゆっくりと
溢
こぼ
れてきて、わっと声を上げて泣いた。
ごめんなさい!ごめんなさい!
私が、私が間に合っていれば!
ぽろぽろとシャボン玉みたいに涙が宙に浮かぶ。
両手で拭っても拭っても、涙は止まらない。
あの時、神に縋っていたら?こんな事にはならなかった?
いいえ、こうしたのもあの神がした事でしょう。
それ以上に私は、再び平穏を奪ってしまう事が怖かった!恐ろしかった!
壊れた蛇口みたいに涙が
溢
あふ
れた。
自分の泣きじゃくる声だけが耳に入る。
他に音はない。
温もりも無く、酷く寂しかった。
気丈に振る舞えていたかな?きっと自分のことだ。気づいているかも。
"私の考えなど、私なのだからお見通しな筈"
私
かれ
は大丈夫かな。
私
じぶん
だからきっと大丈夫。
ああ、みんなに会いたいよ。私が救えなかったみんなに会いたいよ。
膝を折って顔を埋める。星の瞬きがこわい。
変だよね、私のせいなのに。
ごめんなさい。でも、どうしても寂しいの。
「鳩羽さん、木村さん、
…
どこにいるの?」
「私はここだよ。ねぇ、見つけてよ
…
?」
子供みたいに泣きじゃくる。しゃっくりも止まらなくなった。
虚空に声は溶ける。
・
・
・ ・
・
漂う。
ただ、重力もなく、音もなく。
頼りは星の光だけ。
遭難者。放浪者。
返答は自責の念と、幻聴だけ。
暗く、暗く。
正しい時間も無いまま。
空腹を覚えないまま。
ただ、ただ、静かに漂った。
星の光に見慣れてしまったからか、違和感を感じるのに時間がかかった。
時間の無い世界で私は正気をすり減らしていたのかもしれない。
遠く、目視ではわからないような遠く。
光では無い、白い何かが見えた。
ゆっくりゆっくりと、それは近づいてくる。
徐々に輪郭がはっきりとしてきて、
それは、"*白い帆船* "だった。
私以外の何かが、確かに私の目に映った。
涙で出来た海を大きな船は波を渡って進む。
地面のない宙を掴んで、立ち上がって、必死に歩くように、手を伸ばすように、泳いだ。
船に乗る人は私を誘っているようだった。
「やっと見つけた!」
「どこほっつき歩いてんだ」
沢山の罪を抱え、僅かな光を湛えて、私は船に乗り込むのだった。
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