羅繊(せら)
2025-10-13 12:51:33
5315文字
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年下の神様・外伝のあとがき


 失踪した夜鷹がどうなっているかは色々と別パターンも考えてはいたのですが、十二歳の司に会ったら楽しそうで、三十六歳夜鷹が過去にタイムスリップするバージョンも書いてしまいました……

【外伝一・年下の男の子】のあとがき
 本編の二十歳の夜鷹は二〇一四年の六月末から二〇三八年の十一月にタイムスリップし、失踪した三十六歳の夜鷹は二〇三〇年の十一月から二〇一四年の七月初めにタイムスリップしています(なので同時期に二人は存在していない)。年は仮のものですが、何年と決めておかないと混乱して自分でわからなくなるので……
 今年、六月半ばに名古屋に行って四十度近い灼熱名古屋を体感してきたので、その経験が活かされました。大須のスケートリンクは涼しくて良かったです。
 フィギュアスケートのことも夜鷹のことも何も知らない司に会って「おじさん」って呼ばれてたら楽しいだろうなぁ、と思い。突然「スケートに興味はある?」って聞いてデートに誘う事案おじさんになってしまう。司くんはちょろくて心配です。

 動画サイトで、フィギュアスケートのキャストをしている人がレンタル靴を履いて氷に乗って「怖い」って言ってるのを見たので、かなり勝手が違うらしい? スピンやジャンプなどもなかなかできない感じのようで。
 初めてレンタル靴を履いて、すっ転びそうになる夜鷹を書けて満足しました。こんなことでもないとレンタル靴履くことも、転びそうになることもなさそうだから……。夜鷹は、かっこつけて誘った司の前で無様に転ぶわけにはいかず、気合で体勢を立て直しました。

 名港ウィンドの先代のコーチは原作五巻の一四三ページに一コマだけ出てきます。セリフは二つ。他の登場シーンとか名前とかわかっていたら教えてほしいです。口調も性格もすべて捏造になってしまうんですが、かなり高齢ではあるみたい……
 夜鷹が名港ウィンドに所属してたかどうかはわかりませんが、慎一郎くんと親友だから、多分数年は同じクラブにいたんじゃないかなぁ、と予想。五歳で始めてノービスBの一年目で金メダル取るまでだとしたら、五年間ですね。
 夜鷹のことを子供扱いする初代のコーチがいてもいいよなぁ、という妄想です。

 夜のスケートリンクで聞いた情報だけなら、夜鷹は自分のせいで司がスケートを始めたのは知らないはずなので、まだ何の理由も衝動も持たない司にスケートを始めさせる理由になりたい夜鷹を見たいな……と思っています。
 十二歳の司の人生を変えて、彼のスケートへの衝動になりたくて必死な、三十六歳夜鷹の本気を見せてほしい。


【外伝二・君に遺すもの】のあとがき
 慎一郎は夜鷹が引退会見の後、四年も行方不明になってしまって、かなり心配しただろうし、何もできなかったことを悔やんだとは思うんですよね。間違いなく、自分が一番親しい友人だったはずなのに。オリンピックには一緒に出場したから、それまでは頻繁に会う機会があっただけに。
 このお話の場合は、世界選手権にまで出場したのだとしたら四ヶ月ほど行方知れずで、突然老け込んで戻ってきて……ということになります。
 『純くんが僕を頼ってくれるのは、十六年後の未来でも彼との友人関係が続いていたことの証左のようで』と慎一郎が思っているところ、気に入っています。彼はいい人だよ……夜鷹はもっと慎一郎を大事にしたほうがいい。
 夜鷹は自分が突然いなくなったとしても司が慎一郎に頼れるようにと考えて、色々計画を立てていきます。
 SP8でがりがりになっていた夜鷹を元の体型に戻して『固形物を食べないと』と言っているのは慎一郎だと思っているので、慎一郎と一緒に暮らす限りはご飯を食べさせられます。

