fedge
2025-10-06 20:06:14
969文字
Public Pixiv非掲載
 

CapironWeek2025 DAY2 Pillow Talk

事後のお話なので一応R15位を想定しています。

布が擦れる音がした。
微睡から引き戻されて小さく唸りながら音の主のほうを見やると、たこのある逞しい掌が頬を撫でる。
「起こしたか」
ふるふると小さく首を振って触れてきた掌に触れ返す。彼は口角を僅かに上げると、掌を離して寝台に己の躰を滑り入れた。少し彼のほうへと引っ張られた掛布が素肌に擦れる。ぽやぽやとした意識を手繰れば、ああまた途中で気をやってしまったのだなと気づけた。今夜はどれくらい持っていたのだろうか。
「すまないな、また無茶をさせた」
「いや、僕がたくさん強請ったからだろう。君が謝ることはない」
掠れた声で返せば、また愛し気に掌が触れてくる。優しく頭を撫で、そのままくたりとしていた耳の後ろに指を這わされた。少しばかりくすぐったくなって、でももっと触れてほしくて、その手にわざと耳を擦り付ける。潤滑剤や分泌液で濡れていた躰はきれいさっぱり拭われていて、情事の記憶を残すのは延々と穿たれてまだ何か咥え込んでいるような気さえする後孔と、胸元に残された痕だけだ。……敷き布も散々濡らしてしまったはずなのだが、いったいどうやって換えたのだろうか。
もぞりと躰を動かして寝台横の屑籠を覗き見れば、スキンの箱がくしゃりと潰されて捨てられている。はてこれは何個入だったか、次はもう一箱買うべきだな。予備はいくらあっても構わない。
……起きるのか?まだ朝と呼ぶには早いが」
「いや、寝るよ。なんなら僕は予定がないからお昼までぐっすりの予定だ」
返事を聞くや否や引き締まった逞しい腕が伸びてきて、躰をぎゅっと抱き寄せられる。ひやりとした掛布が肌を滑るが、それを僅かに上回る体温に包まれた。寄せられた端正な顔から穏やかな呼吸音が漏れる。
「君は……明日も早いんだろう?」
「ああ……何。二時間も眠れるなら十分だ」
全く眠れないよりは遥かに良くなったとは思えど、それでも、それはあまりに短すぎる。
「二時間……健康のためにも、君はもっと眠るべきだ」
……散々眠った後だからな、多少は大目に見てくれ」
「寝だめはできないと以前読んだ本に書いてあったぞ。……用事がない日だけでも、ゆっくり眠ったほうがいい」
……善処しよう」
……
おそらく善処はされないだろう。
……何故なら、彼が休みの日は、今日よりもずっとずっと激しいのだから。