yossy
2025-10-27 00:30:23
1148文字
Public 自創作
 

夜を過ぎれば熱さ忘れる

月日組SS、「STAY IGNITE」後の話。
ネタバレ注意。

あの後、月城さんと二人病院で処置を受けた。火災による煙を吸い込んだ治療と、爆発による火傷や裂傷の手当を受ける。
数日は激しい運動を控える事、異変があれば直ぐ連絡するようにと忠告を受けてから解放される。
少し眠ったあとに、日が昇って出勤し、事件に関する聴取や報告書の作業に終われた。証拠品、一日の動き、何をし何を話したか、何を見たのか。事細かに説明し、報告が終わればファイリングされ資料室送りとなる。
捜査本部は解散。事件の後始末に終われ、その内また別の事件の捜査に追われる。
暫くの間模倣犯が発生したりしたが、威力が至らない事、爪の甘さにより直ぐに逮捕された。
逮捕された彼については、話の話題に挙がらないうちは自ら話すこともなかった。

気がつけばハロウィンに向けた厳戒態勢の説明をされ、世間話で衣替えだの年末に向けた話がちらほらされ始めた。
首に嵌められたあの機械が擦れたり、締め付けで跡になっていた皮膚の傷もすっかり無くなっていた。
気温が下がってコートを羽織ることも増えた。枯葉はすっかり落ち、冬の足音が聞こえそうだ。



「もう傷は大丈夫なの?」
「はい、もう傷跡がわからないくらいには治りましたよ。月城さんは腕の傷どうですか?」
「ええ、この通り動かしても平気よ。
少し跡は残りそうだけど、暫くすれば消えるみたいだし」
「それは、よかった
慌ただしい日々の合間の穏やかな時間。
久々の休日に俺の家で月城さんとゆっくり過ごす。暖房を効かせた部屋で二人ブランケットに包まって、金曜日に放送される映画を眺める。
ホットコーヒーの満たされたマグカップを手に持って口元に運ぶ。
良いところでCMが流れて、いくつか言葉を交わす。
ホットコーヒーは徐々に冷えていき、その内眠気に襲われ、映画が終われば寝る支度を始める。
いつものルーティンを済ませ、二人ベッドに入って熱を共有する。
「首の傷、酷くなくてよかった」
ぽつりと布団の中で月城さんがそう呟いた。薄暗い部屋の中、月城さんの長袖の下の傷を思い返す。
言葉を紡ごうと口を動かすよりも先に、ぐいっと引かれ、月城さんの口元が首筋に近づく。
声を出すより先に唇が首に触れて、
「っ
吸いつかれた。
電流や締まる感じとは違う。月城さんから与えられる優しい痛み。何箇所も唇が落とされて、室内には唇が離れる音とストローでジュースを吸ったみたいな音が響いた。
月城さんの顔が首元から離れて、目が合う。
「おまじないと虫除け」
満足気な表情を浮かべた月城さんは、おやすみと一言呟くとそのまま眠りについた。



朝、冷たい陽の光を浴びて洗面台に向かう。冷水で顔を洗って顔を上げる。鏡に写る自分の首には愛らしいキスマークが幾つも落とされていた。