利一
2025-10-16 20:02:49
1636文字
Public レオジャミ(小説)
 

【レオジャミ】ヘビーローテーション②

https://x.com/r_202504/status/1936739220024070184?s=46&t=Rl_nsClP78cYwknGZC7h2w
の続き

別に面白くないな😑と当時は没にしたんだけど調子に乗ったので引っ張り出してきた。

「なんでお前は毎回すぐ死ぬんだ?」
「いや……生きてる俺に言われましても……
 人生周回中のレオナ・キングスカラーは現在通算十二人目のジャミル・バイパーと古文書の解読に勤しんでいた。三人目のジャミルの言葉に則るなら何回繰り返そうがレオナにとっては一周目ということだったが、わかりやすいので結局この言い方に落ち着いている。
 その全十二回の人生において、もれなくジャミルは先に死ぬ。しかも半分が三十を迎えることなくだ。二週目の時などオーバーブロットでそのまま死んで、今のところそれが最短記録だ。そもそも会えなかったこともあるので、レオナが知らないだけでもっと短命なこともあったのかもしれない。
「じゃあ最長記録は?」
「35」
「それは……さすがにもう少し生きたいですね」
「だろ?今回は百まで生かすぞ。摂生しろよ」
「まあ努力はしますけど、あなたもちゃんと見届けてくださいよ?」
 確かに、レオナが先に死んでしまっては何ジャミルが歳まで生きられたのかわからない。
「まあ努力する」
 適当だなと苦笑するジャミルの頬を撫で、レオナはそっと口付けた。


「で、なんでその後すぐ死ぬんだよ」
 よもやあのやり取りの翌日に帰省したカリムを狙った刺客とやりあって死ぬだなんて、流石のレオナも久々に堪える別れだった。
 入学式が終わり、面倒なオリエンテーションが終わるや否や、スカラビアに乗り込みジャミルを呼び出した。怯えながら空き部屋を貸し出してくれた現寮長と異なり、ジャミルの態度はふてぶてしい。
 椅子に座るレオナの前で、腕を組んで鼻を鳴らす。
「さすがに翌日はねぇだろ?たかだか数人にやられやがって。もうちょっと粘れよ」
「だから知りませんってば。死んだものはしょうがないでしょう。さっさと忘れて今を生きる方が懸命では?」
「お前はもう少し自分の人生に興味を……いやちょっと待て……『だから』だと?」
……
「おいおいジャミル、語るに落ちたなァ。てめぇ今何回目だ?」
 レオナが両手を壁に付き囲い込むと、ジャミルは観念したように息を吐いた。
「一回目ですよ。言葉遊びじゃなく、ただあなたといた記録を断片的に見ただけで、俺の人生は正真正銘の一周目です」
 ジャミル曰く、時折ビジョンが過ぎるそうだ。それは映画のような三人称で、決してジャミル自身の視点は映さなかった。
「というわけで、あなたが八周目の俺と夜の校舎に忍び込んだ時のプレイが大変興味深かったで再現いただいても?」
……エロガキ」
 なんとでも、とジャミルは言う。
「飽きずに毎回俺を抱くあなただって相当でしょう?そんなに俺が好きですか?」
 生意気な笑みを浮かべるジャミルにレオナは鼻に皺を寄せた。
「三回目のお前は『付き合うなら自分以外にしろ』って言ってたくせに」
「それ覚えてるのにその後八回全部口説き落としたんですか」
「九回だろ」
「違いますよ、今回は俺があなたを口説いてるんですレオナ・キングスカラー」
 ジャミルはレオナの膝に乗り上げ親指で唇をなぞる。
「幼い頃から時折過ぎるあなたの姿にずっと恋してたんです。こうしてあなたに見つめられる日をずっと待っていた」
 くっきりとアイラインで囲まれた目が半月型に細められた。
「積極的な俺はいやですか?」
「いや?新鮮で悪くない」
 レオナが腰を抱くと、ジャミルはふと虚空を見つめ、それからレオナの肩に頭を寄せた。
「もしかしたら他の俺たちがそこで見てるのかも。そうしてやきもちを妬いて、俺を殺しにきてるのかもしれない」
「まさか」
 馬鹿なことをと笑うレオナに、ジャミルは首筋を撫でた。太い血管を指の腹で柔らかく押す。
「俺なら、きっとそうする」
 レオナを見つめる瞳は狂気じみた光を宿していた。
 ジャミルの言う通りなら、今回の彼もまた短命な予感がする。
 どこからともなく突き刺さるような視線を感じ、レオナは深くため息を吐いた。

end