【能楽鑑賞】#231 銕仙会定期公演〈10月〉

狂言「ぬけから」 能「朝長」三世十方之出

銕仙会定期公演〈10月〉

観世能楽堂
2025年10月10日(金)18:00開演

狂言「ぬけから」
太郎冠者:野村萬斎
   主:中村修一
  後見:高野和憲

能「朝長」三世十方之出
 青墓ノ長者/
 大夫之進朝長:観世銕之丞
     侍女:長山桂三
     従者:谷本健吾
     旅僧:宝生常三
     従僧:則久英志、梅村昌功
青墓長者ノ下人:石田幸雄

  笛:竹市学
 小鼓:吉阪一郎
 大鼓:河村大
 太鼓:小寺眞佐人

*・*・*

狂言「ぬけから」

主人は太郎冠者に肴を求めてくるよう、和泉の堺へ使いを命じる。酒好きな冠者は使いの前に主人に酒をねだり、酔いが回って使い途中の道端で寝てしまう。
冠者の様子が気になって後をつけた主人は、冠者を懲らしめてやろうと、眠る冠者に鬼の面をつけて帰宅する。一眠りから起きた冠者は顔に腫れを感じ、清水を覗いて映った鬼の姿に驚き……。(公演サイトより)


太郎冠者に鬼の面をつける話、前にも何処かで観たことあるなァ🤔と思ったら、それは類似狂言の「簸屑」でした。

ということで、こちらは初見になります。

萬斎さんの太郎冠者は、全身でお酒大好きオーラを出していて可愛くて❤この日は、お酒を呑む型も一段と磨きがかっていて美しかった&美味しそうでした🤤✨

そして、むせる型で前髪が良い具合に落ちてきて、その少し乱れた髪の効果で、只でさえ上手い酔っ払いの演技に拍車がかかったように見えました(髪の毛まで操れるんかい!?と思った笑)

あまりにもチャーミングなので、清水に映った自分の姿を観て、👹になっちゃった⁉️😱😭💦と嘆く姿を観た時は、自業自得なのに、ちょっと可哀想になって同情しちゃった😂

主の中村さんも、しれっと驚いた振りをしたり、鬼は要らんと追い出したり、その仕草や表情に仕掛け人らしさが良い具合に表れていて良きでした。

ちなみに、いつも銕仙会では能と狂言の演目に共通点があったので、この日も能「朝長」との共通点は何だろう?🤔と思いながら観ていたのですが、最後、行き場を失った太郎冠者は、清水に戻って身を投げようとするので、あ、そこか!と思いました。朝長も自害していますからね。

でも太郎冠者の場合は未遂で終わります。身を投げた拍子に面が外れて元に戻り、主人への報告=タイトル回収となるのですが(笑)、結局、最後の最後までお調子者でめげない姿に、やはり狂言に出てくるキャラクターは逞しいと再確認しました😂

上演時間40分と、狂言にしては長めの演目で、見応えがありました😊



能「朝長」三世十方之出

平治の乱で大敗し、都を追われ、若くして自害した源義朝の次男・朝長。かつて朝長の傅(めのと)であった嵯峨清凉寺の僧は、朝長を弔うため、美濃の国青墓の宿を訪ねる。

そこへやってきたのは七日七日の供養をする青墓の長者で、彼女こそ朝長が自害した晩に泊まっていた宿屋の女主人であった。僧と長者は互いに朝長に縁あることを知ると、共に死を悼む。そして長者は朝長の最期の様子を語り、僧に一夜の宿を提供する。

夜更、僧は観音懺法で朝長を弔うと、朝長の幽霊が現れた。朝長は家臣に裏切られ無念の死を遂げた父義朝の最期、そして一宿の縁でありながら母の如く弔ってくれる長者への恩を語り、修羅道に落ちた身の苦しみをあらわして消えていくのであった。

朝長の死を人情深く語る女長者、他生の縁を身をもって知る若武者朝長。異格の修羅能。(公演サイトより)


こちらも初見でした。通常のお能では、亡霊が何か他のモノに化けて出てきて、正体を匂わせるパターンが多いですが、こちらは前シテと後シテのキャラクターが別人です。

しかも前シテは後シテである朝長の最期を見届けた人物。朝長と縁のある僧と長者の両者の出会いや、長者が朝長の最期の様子を語る場面では、現在能を観ている時のようなドラマを感じました。

また前シテの面を脇正面から観ていると、とても悲しげな表情に見えて、そこから、長者の人柄や心情が伝わってくるようでした。

後半は、朝長が在りし日の姿で出てくるので、通常の修羅能でしたが、トータルで見ると、こんな形の修羅能もあるのかと、また一つ勉強になりました😌



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