匣舟
2025-10-08 22:05:49
1572文字
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きみのぬくもりを抱いて眠る

現パロの庄乱 ショートショートです


 カタカタとキーボードの打つ音しか聞こえない部屋には疲れ目気味のブルーライトカット眼鏡を掛けた庄左ヱ門が明日大学の講義で遣う資料の作成をしている所である。
 パソコンの横には丁寧な字で分かりやすくまとめられたルーズリーフと数時間前に眠気覚ましのために自分でいれた少し濃いめのブラックコーヒーが入ったカップが置かれている。
ふう、」
 長時間同じ体制で尚且つパソコンの画面を見ながら作業をしているせいかパソコンの画面がぼやけてきたので掛けていた眼鏡を外し、目頭を揉んで大きく伸びをした。
 これならあと一時間も掛からずに終わるだろうと見込んでカップに入っていた少し濃いめのブラックコーヒーを飲み干し、また作業へと戻った。
 それからもカタカタとキーボードを叩く手を休めずにした結果、予想通りに一時間も掛からずに終わったので資料をファイルに保存し、シャットダウンをした瞬間に部屋を抜け出した。
 庄左ヱ門が向かうのは愛しい恋人がいるリビングである。半分魂が抜けそうになりながら廊下を進み、庄左ヱ門の恋人である乱太郎がいるリビングのドアを開けるとドアを開けた音が聞こえた乱太郎がこちらを振り向いた。
「あれぇ、庄ちゃん。もう終わったの?」
「らんたろう。」
 あともう少しかかると思ってたからまた編み物始めちゃった。と微笑む乱太郎が座っているソファーの下にはいろんな毛糸が散らばっていた。毛糸の色は青系統が多く、その他には深緑や緑だったり寒色系の色が彼の下に散らばっている。
 ずっとパソコン作業をしていて心が荒んでいた庄左ヱ門は、乱太郎の笑みを見た瞬間、直ぐに恋人の元へと行って抱きついた。
 庄左ヱ門に急に抱きつかれたことによって恋人である乱太郎のひゃあっ!という小さい悲鳴が聞こえたが、次の瞬間には頭を撫でられているので気にせずにぎゅう、と力を込めて乱太郎の腰あたりに抱きついた。すると庄左ヱ門の頭上から、ふふ。と笑い声が聞こえる。
「ふふ、今日は甘えたさんなの?」
 自分の頭を撫でながら微笑んでいるであろう乱太郎に、そうだよ。だって今日色んなこと頑張ったんだもん。褒めてよ。と腰あたりに抱きつきながら言うと、よぉくがんばりました〜。花丸っ!とまた優しく頭を撫でられる。
 撫でられたことに対して嬉しいのか、はたまた気持ちがいいのかもっと撫でろというふうに乱太郎の腰あたりにぐりぐりと自分の頭を押し付けてくる庄左ヱ門に乱太郎はかわいいね、庄ちゃん。と微笑みながら彼の頭を撫で続けている。
もっ、と。」
「はいはあーい。」
 甘えるような声で乱太郎に頭を撫でることを強要していた庄左ヱ門は、朝からずっとパソコンと向かい合っていたせいか、乱太郎の頭を撫でる手つきと、乱太郎の子供体温のようなぬくもりにうつらうつらと船を漕ぎ出し数分後になると乱太郎に抱きついたままそのまま眠ってしまった。
ありゃ、この体制で寝ちゃったの?」
 いっぱい疲れてたんだねえ、そりゃあ、そうだよね。ずっとパソコンしてたもんね。頑張ったね庄ちゃん。と言いながら頭を撫でていると少し険しかった寝顔が少しだけ和らいだ。
 でも、乱太郎が座っているソファーは二人掛けソファーとは言え成人男性二人で使うには少し窮屈で、乱太郎の腰あたりに抱きついて寝てしまった庄左ヱ門は丸まって寝ている。
起きたら体バキバキになっちゃうかな。」
 なんて庄左ヱ門の心配をしているが、結局乱太郎の腰あたりに彼が抱きついて寝ているため、どうすることも出来ないのである。
 まあ、仕方がないか。と諦めた乱太郎は庄左ヱ門の額におやすみ。庄ちゃん。とキスをして、冬に使う予定であるふたりお揃いのマフラーを編むべくまた毛糸とかぎ針を持ってマフラーの製作へと戻るのであった。