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usagipai
2025-10-08 21:07:19
1003文字
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「あっー!!! おーまーえー!! 道具のくせに生意気なんだよッ!!!」
怒号が、金属音のこもった倉庫に響き渡った。
レントは、苛立ちを隠さずラティアスの首枷を掴み、ぐいと引き寄せる。
彼女は必死に手を振り払いながら、涙目で睨み返した。
「ふんっ! 名前なんて絶対教えないもん! 特に
――
あなたには!」
「はぁ!?💢 ミリーちゃんには教えて、俺には言えねぇってのか!?」
怒りに顔を歪めるレント。
ラティアスは首を引かれながらも、なおも負けじと抵抗する。
「わっ、ちょっ、痛っ! 首枷引っ張らないでってば!!」
その声が倉庫に反響する。
ほんの少し前まで
――
彼女は怯えて声も出せない“おもちゃ”だった。
それが今では、反抗的な目を向けてくる。
その変化が、レントには我慢ならなかった。
「伝説だかなんだか知らねぇが、ポケモンごときが人間に指図してんじゃねぇ!!」
怒鳴り声が止んだ瞬間。
重たい空気を裂くように、マクシミリアンが静かに一歩、前へ出た。
「
……
もういい、レント」
その低く落ち着いた声が響いた途端、ラティアスの震えがぴたりと止まる。
彼の背中が、まるで盾のように彼女を覆い隠していた。
レントは舌打ちを一つ鳴らし、肩をすくめた。
「
……
チッ、また“お優しいミリー様”かよ。甘すぎんだよ、あんた」
「甘さじゃない」
マクシミリアンは、振り返らずに静かに言った。
「ただ、壊すだけが支配じゃない。それを忘れるな」
その声音には怒気も熱もなかった。
それが逆に、レントの苛立ちを削ぐ。
数秒の沈黙のあと、彼はため息をついて首枷を放した。
「
……
勝手にしろよ。どうせ俺が怒られるんだろ」
吐き捨てるように言い残し、レントは踵を返して倉庫を出ていった。
静寂。
ラティアスは喉を押さえ、かすれた息を吐いた。
そんな彼女に、マクシミリアンはゆっくりとしゃがみ込み、目線を合わせる。
「
……
すまない」
その言葉に、ラティアスは小さく瞬きをした。
怒鳴り声も、嘲りもない。
ただ、どこまでも穏やかな声だった。
「
……
なんで、庇ったの?」
震える声で問いかけると、マクシミリアンは少しだけ遠い目をした。
「
……
昔、同じ目をしたポケモンを見たことがある。それだけだ」
そう言って立ち上がる彼の背は、少し寂しげだった。
ラティアスは何も言えず、その背中をただ見つめていた。
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