Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
匣舟
2025-10-09 22:21:06
2124文字
Public
RKRN
わるいこだあれ?
ショートショートの伊乱です
少しだけ伊が仄暗いようなそうじゃないような
最近何をするにしても気づけば五つ上の恋人である伊作のことを考えてしまっていた。例えばきり丸としんベヱと街へと出かけた時。しんベヱの行きつけのうどん屋さんに行ってふたりとうどんを食べている時に、ここに先輩と行けたらいいなあ。と考えてしまったり、授業中には今伊作先輩なにしてらっしゃるかな。と考えたり。
伊作が居たらすぐ目で追ってしまうし、いなくてもこうして考えてしまうし。私って伊作先輩のこと好きすぎるのかな
…
?なんて心の中で思いながら、思考の波から戻ってきた時には乱太郎の目の前に笑顔でちゃあんと聞いてたか?乱太郎?と自分に問いかけている一年は組の担任である土井半助が立っていて、乱太郎の魂が抜けたのも記憶に新しい。
「
…
はあ、」
授業も終わり、放課後を迎えた教室には今、乱太郎ひとりしかいなかった。土井から授業に集中しろ!と怒られたことにより気分が落ち込んでいる乱太郎は、机に倒れ込むようにして項垂れていた。
こんなことで怒られるならば、もうこれ以上伊作のことばかり考えないようにしよう。と思った。流石に私生活で彼のことばかり考えて授業を疎かにしてしまうのは彼が悲しむと思うし、彼が卒業してからこんな思考を続けてしまっていたらきっと今よりももっと酷くなっている自信があると思った乱太郎は、伊作に依存しないようにと少しだけ距離を置こうと決めたのである。
机に倒れ込むようにして項垂れていた頭を上げてその場に立ってよし!自分の拳を握る。決意を新たにした乱太郎は、脱依存大作戦を開始するのであった。
脱依存大作戦を開始してからはや一週間。作戦は恙無く流れていると思っていた乱太郎だったが、今現在大ピンチに遭遇していた。
現在の状況を説明すると、保健委員の当番であった乱太郎が医務室に一人で向かおうとしていたところ、後ろから手を引かれて空き教室へと連れ去られた瞬間、気づけば壁際に追い詰められて退路を断たれてしまいどうにもできない状況である。
…
今、乱太郎の目の前にいるのは彼の五つ上の恋人である善法寺伊作である。
「ねえ、乱太郎。
…
最近僕のこと避けてる?」
脱依存大作戦を掲げてから乱太郎は伊作のことを考えないように徹底し、見かけても目で追わない努力をしたし、一緒の当番になった時も分からないくらい少しだけ距離を開けて作業するようにしていた。そのおかげで授業はまあまあ集中できるようになったし、ぼーっとすることも減ったので大作戦は大成功と言えるのだが
…
。
(
…
な、なんだか先輩怒ってらっしゃる
…
?)
目の前にいる五つ上の恋人はちゃんと顔を見て会話した時と雰囲気がどんよりとしていて、なんだか冷気を纏っているようにも見えた。
「
…
さ、避けてないですよ?」
避けてはない。ただ少しだけ距離を置いただけ。と言う考えの元そう答えると、乱太郎の目の前に伊作の顔が迫ってくる。
「
…
じゃあなんで、僕のことを見かけても目で追ってくれなくなったの?なんで一緒に当番する時に前より座る位置が遠くになったの?」
これは、避けてるって事だよね?と返答する伊作に乱太郎の喉がヒュッと鳴りそうになる。
…
なんで私が先輩を見かける度に目で追ってたのを知ってるんだろう、座る位置も分からないくらいの距離だったのに
…
。と考え込んでいる乱太郎の顎を人差し指でクイッと上げた伊作は、にこりと微笑んだ。
「
…
なんで知ってるの?って思ってるんでしょ?」
「
…
え、あ、はいっ。」
「
…
それはね。」
僕もずうっと乱太郎のことを見かけるたびに目で追って、乱太郎のことばかり考えてたから。だよ。と言って乱太郎のことを抱きしめる伊作を見た乱太郎は、なあんだ。じゃあ必要なかったのか。と無意識に呟いた。
「
…
何が必要なかったの?」
「
…
あ、えっと。
…
脱依存大作戦です、」
「僕にその内容教えてくれる?」
ずいっと自分の前に迫り来る伊作の顔に耐えきれなかった乱太郎は事の顛末を包み隠さず話した。伊作の事ばかりを考えすぎて私生活にまで影響が及んでしまったのでそこまで依存していることを自覚してしまい、少しだけ距離を置こうとしたこと。
だから目で追ってたのを辞めたし、一緒に作業をしていた時も分からないくらい少しだけ距離を空けて作業をしていたこと。すべての内容を聞いた伊作は良かった、嫌われてなくて。とホッと一息をしたあとに乱太郎に向けてこう言った。
「
…
ダメだよ、乱太郎。きみは僕のものなんだから僕だけを見ていなくちゃ。」
僕らは恋人なんだからずっと一緒に居なくちゃダメだろう?と微笑んだ伊作に、瞬時に乱太郎は縦に首を振ってはい。と答えた。
うん、いい子だね。と乱太郎の頭を撫でる伊作にされるがままになっていると、でも乱太郎には嘘をついたおしおきをしないといけないね?と乱太郎の目の前にいつの間にか伊作の顔が迫っていた。
「
…
う、おしおきって?」
「そんなに身構えなくて大丈夫だよ。
…
乱太郎がすきなやつだから。」
まあ、おしおきになるのか分からないけどね。と言いながら伊作は何をされるんだろうと少しだけ脅えている乱太郎の唇にかぶりつくようにキスをしたのだった。
了
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内