凪田シロ
2025-10-07 19:44:19
2498文字
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据え膳

ハッピー平和時空‼️まだ付き合ってなかったシャアムです‼️🟥が⬜️に執着したおかげでなんとかなった世界線だと思ってください🫶シャのことを純粋に尊敬してるから馬鹿にされておこだったアムと、そんなことよりアムをいつ食べるかウキウキしてたシャだよ

「アムロ、君とまた会えて嬉しいよ」
「あなたね、いつものことだけど歓迎するのは俺じゃないだろ……
 ネオ・ジオンと連邦の和平に向けた交流が始まり、連邦上層部の護衛隊として付き添うアムロを嬉々として出迎える総帥の図が日常となりつつあった。もっぱらアムロの専門はMSによる戦闘であり生身のボディガードは心得がない訳ではない、程度のものだったがアムロを同行させると目に見えて総帥の機嫌良くなる為、こうして駆り出されていた。最初は立場ある人間が一介の軍人と馴れ合うことに難色を示したものもいたが、最終的には連邦とネオ・ジオンが手を取りあった象徴的な光景として受け入れられ始めていた。
「全く、くだらんことに時間を割いてしまった」
 連邦との会合は早々に話をまとめあげ、先程までとはうって変わって上機嫌で自室に戻ったシャアはおや、と疑問を抱く。最高機密に関わる事柄の場では流石に同席が許されないアムロを先に自室で待たせていたのだが、そのアムロが不機嫌そうに酒をあおっていたからだ。部屋の主の帰還に気がつくとダン! とグラスが割れるのではないかと心配になる強さでアムロはグラスを机上に置いた。
「随分な荒れようじゃないか何があったんだい、アムロ」
「あなた、しばらく俺に関わるな」
「理由もなしにそれは出来ないな、理由は?」
……いいたくない」
 アムロから突然の接触禁止令に何故と問えば、ふいと目を逸らしてだんまりを決め込むつもりらしい。ふむ。とシャアは思案する。というのも外でのアムロとの触れ合いはそう最近に始まったものでは無いからだ。連邦とネオ・ジオンの交流を機にアムロはスゥイート・ウォーターに滞在することが増えた。それを幸いとシャアがアムロに話しかけている様子はネオ・ジオン内で最初は注目を集めていたのものの、いつしかそれは当たり前になっていた。知らない人間が見ればいささか強い言葉のじゃれあいに見えるそれも、シャアとアムロの気の知れた仲があってこそで、そも本気で嫌がっていたりそういったものはないと感じていた。それを突然辞めろと言い出すのは違和感を覚えて当然だった。ならば、と思い当たる可能性を口に出す。
「私の行いのせいで、君が連邦の連中から何か言われたのか」
……別に、そういうワケじゃないけど」
 まず考えられるなら筆頭は連邦の愚か者共だ。元々連邦内でのアムロの立場は良いものではなかった。アムロの能力を恐れ正当な評価を与えない連中のことだ。ネオ・ジオン内での交流が盛んになったことでアムロがネオ・ジオン側に寝返るのではと不安を抱いている連中がいることは密偵から報告を受けていた。無論アムロがその気になればいつだって出迎える準備は出来ているのだが。それは違うらしい。ならばと。
「私の部下が迷惑をかけてしまったか? 特徴を教えろ、今に修正して……
「ああいやそれはもっと違う! 貴方の部下達には良くしてもらっている」
 身内の恥によってアムロに迷惑をかけたのであっては面目が立たない。直々に指導をすべきかと伝えればこれもまた違うらしい。
……ならば、何故」
 アムロはそのままおし黙ってしまった。連邦でもなくネオ・ジオンにも原因が無く、私には言えない理由。つまり。
「私の相手が煩わしくなったということか」
「ど、どうしてそうなるんだ!?」
 どうもこうも当然の帰結ではないだろうか。組織の絡まない個人間の問題ということになればアムロが私に対して不都合ができたとしか思えない。アムロとの心地の良いレクリエーションを楽しもうと泳がせていたのが良くなかった。今まで私が話しかけても満更でもなさそうにしていたくせに。こうして部屋に誘えば無防備に招かれていたというのに。今更、逃がしてなるものか。手始めに
「まてまてまて、わかった、言う、言うからその物騒な思考を止めろ!」
「ほう、流石だ。何が視えたかは知らんが……逃げられると思うな」
……だよ、」
「なんだ? きこえないぞ」
……っ俺のせいで! 貴方が! バカにされるのが嫌なんだよ!!」
「は、」
 思いもよらない告白に固まっていると、気でも触れたのかアムロは度数の高い酒をグラスなみなみと注ぐと一気に飲み干した。そんなことをしたものだから酩酊感に苦しんでいるのか俯いたまま暫しの沈黙。そして、げふ、と息を吐き出すと。顔を上げじとりと座った目でアムロはなにかのメーターが振り切れたように続けざまに呂律が回ってない口調で喋りだした。
「れんぽーのやつらはあなたが、かおだけでのしあがっただの! かとおもえばこっちではあんたがろりこんだのさぁ!!」
「はあ、」
 実際のところ、自分の風貌は政治活動において有効的であったし、ララァのことが忘れられず言葉を漏らしてしまったことも事実だった。別に実害も無かったしあまりにも言われ慣れていたため、そんなことで今更怒るアムロがなんというか新鮮だった。酔いは回っていても、秘密の無い人間なんていないし、人のプライバシーは尊重されるべきだと語るアムロの口ぶりは真剣そのもので。その様子に温かな気持ちが沸き起こる。
「あなたは、まっすぐで! きめたことをやりとげるすごいひとで、じゅんすいに、そんけいしてたのに、」
「ほお」
「れんぽうのやつら、おれが、あなたとねてやれば、なんでもいうことをきくんじゃないかってわらったんだ、」
……
 それに関しては言い方は癪に障るがまあ、概ね図星であった。無論連邦には利用されるつもりは毛頭ないが。それはさておき結局、アムロの乱心には連邦の奴らが噛んでいた。やはりある程度間引くべきか? それはまた、おいおい考えるとして。アムロに悪くは思われていない自負はあったが、これは想像以上に。
「アムロ、君はどうやら私が思っていた以上に私のことを好いてくれているのだな」
「あ、えっと……まあ、な」
 言質はとった。なのでとりあえず衝動のまま思い切り抱きしめると。ひゃあ、なんてアムロが愛らしい声をあげるものだから。そのまま美味しくいただくことにした。