れんげ
2025-10-07 07:35:07
710文字
Public
 

ベンチの下に落ちていた(小説)

カプ要素なしです

その本は公園のベンチの下に落ちていた。

とあるクエストをこなすためにNLA内を捜索しているところに、新人がそれを見つけたのだった。
新人は日本語で書かれた表紙をまじまじと見つめ、さらに中身を確認しようとしたため、奪い取った。
「こーら!お子ちゃまにはまだ早いやつだ」
「そうなのですか?」
記憶障害の影響なのか分からんが、新人はカルチャー系の知識がすっぽり抜けているところがある。しかしこれは流石に真昼間、しかも公共の場で見せるわけにはいかない。
「まあまあ。しかし、こういうものが落ちているとはな……
ダグがベンチを見ながらつぶやいた。奴はこういう時でも冷静だ。

「くそっ!子供が拾ったらどうするんだよ」
と、言ったものの、この街に子供はいないのを思い出す。
「とりあえず、長官に報告しようぜ」
「そうだな」
捜索を一旦打ち切りとし、ブレイドタワーに向かうことにした。

「あー!何か持ってる!」
「げっ」
思わずジャケットの中に入れる。
「アル。その手に持ってるのは何?」
手分けしていて捜索していたエルマとリンがやってきた。
「どうやら、公共の場にはふさわしくないものが落ちていたようですよ。この件を報告しに行くところです」
新人が謎のフォローをしてくれたが、逆効果になりそうだ。
「ふーん」
「そう」
白い目で見られる。
「これを持てって言ったのはダグだ!」
指差しながら抵抗する。
「なんでだよ!」
ぶつぶつ言いながら、タワーへ向かっていった。


……また邪魔が入ったか。ようやく再開してくれたと思ったのに。いつになったら全部見つけてくれるんだか」
例の爆弾の仕掛け者はそうぼやいた。

終わり