太陽に照らされ、輝く金色の髪。皆を見つめている純粋な茶色の瞳。サイドテールを結んでいる、星型で青色のゴム。谷地さんを構成する全てが、俺は大好きだ。
「山口くん、え、えっと、なんか私にゴミとかついてる…?」
「ぅわっ」
谷地さんにうっかり見惚れていて、つい変な声を出してしまった。外にはねた髪の毛を恥ずかしさの拠り所としていじりながら下を見る。谷地さんの顔など到底見れない。
「ご、ごめん…な、なんもついてないよ!」
「そう?なら、いいんだけど…」
そういえば、谷地さんは俺にノートを渡してくれるためにここに来たのである。今思い出した自分が情けない。
「ノート、見づらかったらごめんね」
彼女の華奢な手に添えられている薄緑色のノート。タイトル欄にネームペンで書かれた彼女の小さな文字が目に入る。
こんな可愛い文字書くんだな、とくすっと笑いそうになってしまったが、心の中に留めておいた。
「ありがとう」
ノートを受け取る際、自分の手と谷地さんの手の差が思わず目に留まる。
もしも谷地さんの恋人になれたら、仙台駅周辺のアーケード街を手を繋いで歩きたい。色々な店に囲まれながら、バレーに関することとかの他愛もない話をして…
って、何を考えているんだ俺は。こんなことを考えている自分が恥ずかしくてたまらない。
妄想の世界から抜け出し、「またね」と手を振って5組の教室に戻っていく谷地さんを、彼女のノートを胸に抱きながら見送ることしかできなかった。
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