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凪田シロ
2025-10-07 01:13:38
1789文字
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箱庭の愛
ししえ後シャアム死ネタ
🟥の幼児退行ネタ見かけて色々考えた結果方向転換により🟥が可哀想な話に……。この後行方不明ENDでもいいですしキャスくんの宝物END(意味深)になるかはご想像にお任せします👋
⬜️が見せてくれた幸せな夢の中で眠ったまま死ぬはずが⬜️に会いたいと願ってしまって全部失ってしまった🟥です。
可愛いキャスバル、私の宝物
……
。
「お母さま
……
?」
「ああ、ごめんなさい。起こしてしまったわね」
うつらうつらとしていた意識がふと目ざめて、目の前には大好きな母の姿があった。キャスバルは母の腕に抱かれて眠るのが大好きだった。優しい母はもうすぐ五つになるキャスバルを赤ん坊だった頃と変わらず甘やかしてくれる。いつも通り、変わらない日常のはずなのに母の顔を見ると何故か涙が溢れそうになった。
「何か、怖い夢でも見たのかしら」
「ううん、なんでもない」
男子たるものそう簡単に涙を見せてはいけないと堪えたはずなのに聡い母はそんなキャスバルの強がりも簡単に見抜いてしまう。 それが少しだけ恥ずかしくて、たまらなく嬉しかった。涙に濡れた顔を見られるのが恥ずかしくて温かい母の胸に飛び込んだ。そんなキャスバルをなにも言わずに母は受け入れてくれる。
「母さん、大好き
……
」
「ええ、愛おしいキャスバル。私も大好きよ
……
」
ダイクン家の一人息子として期待をされ日々学ぶことは多かったがそれを苦に思ったことはない。父の立派な志を尊敬していたし、なによりもキャスバルの成長を日々母は喜んでくれたからだ。それに多忙な父はあまり家にはおらず、ちょっぴり息抜きをしたい時はこれはお父様には秘密よ、なんて笑いながら母は休息をとることだって許してくれた。こうやって大好きな母と過ごせる幸せがずっとずっと続きますように。
―
そうして、どれほどの日々を過ごしただろうか。
母と共に目覚め、共に眠る。なにも変わらない、穏やかで満たされた生活を何度も繰り返した。だが、そんなある日。
「
……
?」
なんのにおいだろう。嗅ぎなれないにおいに誘われるようにふらりとキャスバルの足が勝手に動きだした。それは所謂、血や硝煙、物が焼け焦げた戦場のにおいと言われるものだったが今のキャスバルには無縁のものだった。何かあればすぐに知らせるようにと唯一母親に強く言い含められていたキャスバルだったが何故かその約束事はすっかりと頭から抜け落ちていた。そうして、においの主へたどり着くと思わずキャスバルは悲鳴をあげてしまった。
「ひっ
……
!」
そこには、血塗れの人間が仰向けに倒れていたからだ。今すぐ逃げ出して侵入者がいると家の人間に告げなければ行けないはずなのに、理性とはうらはらに自分の目や身体はその人に吸い寄せられてしまったように動かない。そしてキャスバルはその場に情けなく尻もちをついた。けほ、と死んだように見えていた人間が咳き込んだのだ。
「い、いきてる
……
?」
「
…
、
…
っこっちに、くる、な」
思わず近付けば閉じられてれていたはずの瞼が開かれてキッと睨みつけられる。死にかけているとは思えない程の意思の感じられる力強い瞳にキャスバルは身を貫かれるような情動を感じた。
僕は、この人のことを知らないはずなのに知っている。直感めいた、確信。
「だめ、だ、おかあさんのところに、いくんだ、■■■、あなたのかえるばしょは、ここじゃない」
だが遂に気力も尽きはじめたのか、急速にその体から命の気配が消えていくのかわかってしまった。意識が朦朧としているのか、キャスバルのことを知らない名前で呼んでいる。
―
本当に?自分の内から聞こえる声。でもとにかく今は。
「ひどい怪我だ、放っておけるはずがないだろう」
「
……
むかしから、ずっと■■■は、やさしいひとなんだな」
ふわりと、柔らかい笑みを浮かべたその人は、最後の力を振り絞り震える手で優しくキャスバルの頬を撫でてくれた。母以外にこんな風に触れてくれる人が、私には居てくれるのだろうか。それを思い出せないことが嫌だと、強く思った。
―
瞬間、優しい夢からシャアは目覚めていた。そして眼前にはあまりにもか細い息をするアムロが居た。
「あ、あむろ、」
手遅れだ。あまりにも血を流し過ぎている。見た瞬間、戦地を駆け抜けてきた経験が残酷なまでの現実をシャアに告げていた。
「いやだ、しぬな、いかないで、あむろ、」
自分が死にかけている遺された時間でアムロは何を想いシャアにあんな夢を見せたのか。どうして、優しくシャアに微笑んでくれたのか。何一つきけてはいないのに。アムロはシャアを置いて逝こうとする。
「ああ、ああ
……
」
アムロに子供のように泣き縋るシャアにかけられる言葉は、何も無かった。
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