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梶間
2025-10-25 11:35:43
771文字
Public
カブライ
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悪魔の証明
SFっぽいものが書きたかった。真面目なようでいつもの二人のSS。
「悪魔の証明というものがある」
王は重々しく声を出した。執務室にはもうすぐ地平線の向こうに落ちようかという西陽が差し込み、夕闇の気配を感じさせる黄昏時だった。窓辺に立つ彼の顔には逆光により昏い影が落ちている。
「ないものを証明しなければならないとき、それは在ることを証明するより困難を極める」
「それは
……
そうですね、有ったものが無くなったならまだしも、初めから無いことは誰にも証明しようがない」
「そうなんだ。無いんだよ、カブルー。ここには初めからなにも無かった。けれどそれを証明する手立てが俺にはない」
「無い、ということを俺が認めればそれは存在しなかったことになり得ますか?」
「俺と君の間だけの認識なら成立し得るかもしれない。しかしここにファリンやマルシル、ヤアドなど第三者を入れたらそれはもう成立しないと思うんだ」
「無いものを証明する。確かにそれは難しいですね」
そう言って宰相補佐は王の机の上を撫でる。机の上には未処理の書類が並べられており、整然としている。
「で。言いたいことはそれだけすか」
「無いことはどうやって証明したらいい思う?」
「それは難しいですが有ったものが無くなったならまだしも、と俺は言いましたよね」
宰相補佐はずかずかと荒い足取りで窓辺に近づき、窓と国王の間に身体を割り込ませた。
「こ、の、皿、は、な、ん、で、す、か?」
「
……
なにも乗ってない皿」
「明らかに菓子の欠片がついてますが?」
「何もなかった、何もなかったんだよ、カブルー。そこには何もなかった」
「いや明らかにあったでしょ!?あんたまた勝手に菓子食って皿を隠して誤魔化そうとしましたね!?」
「君はなんでそんなに見つけるのがうまいかなあ」
「開き直らないでください!!俺があんたの健康管理にどれだけ気を使ってると思ってんですか!!」
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