 デート(?)の待ち合わせ時間が待ちきれなくて、早く着いちゃう夜鷹は可愛いだろうなぁ、と思って早めに到着させましたが、司も早めに来たのでお互いハッピーですね。
 夜鷹が昔の自分の演技を見られたくない(捏造)のは、漫画家が十六年前の自分の原稿を見られるのが嫌な気持ちと同じようなものじゃないかと想像して書いています。他人から見たら『十分上手だし、構造もおかしくないのに何が嫌なの』って言われたとしても見られたくないんだよ……それも中学生の頃のとか残っていたら大変! あれを見せるくらいなら、全部描き直す(滑り直す)って決意した夜鷹です。
 あとは三十六歳(翌月には三十七歳)でそんなに健康管理に気を遣ってこなかった自覚があるので、いつまで四回転ジャンプが跳べるかわからなくて、跳べる内に司のために記録を残しておきたいと思っていそう。
 彼シャツ萌え袖司くんが見られるのは今だけ……!(多分あと三年くらいで越される)
 ジャッジって審判という意味だけじゃなく、判断する、評価するっていう動詞でもあるの、いいですよね。

 撮影は最初、慎一郎くんに任せようかと思っていたのですが、二〇一四当時のスマホで綺麗に撮れるとは思えないし、感動&圧倒されて手ブレしそうだったので、プロのカメラマンに頼みました。最初の夜鷹の演技だけでなく、司の成長記録も撮ってくれている。

 夜鷹のことだから、オリンピックで金メダルを獲得できると確信していたと思うし、金メダルが取れたら引退したい、というのも前もって考えていたんじゃなかろうか……。そんなわけでレオニードの振り付けも捏造してあります。十四歳の司が見たのは多分オリンピックの時の演技じゃないのかな、と思ったので。
 夜鷹が、司がもう選手を辞めてコーチをしている、と聞いた時に感じた寂寥(かどうかはわかりませんが)は、司が夜鷹が煙草を吸っているのを知って感じた寂しさに通じるものがあるような……四年前に遠目から見ただけのものを覚えていて、初対面でそれを言うって相当ですよ。

 夜鷹は自分がどうして過去に来たのかもわからないから、いつまでいられるのかもわからない。いつ自分がいなくなってもいいように周到に準備を重ねながらも、司に影響を残したいとも願う。
 自分がプログラムを滑ってみせることで司が『スケートをやりたい』と思うかどうかは夜鷹にとっては未知数で賭けだったとも思います。
 それでも、勝負には常に勝利してきた自負があったから、賭けに勝てる前提で靴も買ったし司の両親に向けての手紙も書いていたし、各所にも既に根回しを始めています。
 司の衝動は『スケートがしたい』というより『夜鷹純になりたい』だから、何というか、すごいですよね……。三十六歳の夜鷹の、渾身の演技を見せられて、それが基準になっちゃったら大変だな……

 夜鷹からのスケート靴は、婚約指輪か結婚指輪のようなものです。本人には何の相談もなく、養子にすることを決意している夜鷹。靴を受け取ってもらえた時点で了承されたものとみなします。
 司くんが泣きそうになりながらシューズバッグをぎゅっとしてたらいいな、と思って書いたシーンです。

 慎一郎くんは熟練の夜鷹と比べられたら可哀想だと思います……
 司は十二歳なので、お金のことを気にするのはわりと遅めにしました。司は帰宅部なので金曜日の午後も早めに放課後で帰宅途中だった、という設定です。
 テレビで夜鷹を知ってからだと『夜鷹純』てフルネームが意識の一番先に来るので『夜鷹さん』呼びになりそうなのですが、今回はまったく知らない状態からだったので、『純先生』呼びにさせました。司先生も瞳先生も名前+先生だから、純先生も存在しても良いかと思い。

 夜鷹が司に持たせた手紙は丁寧な前置きと自己紹介から始まり、司がいかに素晴らしい能力を持っているかを切々と語り、今すぐに始めることの重要性を説き、夜鷹の養子になった場合のメリットを存分に書き連ねた分厚いものになっています。
 シューズバッグを持たせたのは、高価な靴を見せることで冗談や悪戯ではない、とわからせるためです。


