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三毛田
2025-10-11 14:18:13
1069文字
Public
1000字5
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42 042. 今だけはと何度もくりかえし
42日目
そう。今だけは
今だけ。そう。今だけは。
ただの友人として、彼を甘やかすことを許して欲しい。
何度も繰り返し、言い訳も考える。
だけど、そう言い聞かせていても簡単にはいかないのが現状。
「たんこ~」
甘えるように俺に抱き着いてくる穹。
結構勢いがあったが、なんとか踏ん張る。
アーカイブにある知識を彼に詰め込む作業を終えたら、幼子のように遊ばせた方がいいのだろうかと、少々失礼なことを考えてしまう。
今俺に対して飛びついた勢いのままヴェルトさんに飛びついたりしたら、彼が倒れてしまう。
「穹。この勢いで他の人に飛びついたりとかはしていないだろうな?」
「丹恒なら、俺が飛びついても大丈夫だと思ってるから、丹恒相手にしか飛びついてないよ」
「そうか」
いや。それもそれで問題ではあるだろう。
この確信犯の塊の青年は、俺の首にぐりぐりと頭を擦り付けていて。
ポンポンと優しく頭を撫でると、ちょっと勢いが強くなる。
「それで。俺に何をして欲しいんだ?」
「数日前にお前がおすすめしてくれた本の、読み聞かせ!」
「自分で読むんじゃなかったのか」
「丹恒に呼んでもらった方が、頭に入ってくる」
「共感覚ビーコンで、本の単語を覚えるということは出来ないぞ」
「お前に読んでもらうことに意味があるんだよ」
解ってないなぁ、丹恒は。
やれやれ。というように言われると、流石にムッとくる。
「そうか。それなら、途中でお前が寝たら資料室から追い出してもいいということだな」
「どうぞどうぞ! ま、俺が寝るわけないんだけどな!」
胸を張り、勝ち誇っていた穹だったが。
「んん
……
むにゃ
……
」
前に三月からリクエストされた時のように、読み方に強弱をつけたり、あまり棒読みにならないよう気を付けていたら、十数ページ読んだところで俺の膝に頭を乗せて眠ってしまった。
追い出してやると言ったものの、あまりにも気持ちよさそうに眠っているものだから。
優しく頭を撫で、俺の布団に転がす。
俺の声は、別に子守歌ではないのではないのだが。という憤りはちょっとだけある。
ようやく静かになった資料室。
途中で放り投げていた作業を再開する。
きっと、この穏やかな時間は友人という関係から外れてしまったら二度と無くなるだろう。
だから。
「今だけは」
この恋心を悟られない内は。
彼と過ごす、穏やかな時間を大切にしたい。
「たんこぉ
……
枕
……
」
「俺は枕じゃないんだが」
うつ伏せになり、手を何かを揉むように動かしている彼に、呆れてしまった。
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