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ま
2025-10-20 20:40:19
1864文字
Public
支部投稿済
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【土井きり】kr丸が風邪を引く話(冒頭のみ)
めっちゃ冒頭のみです 風邪をひいたことを隠そうとするkr丸とdi先の話 途中です 投稿テストも兼ねてます
ある朝、それは起きた瞬間にわかった。
これは完全にしくじった。
学園が休みの間、土井先生と一緒に長屋に帰るようになってから2回目。
これまでも学園で顔は合わせてたし、仲が悪いわけでもない。そもそも一緒に帰ろうと言い出したのは先生だ。忍たま長屋が閉まることで俺が休みの間野放しになるのは把握していただろうけど、そのことについて先生に相談したことは全くない。
それでも前回の、一回目帰宅はどこかギクシャクしていた、と思う。ギクシャクというよりは、お互いに距離感が掴みきれていなかったという感じか。
いくら仲が良くても一つ屋根の下で一緒に暮らそうとなったら色々と話が変わってくるのは仕方のないことだし、何より雨風凌げて暖かい布団で眠れるのなら全然気にならなかった。
それに、土井先生とならこの先楽しくやっていける──そんな気が、なんとなくだけどしていた。
アルバイトも手伝ってくれるらしいし、先生は生活能力がないからそのへんは俺がフォローすればいい。
得意分野だし、持ちつ持たれつってやつだ。
そんなこともあってか、2回目の長屋は前回と比べかなり穏やかな帰りとなった。
1回目の時は俺のことを訝しげに見ていた大家さんも隣のおばちゃんも今回は暖かく迎えてくれた。おばちゃんにいたっては、長屋の溝掃除や不在の間の長屋のことを先生ではなく俺に話してくるようになった。
あの時のショックを隠しきれていなかった先生の顔は、申し訳ないけど当分忘れられそうにない。
だけどそれとこれは話が別だ。
俺のしくじった話に戻すと、結論から言うと俺は風邪をひいた。しかも学園が長期休暇に入る直前という、最悪なタイミングでだ。
季節の変わり目というのもあるし、正直ここ最近はアルバイトもいつもより多めに入れていた。でも結局は体調の管理ができていなかった、完全に俺のしくじりだ。
いくら先生から声をかけてくれたとはいえ、所詮俺は居候にすぎない。俺が先生の財布を握らせてもらってるのも、先生が俺のアルバイトを手伝ってくれるのも、それは先生の優しさの上で成り立っているだけだ。
体調不良の居候なんてただの迷惑でしかないし、なによりこれ以上の借りは作りたくない。
先生は「そんなこと気にするな」って言ってくれるけど、そこはやっぱり一線を引いておかないといけないと思う。
家族でも兄弟でもない、結局は赤の他人なのだから。
不幸中のなんとやらってやつなのか、今回先生は一晩長屋で過ごした後忍務で二、三日ほど長屋を空けることになっている。
その間にアルバイトも無理のない範囲でできるやつだけにして、あとは安静にして早く風邪を治すしかない。ここで万が一アルバイト先で風邪を移してしまったりしたら今後の信用問題にも関わってくる。目の前の銭を失うのはどうしようもなく辛いけど、未来で稼げる銭の方が額としては大きい。
布団もまだ売っぱらっていないし、万が一の時のため薬箱の場所は片付けの際に確認している。ただ居候の身分で薬をそんなに使うわけにもいかないから、本当に最終手段だ。
土井先生はやっぱり優しいから、俺が風邪を引いたって聞いたらおそらく心配してくれるだろう。そんな迷惑はかけられない。
あとは先生が発つまでやり過ごせればいい。笑顔を作ることなんて俺にとっては十八番だ。天才アルバイターの名は伊達じゃない。
◇
長屋に帰ってきて次の日の朝。
体調は変わらず
…
どころか、昨晩より悪くなっている気がする。なんか寒気とかもしてきたような。
俺の早朝アルバイトの朝刊配りのために出発する時間と土井先生が忍務へ出発する時間がちょうど同じ頃合だった。いつもならまだ寝ている先生が、今朝はしっかり着替えて今は草履の緒を結んでいる。
「先生も今から出るんですか?」
「ああ。あ、待ってくれきり丸」
外に出ようとした俺を土井先生が引き止める。声の主である土井先生の元に「どーしたんですか?」と向かえば、草履のを結び終えた先生は片膝をついて俺に目線を合わせてくれる。
そしていつものようにそのあたたかな手を俺の頭の上に、もう片方の手は俺の肩に優しく乗せられた。
「きり丸、本当にすまないが留守番を頼むな。なるべく早く帰るようにはするから」
「まっかせといてくださいよ〜!土井先生こそ忍務頑張ってくださいね」
俺の返答を聞いた先生はどこか困ったように笑いながら、「ああ、行ってきます」と口にして、長屋をあとにした。
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