【外伝三・仲良くなりたい】のあとがき

 司の両親相手に「司くんを僕にください」って夜鷹に言わせたかったので書きましたが、どう考えても穏やかな交渉をして言いくるめるのは無理だろうと思ったので、慎一郎くんに頑張ってもらいました。それはそれとして「何を考える必要が?」っていうセリフは夜鷹っぽくて気に入っています。あと、純くんのことを褒めた後で、多少盛ったかもしれないと内心思ってる慎一郎も気に入っています。昔から天才で問題児だっただろうなぁと……
 弁護士は後ろで夜鷹の発言を聞いてあわあわしてましたが、雇い主の話に割って入るわけにもいかず困りきっていたので、慎一郎くんは救世主でした。
 親からしたら、会って一日しか経っていない二十歳の男性が息子を養子にしたいと言ってきたら『大丈夫なの?』っていうのは当然の反応かと……
 司がもっと年齢低かったり、遠くに連れて行かれて暮らすとかだと承諾しなかったかも知れませんが、普通養子縁組だと親子の縁が切れるわけではなく、日本代表二人から才能を認められて、本人も強く希望していたので説得されて承諾した感じです。
 もちろん経済的な理由もあります。ハイブランドの服で固めた明らかに金持ってそうな金メダリストが『自分の資産をすべて引き継がせたい』って手紙で書いてたから……
 弟とは疎遠だという原作設定があるので、三男とはちょっと仲悪い(三男の方が司をあまり好きじゃない)設定にしました。お兄さんは名古屋で開催される大会くらいなら応援に来てくれるんじゃないかな?と思います。

 三人で暮らす部屋の間取り図のイメージはこんな感じです。

 慎一郎と他の二人は生活時間が違ってしまうので、部屋を分けて寝起きできるようにしてあります。

 慎一郎くんは二年後には結婚するので、多分一応将来的なことも考えていて、一人暮らしをすることにしたような……? なので自炊も頑張っています。夜鷹が引退する前には知り合いだったぽいので、もうエイヴァと恋人同士か、少なくとも告白はされていると思われる。
 料理ができない人ってキッチンでうろうろされても邪魔なので、夜鷹は慎一郎くんと司からハブられても仕方がない……

 ブランドショップじゃなくショッピングモールに行くように、とか、着古したものは実家に送るように言ったらいい、とかいうのは慎一郎くんからのアドバイスです。夜鷹が一人でそんな手を考えるわけがなかった……

 夜鷹はまだ無意識ですが、十二歳の司をついつい撫でたくなるくらい可愛くて仕方ないのに落ち込ませてしまい、その上、司が自分の前では緊張してるし萎縮してるし怯えられて、顔には出ないままめちゃくちゃ焦っていました。
 十二歳の男子の比較対象が理凰か自分が十二歳の頃だったので、司のように聞き分けが良いタイプのことがよくわからず、混乱しています。
 「魔王様の靴」の時から夜鷹左利き説を推してるので左で包丁使わせてますが、左利きの人から見ても左手で包丁使っているのを見るとそわそわするらしい(自分を除く)。夜鷹は包丁使えないわけじゃないけど普段チキンしか切ってなかったので、不慣れです。尚更危なっかしく見えそう。
 夜鷹にしては頑張ったのですが、「僕に馴れて」って自分が変わることを諦めて相手に譲歩を求めていてかなり傲慢なセリフだよな、と思いながら書きました。
 戸建てでも狭くて壁が薄い家で男兄弟四人だと、めちゃくちゃ騒がしいし喧嘩も激しいと思うのですよね。なので『うるさい、静かにして』って頻繁に言われていたのは仕方ないとは思う……。司は何か好きなものとか興奮したことがあると怒涛のように喋りたいタイプだと思われるんですが、下の子の世話と仕事で忙しい親は話を聞いてくれる暇はなさそうで、『静かにして』って言われたことも多そうです。
 前日に家に帰ってから、夜鷹のスケートがいかに素晴らしかったかをいっぱい語りたかったのに、親は手紙の内容でそれどころではなくて聞いてくれなくて、司の話を聞いてくれたのは兄だけでした。三男は大事なスケート靴に触ろうとしたから喧嘩してそう。

 二十三時までに六時間睡眠を取ろうとすると、十七時には寝ないといけないので、部屋を暗くしててもそうそう眠れないですよね。
 夜鷹は原作の六巻で慎一郎に「時差ボケは大丈夫?」って訊かれているので、以前から時差ボケ苦手なタイプだと予想。現役時代は海外遠征たくさんあっただろうから、苦労してたんではないかなと。
 アニメの設定資料集で司の実家の部屋が出てましたが、あの場所に四人で寝るとしたらかなり狭いと思います(あそこに四人寝てたかどうかは不明ですが)。ここは単にくっついて眠る二人を見たかったから書いたシーンですね……
 夏場にクーラーのきいた部屋で湯たんぽを使うと結構気持ちいいのでぜひ試してみてください。