三毛田
2025-10-09 21:58:34
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40 040. 愛されるための作法

40日目
君に愛されたいと願う

40 040. 愛されるための作法
 愛とはなんぞや。
 そんな疑問が浮かび、思わずそれが言葉として出そうに。
 まあ、ちゃんと我慢したけど。
 あの場所で目覚める前の俺は、もしかしたら知っていたかもしれない。
 でも、今の俺は知らないから。
「難題だな。一括りに愛と言っても、親愛、友愛、恋愛等様々に分けられる。そこに性欲も混ざれば、目も当てられないだろう」
「丹恒先生は、俺に対してどう思ってる?」
「仲間で、その……
「ん?」
「友でありたいと、少しは考えている」
 若干のためらいを見せつつ、丹恒は照れたように告げ。
「俺も丹恒と友達? でいたいな!」
 なーんて。無邪気に返したのは懐かしい思い出。
 あの時の彼が言い淀んだいた理由は、友と呼べる存在が初めてだったからだという。
 可愛いなと思ってしまったのは、無意識のうちに恋をしてしまっていたから。
『彼は俺の一部だ』
 そんな言葉に動揺したけれど、とても嬉しかった。それに加え、親友と呼んでもらえたことも。
「はあ……
 列車に帰り、幸せをかみしめていると、ノック。
「はぁい」
 ベッドに寝転がったまま、なおざりに返事。
「寝るところだったか?」
 かけられた声に、飛び起きる。丹恒は、すまなそうに眉を下げて俺を見ていた。
「ううん! ちょっとダラダラしてただけだから、まだ元気!」
 腕を曲げて、力こぶを見せるとほっとしたような表情。
「お前を、また羅浮のいざこざに巻き込んでしまった」
「巻き込まれたとは思ってない。丹恒にとって、あれは大事な事だったんだろう?」
 そっと手に触れると、驚いたように目を丸くして。
「それに、お前の親友だって紹介されて嬉しかった」
 それは本当。それから、彼の一部だという紹介も嬉しくて。そっちは口にしないけど。
 もっと愛されたいって、願うのはおこがましいだろうか。
 彼に愛されるための作法は、あるのだろうか。探せばㇽのかな。
 親友と呼ばれ、一部だと紹介されて。嬉しかったけれど、それ以上を望みたくなってしまった。
「丹恒。ありがとう」
……礼を告げるのは、俺の方だ。お前が一緒に居てくれたから、俺は龍尊の力に向き合うことが出来た。ありがとう」
 俺の手を握り返し、こつんと額をくっつけてきて。
 心臓が、ドキドキしている。嬉しい。このままキスがしたい。
 邪な気持ちばかりが、浮かんでは消えていく。
「なあ、丹恒」
「どうした?」
「今夜は一緒に、寝ても……いいか?」
「それを、お前が……望むなら」
 嬉しそうな笑みを口元に浮かべ、彼は静かに頷いた。