陽光の恩寵とおしゅちゃ

オクトラ二次創作 クリテメの大捏造ストーリーを書いた人の話 原作のネタバレでもあるし陽光の恩寵のネタバレでもある

*「テメノス……‼︎」
 明るくなった教会の入り口から、獣人の乙女が叫びながら飛び込んできた。朝が来ていた。壊れた入り口が、逆光の中に背丈の違う人影を見せる。
……!」
 狩人の緑の瞳が光を受け、透けて輝く。じわりと水滴に滲み、その瞳から涙がぽろぽろ、ぽろぽろこぼれていく。彼女を追ってきた梟が狩人の足元に寄り添い、そして翼で目を覆った。泣いているみたいだった。いや、梟だってきっと泣くのだ。
「あおい……ほのおだ」
 涙に光る緑の瞳が、剣に灯る炎を見下ろす。すると、炎は剣を離れ、ふわりと浮き上がった。屈んだクリックと傍に立つ狩人の間に浮かび、静かに燃える。*

本文抜粋

この前後の流れはここを書く一年半以上前から決めており、むしろこれが書きたかったといっても過言ではないのです。
狩人オーシュットのテーマをずっと聞いてました。なのでこのシーンのBGMは狩人オーシュットのテーマ。クリテメの話なのに!? そうですクリテメの話なのに!
私はクリテメがいちゃいちゃしてえっちもして一生幸せに暮らしてくれればいいと願ってこの作品を書きましたが、それと同時に、オーシュットと相棒のような絆を求めたんです。運命ではない、選んだ相手と旅をともにし、青い炎にたどり着く絆です。

そもそもオーシュットの話が好きでして・・・おしゅちゃ最終章の流れね、爆泣きものですよね。ふたりで青い炎に触れ相棒に炎が宿る。アクタの成長もめっちゃ泣きました。オーシュットの相棒は最初の選択のうちのどちらかで、すくなくとも2パターンの未来があります。テメノスにもクリックにもいろいろな未来があります。そんな中で、クリックがテメノスを選んだ、そういう話・・・。

そして、ふたりの最強ストーリーは伝説になるのです。
オーシュット・・・もとい獣人は特殊な存在です。人のように話し獣のように生き、欲望に駆られずながい命を持ちます。オーシュットに見届けてもらったのは、青い炎をテメノスにさわらせるのだ、という導きをクリックに授けるとともに、伝承してもらう意味を持ちます。彼女が強く心を動かされたできごとは、きっと何年も何年もたち旅人たちが先に世界からいなくなってしまったあとになっても、彼女の口から語られることでしょう。

テメノスさんは本当に心の強い人だから、去って行った大切な人たちのことを振り返り続けるよりも、未来を育てるだろうなと思いました。いつかは自分もこの世を去るのです。その時までに、自分をすくった愛や勇気や正義をこどもたちに託す。クリック君の正義をえがく絵本作家になる第一話は、そういうテメさんです。そうやってそだてたクリックの種火が、テメノスを新たな旅に送り出し、そして彼らは自分たちの力で結ばれる。そんなはなしを書きたかったんです。