syanpon
2025-10-24 09:12:59
1091文字
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おもいはすきだぜ

オトスバ
行商√


 ナツキスバルの朝は早い。
 目覚めもいいほうだ。パチリと目を開けるとチチチと小鳥の囀りが聞こえてくる。スバルが体を起こした衣擦れの音のせいか小鳥の囀りのせいか隣でスバルに腕を貸していた男も口元をむにゃむにゃとさせながら目を開けた。

「おはようオットーいい朝だぞ」
「おはようございますナツキさん……。相変わらず寝起きがいいですねえ」

 眠たそうに目を擦り大きく口を開いてオットーはあくびをする。ふわふわのまだ整えられていない癖っ毛には寝癖がついていた。
 あとで整えることは知っているが指を伸ばしてちょいちょいと整えようと触ってみる。

「んはは、全然ダメだなおんねえ」
「朝一から僕で遊ばないでくださいよお……

 もう一度大きなあくびをしたオットーは体を起こしてスバルをぎゅっと抱きしめる。
 朝のハグ、「起きてすぐにキスされるのだけは嫌だ!」と拒否したスバルと1日の始まりを恋人とのふれあいで始めたいオットーとの折衷案によるものだ。

 朝は小鳥の囀り、昼は蝶がひらひらと飛んでいた、夜はリスがスバルの足元を走っていく。

……

 これが1日だけの話ならばスバルもよく生き物見るなぁで終わるのだがこの1日生き物パラダイスはここ2週間ほど続いておりそこまでいくと流石のスバルでも違和感に気がつく。

「あのさぁオットー」
「はい?」
「お前俺に生き物つけて監視してるだろ」
「あうっ」

 べし、とデコピンをお見舞いしてやる。ちなみにこのデコピンは監視をつけられていることに怒ったわけではなくスバルが指摘した時「ナツキさんが気がついた!?」と顔にありありと書かれていたからだ。こいつは時々かなり失礼だと思う。
 オットーはスバルに弾かれた額をさすりながら申し訳なさそうに眉を下げた。本人にも一応あんまりよくない自覚はあったらしい。

「すみません、あんたのことが心配で……
「まぁ確かにお前の心労を増やしている自覚はある」
「あるんならあちこちほいほい首を突っ込まないで欲しいですけどね!?」
「お前俺の世界だとGPS仕込んでくるタイプだな……

 スバルは一つ息を吐くと座り込んでいるオットーの股座に背中を向けてどかりと座り込む。スバルの突然の奇行にワタワタしている恋人の様子を背中に受けながらオットーの両手を取ると自分の腹回りにシートベルトのように回してぎゅっと握り込んだ。

「な、ナツキさん?」
「ま、いいけど」

 オットーの広い胸板に後頭部をぐりぐりと押しつけて目を閉じる。腹に回した腕に力が込められたのを感じてスバルは上機嫌に笑った。