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利一
2025-10-09 07:51:09
2035文字
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レオジャミ(小説)
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【レオジャミ/カリジャミ/レオヴィル】狩
新書メー力ーさんがご不調なので。さりとてこれを初手でpixivに上げる勇気もないのでとりあえずここに。
カオスです。
セフレなレオジャミでカリジャミ←レオで別れたレオヴィルが一時的に復縁するはなし。ほんのりラギ→レオも
いつまでもすぐ近くに隣り合った平行線を走り続けるのだと思われたカリムとジャミルの関係は、思いの外簡単に交わった。
「悪いなジャミル、やっぱりオレは、お前を手放せそうにない」
そう言ってカリムがジャミルの手を握ったのはジャミルがレオナと自習室で話している時だった。
期末試験を前に普段よりもたくさんの生徒たちがいるその空間で、カリムははっきりと口にした。
「愛してるんだ」
「な!」
ジャミルがペンを取り落とし、それを拾おうとしてまた何度も落とすのをカリムが屈んで拾い上げる。
「手を離すのがお前の幸せだって、ちゃんとわかってる。でも、オレが唯一本当に欲しいと思ったのはお前だけなんだ──ジャミル」
ペンをジャミルの手に握らせ、そのまま引き寄せると甲に口付ける。
「いつかお前が側に居たいって思えるくらいの男になるから、それまでは嫌いでも構わない。どうかオレのものでいてくれ」
ジャミルは返事をしなかった。ただ真っ赤になって目を潤ませて、はくはくと唇が音にならない開閉を繰り返す。その姿を見たレオナはそっと目を閉じた。
夜、コンコンと扉を叩く音にレオナの耳が動く。あれから自室に戻り、眠るでもなく寝台に転がっていた。
レオナはジャミルが好きだった。
嘆きの島の一件以降、すっかり隠さなくなった生意気な物言いが可愛くて、ポンポンと軽快に交わされる嫌味混じりの会話も楽しかった。
じゃれ合いの延長に見せかけて触れてみれば関係を持ち掛けてきたのはジャミルの方からで、相性が良かったこともあり、三日と置かず肌を重ねていた。
ジャミルにレオナへの恋情がないのは分かっていたが、すっかり馴染んだ隣にいる姿に、いずれは同じ思いを抱かせてやるとじわじわ距離を詰めている最中だった。
そんなレオナの意図を察知したのもあるのだろう。鷹の如く飛び出して来たカリムが一瞬で獲物を掻っ攫っていってしまったのだ。
そいつはオレのだ。
あの時、一瞬合った目がそう言っていた。
「
……
くそっ!」
寝返りを打つとバルコニーの向こうに月が昇っている。細く優美なそれは、ジャミルの横顔によく似ていた。
「レオナさーん、入りますよ」
「お邪魔するわね」
ラギーの声と共に入って来たのはヴィルだった。レオナを見るなり顎に手を当てクスリと笑う。
「随分としょぼくれてるじゃない」
「
……
うるせぇ」
扉が閉まる。
レオナの唸り声を無視して足を踏み入れたヴィルは躊躇いなくベッドに座り、靴を脱いでレオナの上に乗り上げた。
「聞いたわよ。カリムがジャミルに公開告白したんですって?やるじゃないあいつ。脳天気でお人好しなばかりだと思ってたけど、見直したわ」
スカラビア寮生は「寮長と副寮長が!」「おめでたい!」「宴だ!」と張り切って準備をしていたが、肝心のふたりがカリムの部屋に篭ったきり出てこないのだという。何をしているのか──想像もしたくなかった。
「慰めてあげてもいいわよ?」
ヴィルはレオナの髪を掬い上げ、くるりと弄ぶ。
「
……
そうして飽きたらまた捨てるくせに」
かつて一時、ヴィルはレオナの恋人だった。甘やかに愛を囁き、慈しみ、大喧嘩の末に別れた。もう一度付き合ったところで同じ結末を迎えるのは目に見えている。
拗ねたレオナの声にヴィルはくすくすと楽しそうに「勿論」と笑って耳に唇を落とした。
「だって普段のアンタはいちいち腹立たしいことしか言わないじゃない。失恋にしょげた子猫ちゃんの期間限定で、アタシが可愛がってあげるわ」
「
……
どいつもこいつもひどい男だ」
「文句なら自分に言いなさいよ。寄り添って欲しいなら大人しくサバナクローの誰かを選べばいいのに」
ヴィルの言葉にレオナは口を尖らせる。
「あいつらにこんなザマ見せられるかよ」
「ふふ」
ヴィルは笑ってレオナの頭を抱き込んだ。
「アンタが気付いてないだけで、あの子たち結構ちゃんと見てるのよ?」
レオナの様子がおかしいからと、ヴィルに話を聞いて欲しいと持ち掛けたのはジャックだった。そうしてサバナクローまで来てみれば寮生たちはどこか落ち着かない様子で、ここまで案内してくれたラギーは扉をノックすると殊更明るくレオナに入室を告げ、ヴィルが部屋に入るのを俯き唇を噛んで見送った。
レオナは自分が選ばれないと嘆いてばかりだが、多くの場面において選択権を握っているのはレオナだ。ジャミルのことだって、ヴィルからみれば相当に懐いていたので、レオナが真摯に愛を告げれば容易に手に入っていたに違いない。
この男が己を取り巻くいくつもの愛に気づくのはいつの日か。
「いらっしゃいキティ。今夜は別の男の名前を呼んでも許してあげるわ」
とりあえず今日のレオナはヴィルのものだ。可愛がって、甘やかして、あわよくば涙のひとつも落とさせたい。
縋りつくレオナを想像して、ヴィルはうっすらと笑った。
end
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