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しょうがやき
2025-10-21 23:00:00
1887文字
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一軍シリーズ
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【一軍シリーズ】第7話その後 看病
熱を出した理玖を柊斗が看病する話
熱に侵された額に、新たに冷たいものが置かれた感覚で意識が浮上する。
「
……
しゅうと?」
「あ、ごめん。起こした?」
柊斗はそう言いながら、俺の頭を撫でる。
家に帰ってベットに入ってから、どれくらいの時間が経ったのだろうか。
「熱計る?」
「
……
ん」
返事をしてゆっくり起き上がろうとすると、柊斗が背中を支えてくれた。
俺が柊斗から渡された体温計を脇に挟んでいる間、柊斗は俺の首に手を当てる。
「熱いね。計り終わったら水飲みな」
「うん
……
」
ふわふわと変な浮遊感の中でかろうじて頷く。
ピピッという音が鳴り、脇に挟んでいた体温計を柊斗に渡す。
「熱全然下がってないよ。むしろ上がってる」
そんなことを言われると、もっと熱が上がっていく気がする。などと、また柊斗に軽くいなされそうな自論を展開したところで、水を渡された。この水は塚田にもらったものだ。
残っている水の半分ほどの量を飲み、ベットに横になる。
「ずっとここいるから、何かあったら言って」
柊斗はそう言って、俺が眠るまで俺の頭を撫で続けた。
ーーーー
次に目が覚めたのは、体の火照りからだった。
「
……
あつい」
ゆっくりと起き上がり、体を冷ますために残りの水を一気に飲み干す。と、いっても大した量が残っていなかったので、もう少し欲しいものだ。
部屋を見回すと柊斗の姿が見当たらない。
郵便でも来たのかな、などと回らない頭で推測し俺はベットから出る。
確かキッチンの冷蔵庫に水があったはずだとあたりをつけ、立ち上がった。
そのまま部屋を出て、階段を降りる。
いつもは大したことないのに、風邪をひいているからか妙に長く感じた。
やっとの思いでキッチンに辿りつくが、俺の体はそこで限界を迎える。
足が一歩も前に進まず、目が回り出したのでその場に座り込む。
頭の重さと体の倦怠感が一緒になって襲ってきて、立ち上がるのは難しい。
どうしようかなぁ、と危機感もなく考えていると。
「理玖!?」
「あ、しゅうと
……
」
「こんなとこでなにしてんの!?」
どこからかやってきた柊斗が俺の隣に座り、肩を支える。
「みず、なくなったから
……
」
「俺呼んでくれてよかったのに」
「だいじょうぶだよ、これくらい。なれてるし」
そう。こんなことぐらい慣れているのだ。
幼い頃から片親だったので、熱が出た時に1人でいることくらい何度もあった。
「しゅうとも
……
なれてるでしょ?」
柊斗はいつから片親だったのかはわからないが、おそらく同じようなことは経験しているだろう。
「
……
慣れてるけど、もう慣れる必要ないだろ」
「え?」
「今は家族がいるし、兄弟だっている。理玖も俺も、誰かに頼ることに慣れていった方がいい」
柊斗はそう言いながら立ち上がり、冷蔵庫から新しい水を取り出した。
パキッと開けて渡される。
ありがと、と受け取りグッと口に入れる。冷たい水が体の中を回り、体を内側から冷やす感覚がする。
「飲めた?」
柊斗は俺の隣に座り、俺の額や首などに手を当てる。
柊斗の手が冷たくて気持ちいい。
「部屋戻ろ」
柊斗はそう言うと俺に背を向けた。
意味がわからず首を傾げていると。
「乗って。部屋までおぶるから」
「
……
え、いや、だいじょうぶ」
「力入らないでしょ。頼るのも大事」
ここまでいったら柊斗は引かない、というのはここ最近気づいたことだ。俺は大人しく柊斗の背中に体を預ける。
「ちゃんと掴まってて」
「
……
ん」
「体熱くなってる。熱あがっちゃった?」
「
……
わかんない」
柊斗は俺をおぶって立ち上がりキッチンから出る。
その時、ガチャ、と玄関のドアが開く音がした。
「あ、帰ってきた」
柊斗がそう呟いたかと思うと、勢いよくドアが開き誰かが入ってきた。
「理玖くん、大丈夫かい!?」
「
……
え、まもるさん?なんで
……
」
「さっき柊斗から連絡があってね。急いで帰ってきたんだ」
守さん、は柊斗のお父さんだ。
いつもはもっと遅い時間に帰ってくるはずだが、柊斗からの連絡で早く帰ってきたらしい。
さっき柊斗が俺の部屋にいなかったのは、守さんに連絡してたからだったのか。
「熱が高そうだね。下がらないようだったら病院に行こう」
「
……
はい」
病院に行くのは苦手なので、頑張って下げよう。
そう決心し、俺は顔を柊斗の肩に埋める。
俺は柊斗の背中に揺られながら、いつのまにか眠ってしまっていた。
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